噛みつき評論 ブログ版

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言うことを聞かない5%の人々

2020-03-29 22:10:14 | マスメディア
 欧米には不可能なことを表す場合に「猫に集団行動をさせる」という言い方があるらしい。猫はまず言うことを聞かないので集団行動は確かに不可能である。犬とは全く逆である。それは犬が群れを作って集団行動をするのに対し、猫は単独行動をすることに起因する。単独行動ならば誰かに「従う」という行為は確かに必要ない。

 この週末(3月28、29)、あるアンケート調査では外出自粛要請に対しほとんどの人が協力すると答えていたが、5%は「気にしない」と回答していた。選挙などでは5%が棄権してもたいした問題ではない。しかし今回の新型コロナウィルスの感染ではこの5%が重大な意味を持つ。

 先日、吉村大阪府知事と小池東京都知事が会見し、感染急拡大の危険やそれを防ぐための外出の自粛などを強く訴えた。これは適切なことである。小池知事は豊洲市場問題では安全だけではなく安心もないといけない、と奇妙なことを言って巨額の税金を使ったが、今回はまともであった。専門家意見に従っただけなのだろうが、それを理解さえできない人もいるのだから、上出来である。

 両知事や安倍首相の会見は危機感を伝えるものとして大きい意味があるが、同時に行政とメディアとの危機感の違いを示すものであった。この日を境にしてメディアの危機感は急激に強くなったと感じる。メディアは行政の状況判断に従った形だが、それまでのメディアは危機感が少なかった。それが視聴者にも伝わり油断を招いて、この感染者増加となったとも考えられる。メディアの判断能力はいつものことながら信頼できるものではない。

 感染が爆発的に拡大する(オーバーシュート)か、安定・収束に向かうかは様々な要素で決まる。安定化には外出の制限や人の距離、マスクなどの防護措置、医療・防疫体制の強化などが挙げられるが、感染拡大の主要因は人と人との無防備な接触である。感染者数が落ち着いているということは双方の力が均衡していることを示している。その中で特に注意しなければならないのは均衡を破る存在、つまり言うことを聞かない、無自覚の感染者であろう。こんな人たちが数百人動き回れば感染は急拡大する可能性がある。

 日本が西欧諸国に比べ状況が落ち着いている理由は清潔な習慣などいくつかあるだろうが、国民が政府の指示に従順であることが挙げられよう。西欧諸国の国民性でよく言われることだが、彼らは自分で判断する傾向が強いという。裏を返せばあまり言うことを聞かないということである。日本人は犬に近いが、西欧人は猫に近いというわけである。日本人のこの特色は利点でもあるが、反面、付和雷同や全体主義への親和性にもつながる。

 一方、自粛要請など気にしないという5%の中身は一様ではないだろう。極端に鈍感な者もあれば、自分ひとりくらい感染してもどうってことはないと思う者もいるだろう。前者の極端に鈍感な者はどうしようもないが、後者は自分の感染が近親者などを危険に晒したり、さらにはオーバーシュートに加担して国の危機を招くことになるという自覚を求めることで改善が期待できる。今のメディア報道はこの点に関して十分ではないように思う。オーバーシュートすれば5%を含め全員が不利益を被るのだから。メディアの報道次第ではオーバーシュートを避けられる可能性はあると思う。

 ダイヤモンド・プリンセスの船内では延べ数千人の自衛隊員が作業をしたが、一人も感染者を出さなかった。一般の人は自衛隊ほどの防護はできないが、ウィルスの密度も船内ほどではない。「人を見ればウィルスと思え」くらいの心構えで可能な防護をすればよい。

 余談になるが、スペインはマスクや人工呼吸器など計約520億円の医療用具を中国から購入する契約を結んだという。ウィルスは中国発だからマッチポンプと呼ぶにふさわしい。中国はウィルスで商売をしているわけで、まさに「禍を転じて福と為す」である。中国は凄い国である。

言うことを聞かない5%の人々

2020-03-29 22:08:36 | マスメディア
 欧米には不可能なことを表す場合に「猫に集団行動をさせる」という言い方があるらしい。猫はまず言うことを聞かないので確かに集団行動は不可能である。犬とは全く逆である。それは犬が群れを作って集団行動をするのに対し、猫は単独行動をすることに起因する。単独行動ならば誰かに「従う」という行為は確かに必要ない。

 この週末(3月28、29)、あるアンケート調査では外出自粛要請に対しほとんどの人が協力すると答えていたが、5%は「気にしない」と回答していた。選挙などでは5%が棄権してもたいした問題ではない。しかし今回の新型コロナウィルスの感染ではこの5%が重大な意味を持つ。

 先日、吉村大阪府知事と小池東京都知事が会見し、感染急拡大の危険やそれを防ぐための外出の自粛などを強く訴えた。これは適切なことである。小池知事は豊洲市場問題では安全だけではなく安心もないといけない、と奇妙なことを言って巨額の税金を使ったが、今回はまともであった。専門家意見に従っただけなのだろうが、それを理解さえできない人もいるのだから、上出来である。

 両知事や安倍首相の会見は危機感を伝えるものとして大きい意味があるが、同時に行政とメディアとの危機感の違いを示すものであった。この日を境にしてメディアの危機感は急激に強くなったと感じる。メディアは行政の状況判断に従った形だが、それまでのメディアは危機感が少なかった。それが視聴者にも伝わり油断を招いて、この感染者増加となったとも考えられる。メディアの判断能力はいつものことながら信頼できるものではない。

 感染が爆発的に拡大する(オーバーシュート)か、安定・収束に向かうかは様々な要素で決まる。安定化には外出の制限や人の距離、マスクなどの防護措置、医療・防疫体制の強化などが挙げられるが、感染拡大の主要因は人と人との無防備な接触である。感染者数が落ち着いているということは双方の力が均衡していることを示している。その中で特に注意しなければならないのは均衡を破る存在、つまり言うことを聞かない、無自覚の感染者であろう。こんな人たちが数百人動き回れば感染は急拡大する可能性がある。

 日本が西欧諸国に比べ状況が落ち着いている理由は清潔な習慣などいくつかあるだろうが、国民が政府の指示に従順であることが挙げられよう。西欧諸国の国民性でよく言われることだが、彼らは自分で判断する傾向が強いという。裏を返せばあまり言うことを聞かないということである。日本人は犬に近いが、西欧人は猫に近いというわけである。日本人のこの特色は利点でもあるが、反面、付和雷同や全体主義への親和性にもつながる。

 一方、自粛要請など気にしないという5%の中身は一様ではないだろう。極端に鈍感な者もあれば、自分ひとりくらい感染してもどうってことはないと思う者もいるだろう。前者の極端に鈍感な者はどうしようもないが、後者は自分の感染が近親者などを危険に晒したり、さらにはオーバーシュートに加担して国の危機を招くことになるという自覚を求めることで改善が期待できる。今のメディア報道はこの点に関して十分ではないように思う。オーバーシュートすれば5%を含め全員が不利益を被るのだから。メディアの報道次第ではオーバーシュートを避けられる可能性はあると思う。

 ダイヤモンド・プリンセスの船内では延べ数千人の自衛隊員が作業をしたが、一人も感染者を出さなかった。一般の人は自衛隊ほどの防護はできないが、ウィルスの密度も船内ほどではない。「人を見ればウィルスと思え」くらいの心構えで可能な防護をすればよい。

 余談になるが、スペインはマスクや人工呼吸器など計約520億円の医療用具を中国から購入する契約を結んだという。ウィルスは中国発だからマッチポンプと呼ぶにふさわしい。中国はウィルスで商売をしているわけで、まさに「禍を転じて福と為す」である。中国は凄い国である。

ワンチームはコロナに弱い

2020-03-22 21:25:25 | マスメディア
 新型コロナウイルスは全世界の脅威となった。健康被害も経済的損失も莫大である。この背景にはグローバル化がある。世界が一体化、つまり「ワンチーム」となっていることだ。グローバル化は経済的には大きい利益をもたらした反面、それは感染に対する大きな脆弱性を与えることとなった。これがもしMARSコロナウイルスのように致死率40~50%で今回のような感染力を持つものであったら世界は滅亡に瀕することになりかねない。そしてその可能性は否定できない。経済効率を優先して進められてきたグローバル化の負の側面にも注意を向ける必要がありそうだ。また今回の感染は生物兵器を持とうという国には有用なデータを提供し、開発意欲を与えることになるだろう。

 感染拡大は北米とヨーロッパで著しい。医療の進んだ先進国で急拡大が起きているのに対し、日本では比較的抑制的である。一体、この差はなぜだろうか。恐らくひとつだけの原因ではないだろう。このウィルスに対する人種的な感受性の差、ウィルスは変異を起こすのでウィルス自体の性質の差、政府の対策の違い、国民の生活習慣の差などいろいろ考えられるが、ひとつにはマスメディアの姿勢の差もあるのではないか。

 3月18日の朝、6時台のNHKラジオ第一放送のニュースでNYダウ平均株価が一時2万ドルを割り込んだと伝えた。これはNYダウ平均株価が大きく下落したという意味に理解するのが自然である。ところが後のニュースによって終値は逆に1千ドルあまり上昇したということがわかった。現在、ニューヨーク株式取引所は日本時間の5時に終るので6時台のニュースには間に合う筈である。そして一時的な下落より終値がずっと重要なのはむろんである。このNHKニュースは誤解を招くもので、全くタチが悪い。無知、見識の低さもあるが読者を不安にするという動機が見える。NHKを例にしたが、このように不安を優先する傾向は他のメディアにも共通する。

 一般的に、安心を与えるニュースより不安を与えるニュースがメディアには歓迎される。不安をあたえるものは視聴者を惹きつけることができるからである。日本のメディアの特徴として不安を煽る報道が得意だということがあげられる。さらに横並び報道、集中報道も得意である。これらの特質が今回は奇しくもよい方に働いたのではないか。つまり感染拡大の比較的初期から不安を煽る報道が多く流されたと思う。

 メディアによって惹起された不安が、マスクや手洗いなど清潔指向の文化をさらに徹底したものしたのではないだろうか。今年、季節性インフルエンザが減少したのはその予防にもなったからだと言われている。反面フランスなどでは危機感が乏しかったようだが、それはメディアの煽りが足りなかったのかもしれない。

 食品添加物、残留農薬、ダイオキシン、環境ホルモン…とメディアは健康問題に不安を投げかけるテーマを次々と取り上げて巨大な報道をしてきた。が、結局、不安を煽っただけで、実際の被害はなく、全て空振り、全く無益なものであった。それが今回、意図せざるものとは言え、結果的に役立ったとすればまことに珍しいケースである。僅かでも視聴率を上げて儲けようとする姑息な利己心がウィルスの感染拡大を抑制したのである。まさに怪我の功名とも言えるが。

 しかし日本のメディアは熱しやすく冷めやすい特性を持つ。事態の動きが止まると報道も止まるのが普通だ。つまり感染拡大が止まれば油断を生む可能性がある。平衡状態であっても危機は終わっていないのである。今回こそはモリカケのようなしつこい報道が望ましい。

中国からの贈り物

2020-03-15 23:01:33 | マスメディア


 この世では予想もしないことが起きる、ということを新型コロナウイルスは改めて我々に示した。感染拡大によって死者も出るし、経済も甚大な打撃を受ける。観光業やイベント業などは死活問題であろうし、仕事を失い人生を狂わされる人々もあるだろう。株式も暴落した。ここが底だと思ったら、翌日は「2番底」、さらにその次は「底割れ」という状態、市場は恐怖心理に支配される。株で資産を失う人も少なくないだろうが、こちらにはそれほど同情できない。所得を得るのには二つの方法しかない。社会に価値を提供してその代価を受け取る方法と、他人のポケットに手を入れて金を得る方法である。株や投機は後者に属する。なぜなら株の儲けは誰かの損失だから。

 このコロナウイルスによって明らかになったものがある。小池東京都知事は二階幹事長の要請を受け、2月末から3月にかけて防護服を12万枚を中国に送った。また兵庫県の井戸知事は2月初めに備蓄120万枚のうち100万枚のマスク送った。しかし現在、国内の病院では防護服とマスクの不足に苦しんでいるという。送ったのは武漢で感染が広がっている時期で、やがて日本にも感染が広がることは十分予想できた。少なくとも可能性があることは予想できた筈である。最悪の予想に対して備えるのが安全保障であり、政治家の仕事である。それも私費で購入したものならともかく、元は税金である。先が見通せない者は政治家としての基本的な資質に欠ける。

 彼らが中国にいい顔をするために都民・県民の健康を後回しにした結果、いま国内の医療現場ではマスクや防護服の一層の不足に悩んでいる。腑に落ちないのは、メディアが彼らを叩かないことだ。中国への忖度があるのだろうかと疑いたくなる。中国の影響力は国連に及んでいることは前に記事で触れたが、日本のメディアにも及んでいる可能性がある(朝日などは昔から言われているが)。

 IOCのバッハ会長はオリンピックの実施について、WHOの助言に従うと述べた。WHOは中国の影響下にあるのでオリンピックの実施は中国の意向次第かもしれない。WHOのテドロス事務局長は2月3日、米国が中国全土への渡航中止勧告を出したことなどについて「(中国への)渡航や貿易を不必要に妨げる措置は必要ない」と述べ、各国の感染防止の努力に反対し、感染拡大に手を貸した。そしてこの誤った発表に対し、反省や謝罪はない。

 謝罪がないのはWHOの親分、中国も同じである。感染を初期段階で隠蔽し世界中に広めたことに謝罪するどころか、ウィルスは米軍が広めたとまで言っている。また中国の環球時報は、欧米諸国は新型コロナウイルス感染症への対応が甘く、感染拡大を許したとして「反省すべきだ」と訴える社説を掲載したそうである。さらに国営新華社通信は3月初め「正々堂々と言う、世界は中国に感謝すべきだ」とのタイトルの論評記事を掲載。「中国の巨大な犠牲や努力なくして、世界各国は感染と戦う貴重な時間を得ることはできなかった」と強調したそうだ。もうあきれてものが言えない。せめて感染拡大防止に成功したのなら、その方法やデータを公開すべきである。まあ韓国も凄い国だが中国もまた凄い。

韓国は子供の国?

2020-03-08 22:33:10 | マスメディア
 新型コロナウイルスの感染拡大によって思わぬものが見えてくる。ひとつはWHOがすっかり中国の言いなりになって、信頼性を失ったことである。国連も中国の影響が強いようで信頼性には注意しなければならない状況になりつつある。また、野党だけでなく、自民党政権にも二階氏など親中派が影響力を持ち、中国への忖度が疑われるようになったことである。

 そしてお隣の韓国。感染者数ではここへきて大躍進を果たし、元祖中国に次ぐ世界第2位につけた。そこで日本は韓国に対して入国制限を実施したのだが、これに対して、韓国の丁世均首相は「対抗措置」を取る、と言明。すぐに日本に対してビザ免除措置(90日以内)と発効済み査証の効力停止を3月9日から行うと発表した。

 なぜ国を代表する首相自らが「対抗措置」などと言うのか、理解に苦しむ。何故けんか腰にならなければならないのか。感染者数が増えたから入国制限をしただけのことである。韓国が潜在的に日本に対して敵意を持っていることの現れと見ることもできる。だが実態が「対抗措置」であったとしても、表向きは「対抗措置」などとは言わないのが大人の対応である。まして国と国との関係である。普通はいきなり喧嘩を売るような非礼なことはしない。

 新型コロナウイルスの感染者が韓国の国内で増え始めたため、文在寅政権は中国から韓国への入国者の規制を検討した。しかし「規制するな」という中国政府の強い意向が文政権に伝えられたという。この時、WHOの「人の交流を止めることは推奨しない」という見解が根拠として使われたという。韓国と中国との力関係がわかるが、その結果として、感染拡大を招いたともいえる。自国民の健康より中国の意向を優先したわけである。

 韓国ではすでに十数万人が検査を受けているらしく、日本の一部のメディアはその検査体制を称賛、日本の検査体制がなかなか進まないことを批判していた。しかしその韓国で感染者数が急拡大したからか、もう褒め言葉は聞かなくなった。

 一方、韓国が大量の感染者を探し出して、症状の軽重を問わずに治療していることが医療システムを崩壊させるとの批判が韓国内でも出ている。また韓国では大量の消毒液を道路に撒いている映像が流されるが、道路を消毒する必要があるのだろうか。軽々な判断はできないが、懸命な対策が効果を上げているようには見えない。感染拡大で先行する韓国を反面教師として日本は学ぶことができる。韓国に感謝、である。それにしても、これほど付合いの難しい国もめずらしい。

 余談になるが、朴元淳ソウル市長は新天地イエス教の李萬熙総会長と12支派支派長を殺人罪などで告発した。凄い国である。そんなことが可能なら習近平主席や中国も殺人罪で告発してはどうか。新天地イエス教はキリスト教系の新興宗教だが、かなり異端視されているようだ。そして新天地イエス教からは「既存の一般教会の礼拝に潜入して新型コロナを拡散させ、伝染が新天地だけの問題ではないことを知らせよう」という話がSNSから漏れたそうである。その後、キリスト教系の各教会が礼拝を中断し始めたというが、これが韓国の流儀なのだろうか。こちらも凄い国である。

立憲民主党が正しい判断をした?

2020-03-01 21:50:19 | マスメディア
 2月14日、立憲民主党は新型コロナウイルスに対する対策本部の会合で「まだ政府を批判するタイミングではない。タイミングを間違えるとこちらに批判が来ることも考えられる」と幹部が述べたそうだ。実に賢明な判断だと思う。

 要するに今はわからないことが多いため、あとで批判が誤りであることがわかる可能性があるので、政府の失敗が明らかになってから批判を始めるということらしい。むろん立憲民主党としての何らかの提案をするわけでもない。「相変わらずの卑怯もの集団」「なんにも協力しないで、後で非難するわけね」という声が上がっている。その通りだが、これは立民の伝統でもある。

 新型コロナウイルスに対する最初の対策は水際作戦である。この時期に日本は中国の湖北省、続いて浙江省からの入国を制限したが、それ以外の地域からの入国を放置した。米国の措置に比べで甘かったため、それは中国に対する忖度のためだと保守層からも批判を浴びた。しかし米国では厳しい入国制限を実施したにもかかわらず、感染が広がる兆候が出始めている。

 厳しい措置をとれば一定の効果はあるだろう。しかしそれには様々な犠牲を伴う。厳しい措置の結果、水際で食い止められたらよいが、今回の新型コロナウイルスは発症前に他人を感染させることなどのため、それは難しく、世界中に感染が広まる勢いである。水際で阻止できるか、できないかはウィルスの性質、感染力によるところが大きい。とにかくわからないことが多いので、どのような対策も失敗の恐れがある。

 また、このような問題では対策の効果の評価が難しい。科学実験のように同じ状況を再現して別の対策を試すと言ったことができない。何がどう影響したかは、たいていは推測でしかない。政府は小、中、高校の休校を要請したが感染の広がりにどの程度役立つかはわからない。あとで休校しなかった場合との比較実験ができないからだ。そして効果ははっきりしないが、逆に子育て女性の仕事が困難になるなど、その副作用は明確に予測できる。ここが悩ましいところである。

 余談であるが2月25日、米疾病対策センター(CDC)は感染拡大に備えるよう警戒を促した。これを受けてニューヨークの株式市場は暴落した。WHOの声明には反応がなかったと思う。市場の反応はCDCが信頼されている証であろう。

 皮肉なことだが、今回の立憲民主党の「まだ政府を批判しない」という態度は全然立派ではないがある意味で正しいと言える。少なくとも、根拠も不明なままいい加減な批判をするよりマシである。相手の正体がわからないのにああだ、こうだ言っても意味がない。立憲民主党には黙っていただくのが公益上望ましい。ひたすら週刊誌を読み込んで、政府批判の材料をお探しになるのが本来の姿である。そして失敗が明らかになってからの「後講釈」が最良の方法なのである。ただ週刊誌記事の増幅装置以上の意味はないが。