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ピョートル・チャイコフスキーの交響的バラード「地方長官」作品78を聴く

2012-04-27 06:19:25 | ピョートル・チャイコフスキーの作品
昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのは、1840年生まれのチャイコフスキーの作品。
交響的バラード「地方長官」作品78は、
1890年から1891年にかけて作曲された。
ポーランドの詩人アダム・ミツキェヴィチの詩を、
プーシキンがロシア語に翻訳した詩に基づく作品のようだ。
ストーリーは地方長官が家に帰ってくると、
妻に昔の恋人が迫っているのを目撃した。
彼は下男にその恋人であった男を殺すように命令したが、
下男が放った銃弾は地方長官の頭の額に跳ね返ってくるというものだ。
聴いたCDはクラウディオ・アバド指揮、
シカゴ交響楽団の演奏によるもの。

冒頭はアレグロ・ヴィヴァーチェの暗いトーンの音楽で始まり、
弦楽器がせかすようなオスティナート風の旋律を繰り返していく。
これは、家に帰ってくる地方長官の足音と不安な気持ちを表すような音楽である。
それに金管楽器が絡んでいき、それが繰り返されて盛り上がっていく。
いったんその部分が終わり、静まってモデラートの部分に入り、
木管楽器やハープが入り、のどかな牧歌的な感じの部分になり、
叙情的な旋律が弦楽器によって奏されるが、
このあたりは妻とかつての彼女の恋人が会っているシーンなのだろう。
対比して現れる木管楽器とハープで奏される民謡的な旋律も美しい。
そして再び冒頭のオスティナートの部分が静かに繰り返され、
アレグロ・ヴィヴァシッシモの部分に入り、木管楽器が絡み、
突如として金管楽器が鳴り響き、劇的なクライマックスが訪れる。
交響曲第6番の第一楽章の終わりに見られるような、
息詰まる音楽となり、悲劇的な長官の最後を示すかのように静かに終わる。

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