※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (29) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (81)
ベルリンはポツダム広場の一角にあるクルトゥーア・フォールム、その中のゲマルデ・ギャラリーに架る秀作を巡ってきたがそろそろ最終章。
初期ルネサンス期に活躍したフィレンツェ派を代表するフラ・アンジェリコ(1387-1455)。
本名はグイード・ディ・ピエトロ、“ 天使のような ” という意味のフラ・アンジェリコと呼ばれることでも分かるように、人格者としても名高い画僧である。
話しはそれるが、99年初秋、初めてのフィレンツェ、<サンマルコ美術館>の旧修道院の二階へと続く階段の踊り場から眺めた彼の 「<受胎告知>」(1442-43年/230×321cm)、感動したことを昨日のことのように思い出す。
それ序に、この修道院の名を髙らしめた僧のひとりに<ジロラモ・サヴォナローラ>がいる。
話を戻して、その天使のような画僧の作品は 「最後の審判」(1450年/中央103 x 65 cm翼部103 x 28 cm)。
主題は、再臨したキリストによって死者も生者も裁かれ、天国と地獄とに分けられる場面。
キリストはこの世の終末に現れる救世主であると同時に、世界の終焉に罪深き人類を裁断する者とも解釈されてい、本作、神聖を示す右手を祝福する者たちへ、不浄を示す左手を罪人へとかざす姿で描かれている。
ちなみに、バチカンのシスティーナ礼拝堂の壁画、ミケランジェロ(1475-1564)の傑作 「<最後の審判>」(14.4×13.3m)、右手を罪人、左手を祝福する者たちへと、通常の概念から左右逆に手をかざして描いたとされているとか、見比べるのも面白い。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1354