3週続けて、,と言うか、2~3ヶ月続けてトレイルランニングでした。
甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根は、山を知っている人なら、知る人ぞ知るハードコース。
標高差が2200mあって、急斜面で鎖場、ロープ、梯子などを使って、よじ登るアドベンチャー的な要素が強いコースです。
北岳と間ノ岳。
ハードだけど、北アルプスの穂高、槍、剣にくらべると、森林が上まできているので比較的安全です。
甲斐駒ヶ岳は花崗岩の白と松の緑がコントラストがあり美しい山です。
鳳凰三山の先に富士山が。
岩と雪の北アルプスに比べれば、甲斐駒は標高が3000m近くても山水画のような趣あり。
8月の頭にNHK小さな旅で、地元の韮崎高校教員ヤマモトさんが、甲斐駒ヶ岳でトレイル・ランニングをやっていると紹介していた。その番組は話で聞いただけで見ていないが、鏑木さんのブログなどを見ても甲斐駒の話が出てきて、いつか黒戸尾根にいってみたいと思っていた。
先日は北沢峠から甲斐駒に登ったが、登れば良いって訳じゃない。黒戸尾根で登ることが面白いのだ。
甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根は、学生の時に初めて登った本格的な山行きに使ったルートだった。それから◎◎十年たって、2度目のチャレンジです。
当時は重たいキスリングを背負って、仲間と4人とテント、自炊の登山。30kgの荷は肩にずっしりして、運動していなかった仲間は早々とグロッキーになり荷を持ってやったことも。
2人分の荷は50kgをゆうに超えていたが、それで走ったりしたのは、、、今に続くことなのかもしれない。
今回は南蛮のイシカワさんと2人。
イシカワさんも先月、白馬などをトレランしたという心強い相棒だった。
甲斐駒の黒戸尾根登山口は2ヶ所あり、ひとつは竹字駒ケ岳神社で、もうひとつが横手駒ケ岳神社。
私達は尾白川に面した竹字駒ケ岳神社の駐車場からスタート。
朝9時過ぎについたので、スタートしたのは10時前。
神社から頂上までが4時間~5時間だろうと推測、すると宿泊予定の7合目小屋は3時間ぐらいか。
神社のあたりが標高で500m~600mぐらい。そこから登るので、樹木はうっそうとしていて風も入らない。道はそれなりに快適なもの。最初の黒戸尾根の頭に相当するところからは、快適なトラバース道。
道中の半分ぐらいの刃渡りあたりから、甲斐駒黒戸尾根の本領が出てくる。はしごと鎖場の連続です。背負っている荷が大きいと周りの岩にぶつかって身動きが取れないような所もあった。ただ北アルプスの岩場のようにスパッと切れているのじゃないから、さほど怖くない。
登るにつれ、周りの景色が見えてきて、八ヶ岳が釜無川の先にそびえてくる。
登るには手の力も必要です。
ここはロープに結び目を作って垂らしてあった。
鎖場や梯子、手すりなどは、ぐらぐらするものはなく、シッカリ整備してある。だから見た目ほど危険じゃない。
5合目小屋あとを過ぎると、あの手この手で登山者の行く手を岩がはばむ。
登山者は他の山よりは少ないけど、それなりにいます。
それより、トレイルランニングの方が目に付き、もしかしてメッカになりつつあるの?
陣場山や奥多摩の山々、丹沢よりははるかに本格的な山なので、最初は人に連れて行ってもらえば良い。
よじ登る箇所はそれこそ無数にある。
2967mの標高感はさすがに気分が良い。
5合目小屋あとでのんびり休んでいたので、7合目小屋には4時間あまりで到着。時間の短縮は可能です。
土曜日は全体にガスっていて、夜半は激しい雨。
明日はどうなるのかと、小屋の中で雨具を出して心配していた。
3周連続でまた雨かーーー。
翌日の日曜日16日の朝は、日の出を見ようと5時に小屋を出たが、あいにく雲が多く日の出の頃は、南アルプス全体がガスっていた。
ところが日が差し始めると、30分もしないうちに、みるみるガスが晴れて、青空が見えてきた。
こんな快晴はそんなにあるもんじゃない。7月、8月は数時間しか太陽が出なかったと言う。
7合目小屋から甲斐駒の頂上へは1時間ぐらい。小屋の主は頑張れば30分だなーと言っていたが、そりゃ無理だろう。
元気だったら、それにしても40分はかかるのでは。
ちなみに、鏑木さんは下の神社から頂上まで2時間26分ぐらいだったと、、、。
トップランナーだったら、2時間台なのだろう。
だから大雑把に考えて、一般ランナーはその倍ぐらいの時間だから、4~5時間見ておけばよい。
むろん登山者は、さらに倍の8時間9時間が標準でしょう。
今回はど失敗がひとつ。( ̄‐ ̄#)
出発前に山小屋に電話を入れておかなかったのが間違い、むろん泊まれたが食事付きができなかったのだ!
この一ヶ月間天候が悪くて、荷揚げのヘリコプターが飛べなかったそうで、食料がそこをついて、食事のまかないができなくなったのだ。昔の南アルプスだったらボッカが荷揚げをやっていたが、今じゃ登山者の数タルやそんなものじゃないので、ボッカじゃすまないのだと言う。
だからヘリが悪天候で飛べないと、てきめんに山小屋営業に影響がある。
そんなこんなで、山小屋で買ったカップうどん&インスタントコーヒー&パンの夕食となった。
質素な夕食だこと。
朝は持っていったカロリーメイトのみ。
うちひしがれる、南蛮トレイルチームだった。でも、こんな事も楽しい出来事ですね。
下山は3時間あまり、足場の悪いところばかリなので、スピードアップは危険です。
黒戸尾根は早朝スタートだったら、日帰りが可能です。
また黒戸尾根を登り北沢峠に下り、広河原経由で甲府に戻る手もある。極めつきのツワモノですが、夜叉人峠から入り、鳳凰三山、早川尾根、甲斐駒をこえ黒戸尾根に下ったトレイルランナーにすれ違った。このうち2つまでなら私でも、トレイルランナーだったら可能だろうが、3つはさすがにキツイ。
私は今回、日の出を見たかったから泊まったが、日帰りは十分に可能です。その時は荷をずっと減らします。
今回のザックの中身(22リットルサイズ)
雨具、着替えワンセット、ウインドブレイカー、タオル、ヘッドランプ、ラジオ、軍手、ティシュ、地図、カメラ、鈴、水1リットル、カロリーメイト5箱、財布
汗をかいた体を川で洗おうと試みたが冷たすぎ!日帰り温泉は近くに3箇所ありますので、そちらが良いかと思います。
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竹字甲斐駒神社脇には、キレイな尾白川があって、子供連れ、若い人たちの一大行楽地になっていた。昔は息を呑むようなくらいキレイだった尾白川には誰も人がいなかったが、今やサントリーの南アルプス天然水のおかげだと言うが、観光客であふれています。
登山道の吊橋の上から。
水の冷たいこと、子供はそれでも川に飛び込んでいた。
夜に雨が降ったので、
一枚目の写真に比べると、水がにごっています。
甲斐駒からおりて来て、ひもじかったので食堂でカレーとうどんを空きっ腹にかき込みました。
それから尾白渓谷の遊歩道を3時間散策。
東京からは遠いけど、見事な渓谷があります。
左から鳳凰三山、北岳と間ノ岳、仙丈岳。しばらくは晴天がつづくかも。
クリックすると大きくなります。
仙丈岳&甲斐駒ヶ岳トレイル・ランニング
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20090802
広河原から北岳、間ノ岳、農鳥岳まで
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080721
農鳥岳から奈良田温泉へおりる
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080721
南アルプスの写真をパノラマにつなげた
9月にはいれば、3000mクラスにトレイルランナーは行かないとは思うのですが、北海道のような事故が起こらないようにと願うばかりです。
まぁ、トレイルをはじめた人がヒヤリハットの経験を積むのもいいんですがね、ランナーによる大きな事故が起こると、「起こるべくして起こった事故だ!」なんてマスコミが騒ぐのが目に見えております。
9月ぐらいだと、まだシーズンの感があります。
お盆を過ぎると、山の上の気温はぐーと冷え込みますが、、、さすが雪が積もると敬遠ですね。
それからは登山者とスキーヤーの世界です。
甲斐駒の道は、日向を経由する道を整備中で、黒戸尾根を上りに、新しい道を下りに、トレイルの大会を計画しているそうです。
鋸岳のほうから尾根伝いに日向に下りる良いコンディションの道らしい。道の整備は山小屋のオヤジさん1人でやっているそうだ。現在の黒戸尾根の登山道もほとんど1人で整備をしていると、、、助っ人じゃツーカーでできないらしい。
トレイル・ランナーの事故はまだまだ人口が少ないからー。これがもっと多くなるとあるかも。だけど登山の事故のように毎年何人もの、、死者は出ないだろう。出たとしてもわずかだと思う、、、根本的に求めているものが違うからなんだ。
甲斐駒地域は、私としてはトレイルの大会はよして欲しいのです。トレイルの楽しさは、大会とは別の話。大会って、そもそも地域おこしと言う名目と、流行に流されている気がします。もっと他と違う事を考えればよいのにと思いますよー、、、もったいない。
しかし、2時間30分は驚異ですね。
自分は20代の時に登りましたが、下から山頂に行って七丈小屋に戻って10時間くらいだったと思います。
南アルプスも近頃はトレイルランナーが多く入り、短時間で相当距離を稼いでいます。
何かその昔、クライマーが猛烈なスピードで、既存のルートを何本か継続して行った時代を彷彿させます。
去年の山耐のとき、日の出山のクロモ岩で、「ヒャッホウー! ホ ホウ!!」といった奇声を発しながら一番手で下ってきたとき、隣にいた仲間は、選手以外の人が勝手に走っているんではないの?なんて感じたそうです。
今思えば、スキーか何かの掛け声なんでしょうが、今年は奇異に見られるので止めた方がよいと考えます(笑)。
甲斐駒でトレイルレースをやる計画があるのですか!それは初耳ですが、・・岩場が多くてレースをやるルートではないし、鎖場で必ず渋滞しそうですね。
あのルートは、信仰登山のルートだから、商業的なレースは似合わないと思います。
でも、地元の人がやりたいというのなら、やむ得ないのでしょうか、南アルプスや奥秩父の原生林を削って林道を造っているご当地ですので、黒戸尾根でレースをやることぐらいなんとも感じないのだと思います。
どうせやるのでしたら、竹宇スタート→黒戸尾根→甲斐駒→千丈→北岳→鳳凰→夜叉神ゴールというのが、ツワモノどもの喜ぶルートではないかな~?
山本さんは練習する時間が取れないと嘆いていたそうです。だから週末に甲斐駒にいくんでしょう。
トレイル・ランニングは新しい登山形式だと思う。
スピード登山でしょう。
甲斐駒でやる時は、ふもとの小学校がスタートになるので、山道に入るまでにばらけるのではと言っていた。
まして鎖場あたりまででは差がつくでしょう。
仙丈から両又経由の北岳はだいぶ距離がかせげます。トランス南アルプスになりそう。
登山者が多いところだから大変だー。
黒戸尾根は、なかなかハードなコースですよね。何度か冬に登ったんですが、もちろん、途中で1泊して、ラッセルしながら登りました。
黒戸尾根の静かさに対して、北沢峠に降りるとにぎやかで、もう人里に降りてきたような印象を持ちました。
黒戸尾根は冬でも、7合目小屋はやっています。
山小屋のオヤジさんが通年営業だと自慢していました。
冬だと登山者が少ないから、ラッセルがキツく山小屋のオヤジさんも、途中までラッセルして、いったん戻り翌日また昇り返すと言っていました。
たまに荷揚げをするようです。
黒戸尾根は北沢峠に比べたら、、、そりゃもう何分の一ぐらいでしょう。
北沢峠からはツアーの人たちが大勢登ってきます。黒戸尾根はパーティはゼロでした。
トレイル・ランナーのグループはいましたよー。
北沢峠は、山小屋はあるけど、標高2000mの下界ですね。
それにしてもトレランの人避の鈴、なんとかなりませんか。うるさくてかないません。
スパルタンなお言葉うれしいです。もっと速く走らねばいけないですね。軟弱に走りすぎたようです、、、5丈跡ではお昼休憩を取ったし、最初から7丈小屋どまりの予定だったんで、、、。
登りで4時間ぐらいだと、ほとんど走らない感じかなー。
このときの相棒だった彼はトレイルの大会で入賞しているから、私が足を引っ張っていたのかもしれません。
鈴はハイカー&トレランや山屋さんの必需品だと思っていますが、、、。ラジオを聞きながら登っている人もいて、それぞれじゃないですか。ラジオを持っている方に出会うと、わたしなど、つい甲子園情報など聞いてしまいます。
今、山には昔からの年配者やトレランの人も増えたし、ハイカーでもトレランでも女性が多くなったのにはうれしい限り。それも若い人が多くなった。私も山に行くようになって40年以上になるけど、様々な人が来るのは嬉しいですよーーー。