パピとママ映画のblog

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脳内ポイズンベリー ★★★.5

2015年05月12日 | アクション映画ーナ行
テレビドラマ「失恋ショコラティエ」などで知られる水城せとなの人気コミックを実写映画化。7歳下の男性と年上の男性とのややこしい関係に苦悩するアラサー女性の脳内世界で、さまざまな役割を持つ脳内会議メンバーが討論を繰り広げるという異色の設定で描く。ヒロインは真木よう子、彼女の脳内世界で会議を取りまとめる議長役にテレビドラマ「MOZU」で真木と共演した西島秀俊。そのほか古川雄輝、神木隆之介、浅野和之ら、多彩なキャストが集結。
あらすじ:素人携帯小説家の櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で同席して以降興味を惹(ひ)かれる年下の早乙女(古川雄輝)と偶然駅のホームで再会。
声を掛けるか否か、彼女の脳内ではいろいろな役割を持つメンバーが会議を繰り広げ、議長の吉田(西島秀俊)が取りまとめた結果、早乙女を食事に誘うという結論に。その後交際に至るも、双方の誤解や彼の元恋人の登場などで疲れ果てたいちこは、編集者の越智(成河)からもアプローチされ……。

<感想>恋に右往左往する女性が、“脳内会議”で幸せを掴む?・・・というユニークな設定のロマンチック・コメディ。恋をしたアラサーのいちこの脳内での大混乱を、ポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶、理性という5つの思考を擬人化した脳内の世界の議論で表現しているのを描いているのだ。
物語なのだが、本人は年下の男性でも好みなので、胸をときめかせて声をかけたいと思っているのですが、それが、脳内会議での話し合いとは関係なく、勇気を出して7歳も年下の男に話かける主人公のいちこ。その後、食事をして彼の部屋で一夜を過ごし、付き合うことになる。
いちこを演じている真木よう子は、どちらかというと演技派で脱いだり汚れ役もこなして体当たりの演技をする女優さん。こんなに可愛らしいチャーミングな女性を演じた真木さんを見るのもいいですね。階段をルンルンで下りてくる時に、大きな胸が揺れて細い体なのに、目がそこのところだけに集中してしまいました。

脳内会議では、「やめた方がいい」などと騒いでいたが結局は、現実のいちこ本人に任せることになる。さて、二人の交際は、いちこの実年齢30歳を伝えた時に、「それないわ」と呆れ顔にしょんぼりのいちこ。だから、脳内会議では、それみたことかと大騒ぎになるも、でもそんなことにもめげずにお付き合いをしていく現実のいちこ。

駅で、元彼女と偶然出会う早乙女に、いちこは「これで彼とも終りだ」と思い込むも、早乙女がいちこの方を選んでくれたので、別れることはなかった。このシーンでの、元カノの暴れようには、若い女にしてやられたという、オバサンは引っ込んでろとでも罵倒されたようで惨めになってしまう。

だから、脳内会議でも、「やっぱり、それみたことか」と、プライドが高くて恥をかくことを嫌う池田を演じている、吉田羊さんのネガティブ女子の意見につい賛成してしまいました。

議長役の西島秀俊さんは、どちらかというと長いものには巻かれろタイプで、池田に風見鶏と揶揄され、ハッキリと自分を前に出さないメガネ男の議長。

そして、年下の早乙女の他にも、出版社の年上の実直な越智さんという男性からも、プロポーズ的な発言をされてしまう。脳内会議では、職業も決まっていないアーティストの早乙女よりも、誠実で仕事もできる越智さんの方を選ぶように進めるのだが、当人のいちこはまだ早乙女に未練があり、ハッキリとしないのだ。だから脳内会議の部屋は大雨が降り続けて、考えも纏まらないのだ。

ですが、脳内会議の部屋に、黒のタイツ姿の魔女のようないちこが現れては、現実のいちこが驚くような動作をするのが面白い。この魔女のような女性、現れてきた時には、「3年B組金八先生」に出てた三原じゅん子に、そっくりだと思ってしまった。

心の中の葛藤の表現って、天使と悪魔がせめぎ合うといったイメージだと思うんですよね。きっと、自分の心の奥に秘めた野心的ないちこが現れたのでしょう。好きになった相手との関係が、常に更新されていくことを望んでいるところのいちこは、普通の女の子って感じです。
それに、物語の展開には、アップデートが必要なわけで、桜田ひよりちゃん扮するハトコの天使が、多分キーなのだと。いちこの司る衝動という感情は、ポジティブやネガティブといった理性ではなく、生理的な感性だったりするので、ハトコの天使がどう反応するかにかかってくるわけで、そこが女性の怖い部分だったりすると思う。

最後は、やっぱり脳内会議の結果ではなくて、自分で現実をみて決めたことを実行するいちこに拍手です。
これも人間だから、引っ込み思案のあなたにも、きっとこんな自分があるはず、まさか黒の派手なタイツ姿ではないと思うけど、お姫様ドレスを着たお嬢様の自分と、ヤンキーな感じで、茶髪のヒョウ柄の服を着た自分がいるはずですよね。それに、リクルートスーツ姿の真面目な自分もね。
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