※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(24)
ドイツ・ルネサンス期に<デューラー>(1471-1528)と並んで活躍したルーカス・クラナハ(1472-1553)。
ブリューゲル(父)(1525-1569/初期ネーデルランド絵画)などと同様、息子も同名の画家のためクラナハ(父)とも呼ばれる。
粘着質だったのか同じ主題で多くの作品を描いており、<アダムとエヴァ>に至ってはなんと18点も描いていて呆れる。
そのクラナハの 「ホロフェルネスの首をもったユディト」(上段左)が今回の作品。
主題は、旧約続編・第二正典のユディト記の美しい女、彼の場合は可愛い女?のユディト。
物語の筋はこれまで何度か、最近ではクリムトの 「<ユディトⅠ>」(ウィーン/ベルヴェデーレ宮蔵)で投稿したので重複は避けるが、本作もベルリン・ゲマルデ・ギャラリー(上段/三枚組左)や<カッセル美術館>(同/中)、ブタペスト国立美術館(同/右)が収蔵するなど、これまた何作か描いている。
彼が描くところの細くて腰がくびれたプロポーションの女性像、盛期ルネサンス・ヴェネツィア派の画家<ジョルジョーネ>(1477-1510)や弟弟子<ティツィアーノ>(1488-1576)描く豊満な女性像とはまた違った官能美を醸し出しているとされている。
どちらを好むかは人夫々だが、少なくとも彼をお抱え画家にしたフリードリヒ3世には好評だっただろう。
ちなみにフリードリヒ3世、福音主義を唱えるなど宗教改革の口火を切ったマルティン・ルター(1486-1546)を保護し、プロテスタントを承認したことでも知られている。
その 「ザクセン選帝侯フリードリヒ3世賢明公」(下段左/ウフィツィ美術館蔵)、「マルティン・ルターの肖像」(下段中/ウフィツィ美術館蔵)を描いた宮廷画家クラナハ、友人ルターのためプロテスタントの立場に立った祭壇画を主に手がけたとされている。
もう一枚、彼の 「ザクセン選帝侯フリードリヒ寛大公の鹿狩り」(下段右)も架る。
ところで、「相変わらず長いなあ」とわれ乍ら思わないでもない、で、何とか短くしようと頑張ったけど、手紙もそうだが短く意を伝えるって、ほんと難しいや!
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1136
※ 「美術史美術館(5) ‐ ヴァン・ダイク」へは、<コチラ>からも入れます。
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