パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

サボタージュ ★★★★

2014年11月09日 | アクション映画ーサ行
アーノルド・シュワルツェネッガーが「エンド・オブ・ウォッチ」のデヴィッド・エアー監督との異色のタッグで贈るハード・アクション・ミステリー。シュワルツェネッガー扮するベテラン捜査官率いる麻薬取締局(DEA)のエリート捜査チームが、危険な麻薬組織へのガサ入れをきっかけに、一人また一人と消されていく中で互いに疑心暗鬼に陥っていくさまをリアルかつ迫力のアクションとともに描く。共演はサム・ワーシントン、オリヴィア・ウィリアムズ、テレンス・ハワード、ジョー・マンガニエロ、ミレイユ・イーノス。

あらすじ:DEAのジョン・ウォートンは、“破壊者”の異名で恐れられる伝説の捜査官。そんな彼が率いる特殊部隊は、副リーダー格のモンスターはじめ恐れ知らずのタフな部下8人で構成された最強チーム。彼らが次に狙うのは、要塞と化した麻薬カルテルのアジト。その計画には摘発という表の目的に加え、そこに眠る2億ドルの闇資金から1000万ドルの大金をネコババしてチーム内で山分けするという裏の目的もあった。

こうして襲撃作戦は決行され、仲間の一人を失う犠牲を出したものの概ね予定通りに完了する。ところが隠したはずの1000万ドルが忽然と消えてしまい、おまけに不正を疑われたジョンは閑職へと追いやられてしまう。半年後、ようやくジョンがチームに復帰するが、時を同じくして、メンバーを標的とした連続猟奇殺人事件が発生、一人また一人と不可解な死を遂げていく。アトランタ市警のキャロライン刑事と協力して事件の真相解明に乗り出すジョンだったが…。
<感想>「エクスペンダブルズ3」ではあまり活躍の場が観られなかったのだが、これぞシュワちゃんの本領発揮の一人舞台です。こんなシュワちゃん、今まで観たことがない、これぞ不死身のスーパーヒーローを演じることの多かったシュワちゃんだが、今回では人間くさい生身のキャラクターに挑んでいる。

今回のシュワちゃんは、米国のDEA(麻薬取締局)の最強特殊部隊を率いる冷静沈着なリーダージョン・ウォートンを演じている。髪の毛を黒く染めて、七三分けにして、スーツを着こなす姿も見られる。その彼が、純粋な正義の味方ではなく、麻薬組織の隠し金着服を企てる食わせ者なのだ。まさか、1000万ドルをネコババするとはね。

実は、暗い部屋でビデオの映像を見ているシーンが出て来るのだが、どうやら妻と息子を拉致されて拷問され殺害された映像が流れる。その時、妻が「助けて」とジョンの名前を叫びながら射殺される。かつて麻薬取締局部隊は、メキシコの麻薬組織ガルザのボスを逮捕することに成功したのだが、その報復としてジョンの妻子が組織に処刑されるという事件があった。そんな悲しい過去もあり、最後に明かされるのだが、その麻薬組織に復讐する覚悟でこの仕事を引き受けているのである。

命がけの捜査現場を共にしたジョンたち9人の特殊部隊だったが、1000万ドルの行方をめぐって仲間われしてしまう。銃撃戦や殺しのシーンは手持ちのデジカメで撮影されているためか、観ている側はまるで麻薬捜査の一員になったかのような気分になってしまう。

メンバーが次々と殺害される場面はもの凄く残酷で、キャンピングカーに乗っていた男が列車に撥ねられて全身がバラバラになり肉の破片が飛び散っているところや、一人は釘打ち銃で全身を撃ち抜かれている。このスプラッター度満点な描写の連続に度肝を抜かれますから。

姿なき殺人鬼の標的にされ、疑心暗鬼に陥った特殊部隊の彼らの運命を、サイコ・スリラーやミステリーの要素をはらむ映像世界で緊迫感たっぷりに見せている。
始めはメキシコの麻薬組織ガルザの報復かと怯えていたのだが、実は仲間の一人が1000万ドルを独り占めしようと企んでいることが分かる後半部分。
シュワちゃんを始め、残りのメンバーは言われないと分からないほどのモサ揃いだ。久しぶりにアクション映画で観るサム・ワーシントン。スキンヘッドで髭ずらにモンスターという名前で、顎の髭を三つ編みしているのが彼なのだ。まさか、奥さんのリジーに殺されて冷蔵庫の中に入っているとは。

そして、「プリズナー」のテレンス・ハワードがシュガーという役で、ネック役には、「LOST」のジョシュ・ホロウェイが、トライポッドのケビン・ヴァンス、そして紅一点のリジーにミレイユ・イーノス、ボスのシュワちゃんより身体のデカいグラインダーとか。「マジック・マイク」でも筋肉ムキムキしていたジョー・マンガニエロ。

そこへ、アトランタ市警のキャロラインがジョンの事件に絡んできて、次々と猟奇的に殺害されるジョンの仲間たちのことを調べ上げていく。そして、ジョンとも深い関係になり、事件のファイルを見せて貰う。どこかシガニー・ウィバー似のオリヴィア・ウィリアムズが演じている。

リアルなアクション演出は、「エンド・オブ・ウォッチ」のデヴィッド・エアー監督が、臨場感抜群の銃撃シーンやカーチェイスをスリル満点に演出。11月に公開されるブラピ主演の「フューリー」も監督している凄腕だ。
あの「エクスペンダブルズ」でも使用していたショットガンや、ノベスキーのカスタム銃とか。これらのアサルトライフル銃は、民家の壁も簡単に貫通させる威力があるのだ。
全編、息詰まるスリルに貫かれた展開の後には、その殺人鬼を追い掛けてシュワちゃんの、老体にムチを打っての活躍に、ついに殺人鬼の正体が判明する怒涛のクライマックス。その後のどんでん返しに向けての疾走が続くのには、最期まで目が話せませんから。
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