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ジュディ 虹の彼方に★★★★

2020年03月08日 | アクション映画ーナ行

「オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行ったロンドン公演の日々を鮮烈に描いた伝記ドラマ。「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、ジュディの奔放で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹きつける姿を見事に演じきり、第92回アカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した。

あらすじ:1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる日々を送っていた。住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、起死回生をかけてロンドン公演へと旅立つ。共演に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のフィン・ウィットロック、テレビドラマ「チェルノブイリ」のジェシー・バックリー、「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールド監督がメガホンをとった。

<感想>ハリウッドの黄金期に「オズの魔法使い」でドロシーを演じ、一躍スターの座へ駆けあがった女優、ジュディ・ガーランド。スクリーンの歌姫として華々しく活躍していた彼女の姿ではなく、苦悩と向き合った晩年にスポットライトを当てた作品であります。

30年後、映画出演のオファーもなくなったジュディは、まだ幼い二人の子供を連れて、巡業のステージの上に立っていた。薬物やアルコールの依存、5回の結婚に奔放な性生活、ドタキャン連発で仕事を干されなど、ハリウッド黄金期最強のお騒がせな女優であり、同時代のゲイも彼女に熱狂していたそうだ。

劇中でも「当然よ」と、いう顔で、ジュディの大ファンのゲイカップルが出てくるのだ。ジュディがホテル代も無くなり、子供たちをもと亭主のもとへ預けることに。その夜は行き場がなくなった時に助けてくれたゲイカップル。その家に行き、そこで「Get Happy」を歌うシーンは、ゲイの苦難の歴史とジュディの孤独が交差する切ないシーンなのだが、あの二人だってジュディの暴走には狂喜していたに違いない。結局見た目は観客に決定的な印象を与えてしまう。そしてジュディが語るならば、彼女の演じた大半の役が不美人の立ち位置だったと言わざるを得ない。

晩年の物語が挿入されるのは、10代のころにスタジオ側から薬によって睡眠も体重も管理されていた。過去の壮絶なエピソード。孤独な時間を積み重ねて不安定な精神を持て余すことになった、伝説のミュージカル女優ジュディを、しばらくスクリーンから遠ざかっていたレネー・ゼルウィガーが、ジュディをやるなんて絶対に見逃せないと思っていただけに、それがアカデミー主演女優賞まで獲得するとは、なんて嬉しい運に見放されていなかったと、喜んでいる私。美容整形とか、うつ病とか噂があったが、これで彼女もまた第一戦で活躍してくれるでしょう。

レネーはドレスの着こなしが抜群によく、才能豊かな女優だが、「コールドマウンテン」で、アカデミー助演女優賞を獲得して、その後は、「ブリジット・ジョーンズの日記」第3作目(16)で体重増やしたり、減らしたりと女優魂を見せつけた高級テクニックはポイント高い。そういったレネーの有様を「コメディセンス」と言い切った本作の制作陣は偉い。ちなみに本作は、コメディではありませんから。

とはいえ、今回レネーの才能にまた驚かされた。色恋に長けた中年女性の余裕が感じられるなんて初めてではないか。また、スタッフたちとケーキを食べるシーンや、医者に生活習慣をたしなめられシーン、不眠症の描写からは、ジュディの苦しみが伝わってきて、元亭主との子供の親権争にも、自分一人では家すら買えないので、つい男に頼ってしまう弱い女の性がみえてくる。

上の写真が元夫で子供を預けている。それでも、つい寂しくなると優しくしてくれる男、ミッキーと恋仲になりまたもや結婚をしてしまうのだ。若い年下の男との結婚は、ジュディを金儲けでしかみていない、そうずるい男に惹かれてしまうのだ。

それでも話題の歌唱シーンでは、まるで歌に憑依されるように演じたことで、歌えない痛みもひきたったかのように思う。正式なリハーサルの1年前から歌のトレーニングを始め、ステージの上でのパフォーマンスや、話し声もマスターして、キャリアが低迷していたレネーにとっても、久々に演技力を発揮できる役との出会いとなり、華を咲かせたと思う。

とにかく、ラストでは魂を込めた歌声に心を揺さぶられた。まるでジュディが憑依したかのような歌い方に感動してしまった。今後の作品に期待したい。

 

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