パピとママ映画のblog

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ホットギミック ガールミーツボーイ ★★

2019年07月05日 | アクション映画ーハ行

「5つ数えれば君の夢」「溺れるナイフ」の山戸結希監督が相原実貴の人気少女コミックスを、主演に乃木坂46の堀未央奈を迎えて実写映画化したガールズ青春ストーリー。自分に自信が持てず周囲に流されやすい女子高生のヒロインが、タイプの違う3人の男子との初恋に揺れ動きながら成長していくさまを瑞々しいタッチで描く。共演は清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗。

あらすじ:女子高生の成田初は、両親と兄・凌、妹・茜と都内のマンションで暮らしていた。ある日、妊娠したかもしれないという茜のために購入した妊娠検査薬を、同じマンションに住む幼なじみの亮輝に見つかり、秘密にしてやる代わりに奴隷になれと脅迫されてしまう。以来、亮輝の無茶な命令に振り回されていく初。そんな中、小学校の時に突然転校してしまった幼なじみの梓が、人気モデルとなってマンションに戻ってきた。亮輝から自分を守ってくれる梓に心惹かれ、付き合い始める初だったが…。梓にはある目的があり、さらに兄・凌の秘密をも知ってしまう。

<感想>原作は、累計発行部数450万部を突破した相原実貴氏の同名コミック。“片思いが成就すること”に主眼を置き、それまでの少女漫画というカテゴリーを大きく飛び越え、男女の繊細な駆け引きを活写している。

漫画は未読ですが、主人公・成田初(なりた・はつみ)に乃木坂46の堀未央奈が扮していて、同じ社宅に住む幼馴染みの橘亮輝(たちばな・りょうき)には、清水尋也君が演じており、おさな馴染みの小田切梓(おだぎり・あずさ)には板垣瑞生くんが、兄の凌(しのぐ)にはベテランの間宮祥太朗が演じていて、彼は影のある兄貴として頼りになる存在でもある。

高校生の初が、本物の恋を求めて三種三様の王道の恋愛を展開し、若い読者には少し背伸びをした内容も話題を呼んだ模様。2000年から「Betsucomi」(小学館刊)で始まった連載は、05年に終了したものの、女の子が本質的にドキドキするような恋愛が細部にまで描かれていたことから、現在でも“恋愛漫画の金字塔的な作品”という呼び声が高いということです。

つまり男女4人は、それぞれが物憂げに違う方向を見つめており、「3つの初恋。1つの答え。」というコピーと相まって、すれ違う初と3人の男性の関係性を象徴していると思います。主人公初の身体は純潔なのだろうが、その心は乱れたヒロイン不安定さの源はそこにあると思う。奥手な長女の初よりも、男関係のある妹の茜に頼まれて買った妊娠検査薬が、同じマンションに住んでいる同級生の橘亮輝に見つかってしまうところが、何だかはっきりしなくて、イライラしてしまいました。

橘亮輝(清水)に共感できないのは、初のことをモノ扱いしてしまうところ。それって、思春期によくある“好きと嫌いが表裏一体”っていうことだし、ケンカしているわけでもないのに険悪になったりとか。こじらせ過ぎているところはあるんですけどね。でも、きっと好きなのに素直に言えないのだ。

注目する点では、「溺れるナイフ」の山戸結希監督らしく、朝、昼、夕それぞれの時刻の東京の街と、初ら登場人物4人を組み合わせ、時の流れと人の心情が等しく移りゆくものであることを表現しているのが良かった。

サブタイトルは「ボーイ・ミーツ・ガール」を反転させたもので、王道の恋愛映画ではなく新しい恋愛青春映画を届けたい、という山戸監督の思いが反映していた。「自分自身の主体性を奪われる恋ではなくて、自分自身の主体性を知るための恋が、もしもこの世にあるのなら、そのようなものをこそ、今新しく生まれる青春映画に映し出してみたいという念願があったそうです。

他にないものをみせようという作り手の熱と、野心に圧倒されましたね。実際、それを実現していることにも、執拗なインサートカットや音楽の貼り付けが的確な効果かどうかは、明瞭ではないが、映像表現が新鮮でいい。

自然がいっぱいの風土と、若い主人公たちの無自覚な欲望と苛立ちを、痛みと共に映し出していて、無機質なコンクリートの世界観や、その上で閉鎖的で限りなくミニマムな空間での初恋の絡み合いなど、観ているだけで息苦しい。

何度も出て来る高層マンションの外階段でのおしゃべりは、宙ぶらりんの主人公たちの、宙ブラリンの関係の場所としては意味があるのだろうが、現代っ子の結論を出さないと前に進めないという感じを見せられてもつまらない。

それは無機質な印象を与える建築物を映し出し、彼女または彼たちの住まいとすることで、心象風景を生み出しているのが巧い。彼らは、自身の内面が空っぽであることに、ある種のコンプレックスを抱いているようだが、視覚的にもそのように見えるのは、ロケーションを観ていても良く分かる。

主人公の初を演じた堀未央奈は、「劇中でもいろんな人の心の叫びが映し出されています。自分の叫びを言えなくて、毎日苦しんでいる方に『もっと思いをぶつけていい』と伝えられる映画になればいいですね。私はそういう女の子の背中を押したくて一生懸命に初ちゃんを演じたので」と心情を吐露してくれました。高校生って純真なのね、片思いとか失恋とか、思い通りにならない恋もあるけれど、若いんだからそれを糧にして前向きに進んで行って欲しいです。

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