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マスク世界一の日本がコロナ感染者世界一とは

2022-09-11 20:13:11 | マスメディア
 1ヵ月ほど前から日本の新規コロナ感染者数は世界一である。その日を先頭にした7日間の平均感染者数(1日あたり)で、7月22日に世界トップの座に躍り出た。8月末をピークに下降傾向にあるが、それでも9月9日現在、以前として世界トップである。人口規模が3倍近い米国をも凌駕し、英、仏などの西欧の主要国は日本に遥かに及ばない。不思議なことに、新型コロナの初期の状況とは逆の傾向である。当時は日本の新規感染者数が少ない理由があれこれと言われたが、未だにはっきりしない。ファクターXは謎のままである。

 しかし、第7波の状況、つまり日本が世界一を続けている状況をどう理解したらよいのだろうか。他の主要国と同様、行動規制は行われず、ワクチン接種率もトップレベルである。それどころか他の主要国ではマスクの規制も緩めており、屋外でマスクはほとんど見かけない国が多い。それに対して日本では屋内はむろんのこと屋外でもほとんどの人がマスクを着用している。つまり世界一マスクを着用している日本が世界一の新規感染者数を生み出しているのである。ここから推論できることは、マスクは少なくとも感染抑止の役に立っていない可能性が大きいということである。

 これは100%正しい推論というわけではない。マスクは有効であるが、その効果を帳消しにするほどの強力な感染促進の要因が日本だけにあるという可能性を考慮する必要がある。しかしその可能性は大変低いと思う。はっきりさせるためには例えば鳥取と島根のような条件がよく似た二つの府県を選び、一方をマスクなし、他方をマスクありとして経過を見るとよい。1ヵ月もやれば結果は出るだろう。

 新型コロナの流行はそろそろ3年にもなる。マスクは鬱陶しい、とくに夏場は暑くて大変である。少なくとも私には大変な負担である。人が声を出すときに生じる飛沫の拡散、マスクの有無による拡散状態の変化はコンピューターのシミュレーションで目にするが、実際にマスクの有無が感染に与える影響を調べた結果を私は知らない。欧米の主要国がマスクをそれほど重視していない裏にはマスクの効果を日本ほど信用していないのではないかとも思う。

 とにかく、感染者数世界一という事実はマスクの有効性に大きな疑問を突き付けるものであり、その疑問を明らかにするのは政府や研究者の役割であろう。また問題提起すらしないメディアの見識をも疑う。メディアなんてこんなもんだと言われればその通りだと納得せざるを得ないが。

 さて鳩山由紀夫元首相が医師から聞いた話として「ワクチンを打った人の方が打たない人より3倍入院する確率が高い」と世界保健機関(WHO)が認めたとツイッターに投稿したそうだ。信用がないことに定評のある人物の発言だけにすぐにデマだと否定されたが、その背景には、ワクチンが感染予防や重症化予防にどの程度の効果があるか、我々はほとんど知らされていない事実がある。ワクチンの感染予防効果や重症化予防効果には重大な関心がある筈だ。変化していくものであるから厳密な数値は無理だとしても目安ぐらいは可能だろう。3年も経ち、全数把握でデータはある筈なので部分的であっても発表してほしい。それがあれば迷惑な鳩山氏の出番はない筈である。重要なことが抜けていても誰も問題にしない、不思議な国である。


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