パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

るろうに剣心 伝説の最期編 ★★★★★

2014年09月15日 | アクション映画ーラ行
和月伸宏原作のコミックを基に『プラチナデータ』などの大友啓史監督と佐藤健主演で映画化したアクション大作の完結編。激動の幕末にその名をとどろかす伝説の人斬り・緋村剣心が大切な人と国を守るべく、日本征服をもくろむ志々雄真実一派との壮絶な死闘に挑む。主演の佐藤のほか、武井咲、伊勢谷友介、福山雅治、江口洋介、藤原竜也といった豪華キャストが共演。クライマックスを飾るにふさわしい未曽有のバトルに胸が高鳴る。注意:ネタバレです!
<感想>時代劇の常識を覆す、身体を張った壮絶なるアクションシーンの連続、しかもアクション一つにキャラクター個性が見え、ドラマを盛り上げる。今まで観た時代劇の歴史を確実に変えたと言っていいだろう。

剣心が浜辺に打ち上げられ、師匠の比古清十郎に助けられるシーンから始まり、山奥で隠居生活をしている師匠の元で、志々雄に向けての訓練のシーン。架空の剣術の流派、飛天御剣流・天翔龍閃の必殺技。凄いのは福山さんのブルース・リーみたいな蹴りを出したり、飛び跳ねてパーンと落ちるし、剣心と師匠の比古清十郎が負荷の高いアクション訓練を繰り広げるシーンには驚きました。さすがにNHKで坂本龍馬を演じたお方だと感心しきり。
元気になり江戸へと、ですが、江戸では剣心の似顔絵と手配書が出回っていた。
薫の道場に行くも、多数の警官隊の攻撃を巧みにかわしていく剣心。

案の定、恋人の薫も、浜辺に打ち上げられ漁師に助けられていたのだ。それに、田中泯の翁も、操の献身なる介護で起き上がるまでに。だが、伊勢谷くん扮する蒼紫とまた闘うのだが、そこへ剣心が来て一騎打ちになる。翁は剣心が蒼紫を倒すところを見届け息を引き取る。

蒼紫は、10年間剣心オンリーで、剣心のことしか考えていない。蒼紫の二刀流必殺技、回天剣舞六連を剣心に破られ、すぐに刀を捨て動きやすくし、また刀を拾い二刀流で刃向ってくる。これは、カッコいいですよ。剣心の必殺技、ここでも見られますが、余りにも素早い殺陣シーンに口あんぐり状態。さすがに特訓しただけあります。
しかし、剣心も追ってから逃げきれず観念して警官隊に捕まってしまい、伊藤博文とも会って斬首の刑になってしまう。浜辺でこれから、剣心の首切りが始まろうとしているところへ、あの斉藤(江口洋介)が、編笠に着流し姿で現れて剣心を助ける。その時の、斉藤が繰り出す牙突のシーンに、カッコいいーーなんて思ってしまって、普通は警官の制服で戦うのが、敵をバッサバッサと斬っていく。

そして、志々雄の軍艦まで舟で行き、もちろん舟の上では待ってましたとばかりの宗次郎との本気の勝負が始まります。京都編では剣心の刀が折れてしまい、負けてしまったようですが、剣心が師匠から極意を受けた飛天御剣流の必殺技でやっつけちゃうんです。神木くんの宗次郎も、いつもの足ぴょんぴょんと飛び跳ねたりして、でも剣心が師匠にやられた技をいくつか宗次郎にやり返すという。だてに山奥で訓練したわけじゃないと。
見所はやはり剣心と志々雄の一騎打ちなんですが、その前に武器を持たない者同士の肉弾戦といえば、佐之助と坊主の安滋(丸山智己)との血みどろの戦いですかね。

軍艦の中で政府軍の大砲がドーンと撃ち込まれるのに、中では着物で刀で戦うシーンが。志々雄が拳銃を使い撃ってしまえば、あっという間に終わってしまうのに、刀で戦うって侍の名残か、最期の武士魂か。剣心、佐之助、蒼紫、斉藤VS志々雄の決戦。焼けただれた手負いの狼、志々雄の死にもの狂いの剣法は、強いのなんの。

呼吸を計ったかのように繰り出されるアクションは、壮絶なるまでに容赦なく観客を緋村剣心の人生に並走される。それと同時に幕末で必要とされなくなってしまった人たちと、それを処分する人たちという見え方、明治という時代に深く考えを至らせるのは何なんだろう。最後の言葉は、「生きてさえいれば」

本物のアクションをアクション俳優ではない役者が演じるのが素晴らしい。佐藤健、藤原竜也はもちろんのこと、福山雅治、田中泯、神木隆之介、土屋太鳳、伊勢谷友介、江口洋介、青木崇高らのアクションが最高に素晴らしかった。

若い剣心は大きなものを背負い、それは背負わされるのではなく自ら背負う。だから国のためにという大義名分のもとにと言うのではなく、剣心は、かつて自分が殺めた清里の許嫁の悲鳴が忘れられず、志々雄が政権を取れば、その悲鳴が幾重にも幾万にも、なるかもしれないという極めて個人的な想像力で国を背負うのだろう。ヒーローとは孤独にして孤高なのである。お上の顔色を伺って生きてきた、民主主義と自由を得て日の浅い日本には、自分の足だけで凛と立つヒーローが、今でも必要だと思います。
2014年劇場鑑賞作品・・・289 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング