映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No616『男と女』~忘れられない映像は…~
2010-09-14 / 映画
TOHOシネマズなんばでは、週末観ようと思っても
ネット予約しない限り、まず観れないという、
人気の「午前十時からの映画祭」。
西宮で観てずっと気になりながら、書けなかった1本。
有名な「シャララ~ダバダバダ、ダバダバダ。
シャララ、ダバダバダ、ダバダバダ…」
というテーマ曲は、
田舎に住み、小さい頃まるで映画と縁のなかった私でも
知っていたクロード・ルルーシュ監督の1966年作品。
連れ合いを亡くした男女がふとしたことで出会う。
レーサーの男は、女の美しさに夢中になる。
レースを終えた男の元に
女から「愛しています」という電報が届く。
男は、レースの疲れも忘れ、
何時間も車を走らせ
女のいるアパートに駆けつける。
事故にあいそうで、どきどきしたが、
無事、浜辺で、彼女を見つけた時の男の喜びよう。
このとき、犬が波打ち際で嬉しそうに跳ね、
傍らを散歩するひょろ長い老人の姿が映る。
しかし、二人の心の歯車はそう簡単にはうまくかみ合わない。
女は亡夫のことを忘れられず、心はすれ違い、
二人は失意を抱えてホテルを出て、列車と車に別れる。
しかし…。
女と男が不器用ながらも、思い出を大切にしながら、
これからの人生を生きようとしている気持ちが
ストレートに伝わる。
ただ、これをテレビの画面で観たら、
全然魅力がわからないと思った。
スクリーンでさえ、
女と亡くした夫との、仲睦まじかった頃の回想シーンや
クライマックスでの、列車に乗っている女と車を走らせる男とのカットバックも
くどいほど繰り返され、気持ちがそがれた。
ごくシンプルな筋立てで、
少し切ないけれど、いまひとつ魅力がわかりにくいこの映画が
よく日本でヒットしたなあと不思議に思うくらい。
私がこの映画の世界に入り込めたのは
映画の冒頭で、
「火事になったとき、レンブラントの絵か猫か
どちらかしか救えないのなら、猫を救う。
呈術よりも人生を」
という彫刻家ジャコメッティの言葉が
犬を連れた男の映像とともに語られるが、
キネマ旬報5月下旬号で、新藤純子というライターが
映画の紹介記事で
このセリフを引用し、着目していたからだ。
犬と散歩する老人の映像が
結局のところ何を意味するのかは、私にはわからない。
でも、どこか美しく、謎めいていて、
シルエットのような映像は
主人公たちと同じくらい、いやそれ以上に、強い印象を残した。
映画の謎は、より映画の深みへといざなってくれると思った。
ネット予約しない限り、まず観れないという、
人気の「午前十時からの映画祭」。
西宮で観てずっと気になりながら、書けなかった1本。
有名な「シャララ~ダバダバダ、ダバダバダ。
シャララ、ダバダバダ、ダバダバダ…」
というテーマ曲は、
田舎に住み、小さい頃まるで映画と縁のなかった私でも
知っていたクロード・ルルーシュ監督の1966年作品。
連れ合いを亡くした男女がふとしたことで出会う。
レーサーの男は、女の美しさに夢中になる。
レースを終えた男の元に
女から「愛しています」という電報が届く。
男は、レースの疲れも忘れ、
何時間も車を走らせ
女のいるアパートに駆けつける。
事故にあいそうで、どきどきしたが、
無事、浜辺で、彼女を見つけた時の男の喜びよう。
このとき、犬が波打ち際で嬉しそうに跳ね、
傍らを散歩するひょろ長い老人の姿が映る。
しかし、二人の心の歯車はそう簡単にはうまくかみ合わない。
女は亡夫のことを忘れられず、心はすれ違い、
二人は失意を抱えてホテルを出て、列車と車に別れる。
しかし…。
女と男が不器用ながらも、思い出を大切にしながら、
これからの人生を生きようとしている気持ちが
ストレートに伝わる。
ただ、これをテレビの画面で観たら、
全然魅力がわからないと思った。
スクリーンでさえ、
女と亡くした夫との、仲睦まじかった頃の回想シーンや
クライマックスでの、列車に乗っている女と車を走らせる男とのカットバックも
くどいほど繰り返され、気持ちがそがれた。
ごくシンプルな筋立てで、
少し切ないけれど、いまひとつ魅力がわかりにくいこの映画が
よく日本でヒットしたなあと不思議に思うくらい。
私がこの映画の世界に入り込めたのは
映画の冒頭で、
「火事になったとき、レンブラントの絵か猫か
どちらかしか救えないのなら、猫を救う。
呈術よりも人生を」
という彫刻家ジャコメッティの言葉が
犬を連れた男の映像とともに語られるが、
キネマ旬報5月下旬号で、新藤純子というライターが
映画の紹介記事で
このセリフを引用し、着目していたからだ。
犬と散歩する老人の映像が
結局のところ何を意味するのかは、私にはわからない。
でも、どこか美しく、謎めいていて、
シルエットのような映像は
主人公たちと同じくらい、いやそれ以上に、強い印象を残した。
映画の謎は、より映画の深みへといざなってくれると思った。
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