パピとママ映画のblog

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ラッシュ/プライドと友情 ★★★★★

2014年02月03日 | アクション映画ーラ行
F1レーサー、ニキ・ラウダとジェームス・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化。事故で大けがを負いながらもシーズン中に復帰したラウダと、性格もドライビングスタイルも正反対なハントの死闘とライバル関係を、臨場感あふれるレースシーンと共に描く。監督は、『ビューティフル・マインド』などの名匠ロン・ハワード。陽気なハントをクリス・ヘムズワース、冷静沈着なラウダをダニエル・ブリュールが演じる。
あらすじ:性格もレーススタイルも相反するF1レーサー、ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)とジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)が激しい首位争いを繰り広げていた1976年。ランキング1位だったラウダはドイツ大会で大事故に遭遇し、深いけがを負う。復活は無理だと思われたがわずか6週間でレースに復帰し、日本の富士スピードウェイでのシリーズ最後のレースに臨む。

<感想>最先端のテクノロジーが凝縮されたマシンを、世界最高峰のドライバーが駆ける、究極のモーター・スポーツ、“F1”。死亡事故が多発していた70年代のF1界で、計算し尽くしたドライビングで勝利を重ねたオーストリア出身の、ニキ・ラウダ。
彼は走るコンピューターの異名をとる理論派というだけに、マシンの構造を熟知し、セットアップもサーキットごとにこだわり、メカニックにも妥協を許さず厳しい要求を突きつける。だから、沈着冷静な走りでレース展開は手堅い。ニキを演じたのは、最近では「みんなで一緒に暮らしたら」に出ていたダニエル・ブリュールが、事故後の本人そっくりの激似の特殊メイクを施しての熱演です。
一方、ワイルドな走り方とロック・スターのような生き方で、人気を集めた英国人ジャームス・ハント。生まれも育ちも性格も正反対、顔を見合わせれば互いにののしりあう宿敵同士である。このハントは、良家のお坊ちゃんでF1界ではプレイボーイとして有名。レース直前に何故か緊張するのか吐く癖があります。それに、酒、薬、女と超人的なスケコマシで、カリスマレーサーを自然体で演じたのが、「マイティ・ソー」の金髪ロン毛の、筋肉マッチョなクリス・ヘムズワースと、どちらもハマリ役です。

本作は、「アポロ13」など実話ドラマに定評のあるロン・ハワード監督が、彼らがマイナーリーグのFクラスから、F1レーサーへとのし上がるまでのプロセル、高性能の車体を手に入れるために有名なスポンサーと契約しようと奮闘する姿まで、克明に描くシナリオの構成も見事です。そんな好対照をなす2人の争いに焦点を当てたヒューマン・ドラマになっている。

世界が注目した両者の対決は、1976年8月のドイツGPで起きた「ニュルブルクリンクの悪夢」で、ニキ・ラウダを襲った壮絶なクラッシュによって、衝撃的な結末を迎えたかのように思えた。しかし、2人の戦いはそう簡単には終わらなかった。
生き急ぐ男たちの祭典、F1グランプリ史上に残る「世紀のバトル」を描いた史上最速バトルが勃発。スピードと勝利の快感に取り憑かれた男たちの真剣勝負を、エネルギッシュに撮っているのだ。

カーレースの醍醐味といえばクラッシュ・シーンだが、マシンに座ったまま首チョンパされた死体とか、脚のスネがまっぷたつに折れて骨が飛び出したまま運ばれるレーサーなど、生々しい残虐描写が堂々と描かれている。もちろん、ニキがクラッシュした場面も映されます。燃え盛る車体、脱出できないくらい体がぴったりと挟まった状態で、身動きが出来ない。ただ助けを待つばかり。

この映像はショックでした。担架で病院へ運ばれるも、あの世への世界を彷徨い、奇跡的に助かったニキ。頭から顔にかけての火傷の痕が生々しくて観ていられない。それに、車体から発生した毒ガスを吸い込んだため、肺の火傷だ。その治療方法は、口から金属管を通して肺の中の膿を吸引する痛々しさは、とても観ていられません。
それでも、事故から42日後に、イタリアGPでニキが驚異的な回復力と精神力でレースに復帰を果たすのである。顔にはまだ生々しい火傷の傷跡を残した姿で、マスコミの前に現れる。
彼の最後のレースは、日本GP、富士スピードウェイで、大雨の降る悪天候での走行。このレースを決行するか否かは、レーサーの挙手で決めるんですね。走りたいというレーサーたちの意気込みで、行われる生と死の境目でのレース。
要所のレースシーンでは、ドライバー目線の映像で、未知のスピードを臨場体験します。
疾走する映像と、耳をつんざくような排気音のもたらす高揚感は、劇場で体感しないと勿体ないですから。リアルな臨場感たっぷりで、興奮度マックスでした。

この映画を観て、以前鑑賞したF1ドライバーの、「アイルトン・セナ/音速の彼方へ」(10)を思い出しましたね。イケメン”セナ”の映像をまた観たくなりました。
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