パピとママ映画のblog

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リコリス・ピザ★★★・5

2023年02月22日 | アクション映画ーラ行

           

「マグノリア」でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したほか、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭の全てで監督賞を受賞しているポール・トーマス・アンダーソン監督が、自身の出世作「ブギーナイツ」と同じ1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に描いた青春物語。

主人公となるアラナとゲイリーの恋模様を描く。サンフェルナンド・バレー出身の3人姉妹バンド「HAIM(ハイム)」のアラナ・ハイムがアラナ役を務め、長編映画に初主演。また、アンダーソン監督がデビュー作の「ハードエイト」から「ブギーナイツ」「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」など多くの作品でタッグを組んだ故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが、ゲイリー役を務めて映画初出演で初主演を飾っている。主演の2人のほか、ショーン・ペン、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディらが出演。音楽は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」以降のポール・トーマス・アンダーソン作品すべてを手がけている、「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが担当。2022年・第94回アカデミー賞で作品、監督、脚本の3部門にノミネート。

あらすじ:1970年代、ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタイン(クーパー・ホフマン)は子役として活躍していた。一方、アラナ・ケイン(アラナ・ハイム)は、社会に出て働くも、将来が見えぬまま過ごしていた。

ゲイリーは、高校の写真撮影のためにやってきたアラナに一目惚れする。「君と出会うのは運命なんだよ」「僕はショーマン。天職だ」。未来になんの迷いもなく、自信満々のゲイリーに、アラナは「自分の将来? 夢? 分からない」と力なく答える。それでも、ふたりの距離は徐々に近づいていく。目がくらむほど眩しくても、君から目をそらすことができなかった。誰もが「あの頃の気持ち」を思い出す、ある夏の記憶――。

<感想>あの「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。ちょっとこじれた恋愛模様を、周囲の人々のユニークなエピソードを交えながら描いた青春映画。これって今年のアカデミー賞で作品賞に、監督賞、オリジナル脚本賞の3部門のノミネートされているのだ。私には、そんなに素晴らしい映画でもなく、普通のよくある15歳の少年が、10歳も年上の女性に恋をして、最後は恋愛が成就するというハッピーエンドのお話。

それでも主演の少年が、どこかみたことのある顔だと思ったら、故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが、ゲイリー役を務めていて映画初主演だというし、相手の女性も3人姉妹バンド「HAIM(ハイム)」のアラナ・ハイムがアラナ役を務めており、彼女も映画初出演だという。物語が、主人公の少年が大人の女性を知らないまだ子供のような感じの男の子で、相手が10歳も年上の女性を相手に恋愛感情も持ち、15歳なのにオマセの少年が子役の俳優であり、その他にも仕事をしているヤリ手の男の子なのだ。

始めは、何てことないつまらない話だろうと思っていたら、意外に面白いのだ。年上の女アラナは女優ケイ・レンツがモデルであり、少年ゲイリー(クーパー・ホフマン)は元子役で、その後には映画や音楽プロデューサーとなるケイリー・ゴーツマンがモデルだと言う。

舞台はPTAが育ったハリウッドの郊外。サンフェルナンド・ヴァレー。自由な空気が満ちていた当時のウエスト・コートの解放感が伝わり、気分も高揚して観客もそんな時代に引き込まれるのだ。

主人公の高校生が野心的で、俳優業のかたわら流行りのウォーターベットの販売に乗り出し、もちろんアラナにも営業を手伝ってもらう。劇中でウォーターベッドを売っている人物を、あのレオナルド・ディカプリオの父親、ジョージ・ディカプリオが演じている。面白いのはここからで、ジョージは実際にウォーターベッドを販売していたことがあるとのこと。

それを売りつけた相手が、ショーンペン演じるハリウッドの人気スターであるジャック・ホールデンであり、他にもトム・ウェイツ演じるレックスには監督のマーク・ロブソンがモデルだというのだ。

笑ったのが、ブラットリー・クーパー演じる女好きの映画プロデューサーである、ジョン・ピーターズを熱演。最近のブラットはこんな仕事もするのだなぁと感心。そのジョン・ピーターズって、あの有名なバーブラ・ストライサンの恋人にして、元美容師であり、彼女の「スター誕生」(78)を制作した人。

青春映画では、とにかく恋する若者たちが走るシーンがある。ここでも、二人が走っているシーンが多い。それと、アラナが他人のバイクに乗せられれば転げ落ちるし、驚いたのがガス欠の大型トラックを、バックで運転する荒業もある。

これって本当にアラナが運転してるの?・・・ちょっと疑問だけど、タイトルの「リコリス・ピザ」って何なの?・・・実は、LPレコードを意味するスラングだそうで、黒いリコリスの色をしたピザのようだからだとも。または、70年代にサンフェルナンド・バレーに実在したレコードショップの名前でもあるそうです。アカデミー賞取れるといいですね。

ーWOWOWにて鑑賞ー

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