映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No289「犯人に告ぐ」~劇場型捜査の裏側・・野望が渦巻く中、刑事魂を貫く中年男の孤独~
2007-10-30 / 映画

かつて、犯人逮捕に失敗し、
悔やみきれない無念さをかみしめているからこそ、
生まれてくる底力、
犯人を決して許さないという不屈の根性、気概が、
巻島刑事を演じる豊川悦司の全身からあふれていて、
圧倒された。
息を飲む展開。
犯人逮捕がメインだが、
警察本部内の権力をめぐるあつれきや
視聴率争いに奔走するマスコミと、
捜査の裏側で繰り広げられる人間ドラマに重点を置き、
丁寧に描きこむ。
自分の保身しか考えない上司や
平気で人を陥れようとする同僚刑事の中で、
いかに犯人を追い込むか、冷静に考え、
孤独に闘う豊川が、
寡黙で深みのある演技をみせてくれ、圧巻。
定年間近な老刑事(笹野高史)の律儀さ、真剣さ、
野心ばかりがぎらぎらしたエリート刑事(小澤征悦)の
最後の最後まで権力にしがみつくいやらしさ、
自分の保身しか考えていない警察本部長の石橋凌の腹黒さと、
まさに男たちのドラマ。
犯人の手紙のセリフも
いまの日本社会のありようを象徴し、
痛烈に批判しているよう。
劇場型捜査、という派手な広告文句とは裏腹に
重厚な演出のもと、みごたえのある人間ドラマとなった。
巻島刑事が犯人に呼びかける声がいい。
凄みがあって、響いてくる。
かつての失敗と今とをうまくクロスオーバーさせた脚本もうまい。
監督は瀧本智行。
デビュー作「樹の海」は私にとって忘れがたい作品。
かつてぱらぱらでもとりあげたので、よかったら、読んでください。
満足度 ☆☆☆☆1/2(星5個で満点)
悔やみきれない無念さをかみしめているからこそ、
生まれてくる底力、
犯人を決して許さないという不屈の根性、気概が、
巻島刑事を演じる豊川悦司の全身からあふれていて、
圧倒された。
息を飲む展開。
犯人逮捕がメインだが、
警察本部内の権力をめぐるあつれきや
視聴率争いに奔走するマスコミと、
捜査の裏側で繰り広げられる人間ドラマに重点を置き、
丁寧に描きこむ。
自分の保身しか考えない上司や
平気で人を陥れようとする同僚刑事の中で、
いかに犯人を追い込むか、冷静に考え、
孤独に闘う豊川が、
寡黙で深みのある演技をみせてくれ、圧巻。
定年間近な老刑事(笹野高史)の律儀さ、真剣さ、
野心ばかりがぎらぎらしたエリート刑事(小澤征悦)の
最後の最後まで権力にしがみつくいやらしさ、
自分の保身しか考えていない警察本部長の石橋凌の腹黒さと、
まさに男たちのドラマ。
犯人の手紙のセリフも
いまの日本社会のありようを象徴し、
痛烈に批判しているよう。
劇場型捜査、という派手な広告文句とは裏腹に
重厚な演出のもと、みごたえのある人間ドラマとなった。
巻島刑事が犯人に呼びかける声がいい。
凄みがあって、響いてくる。
かつての失敗と今とをうまくクロスオーバーさせた脚本もうまい。
監督は瀧本智行。
デビュー作「樹の海」は私にとって忘れがたい作品。
かつてぱらぱらでもとりあげたので、よかったら、読んでください。
満足度 ☆☆☆☆1/2(星5個で満点)
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