2008年12月14日、
お台場の東京カルチャーカルチャーで開催したイベント
『軍艦島ナイト』のイベント完全リポートです。
『記憶屋 廃墟』管理人のドイテフさん、
そして『ワンダーJAPAN』編集長の関口さんをゲストに迎え、
オープロジェクト(大西、黒沢、西田)の3人と共に、
画像や映像を見ながらのトークセッション形式のイベントでした。
第16回 アンケートに答えながら 2
西田
他の質問を見てみると「現地へ行ってみて危険な目に遭いませんでしたか?」「上陸して一番ピンチだったこと」ということで、関口さん。
関口:
危ない事・・・学校の下って陥没してる所があるじゃないですか。あそこが美しすぎて吸い込まれそうになるんですよね。何ででしょうね・・・廃墟の中に水が溜まっている空間。水もなんか生命を感じさせるものがあるじゃないですか。
ここはちょっと水の中へ入って行きたいな~っていう魔力みたいのがあったりして・・・
西田:
ここに入りたい気持ちはわかります。平成3年に堤防が流されて海と繋がっちゃった場所なんですよね。その時に護岸だけ修理されて、中はそのまま放置されてしまった、という状況なんですよ。学校の建設は1900・・・何年でしたっけ?
黒沢:
昭和33年ですね。
<このへんから映像をみながら>
西田:
これは小学校の教室ですが、普通の感覚を持っていたらとても入れない場所ですね。
黒沢:
観光上陸の工事するお金があるんだったら、この下を埋めて欲しいですよね。
西田:
けっこういろいろ残っているんですよね。
大西:
そうですね。
ミシンであったりとか、オルガンであったりとか・・・
これが放送室ですね。
西田:
なかなか魅力的な場所ですよね。軍艦島の特徴として残留物が多いかな、という気がするんですが、どうですか。
関口:
多いですね!というか、あらゆる廃墟があるじゃないですか。病院があって、学校があって。ほぼ全てが揃っている廃墟。
黒沢:
それが密集してるんですよね。炭鉱や鉱山でも、広い地域ならば街が廃墟になっているところはありますよね。
黒沢:
これは島の模型ですね。生徒が作ったんですかね。
西田:
でもこういう模型を作るということは、島に思い入れがあったんじゃないかと思うんですよね。
黒沢:
台風の影響を一番受けにくい場所にあるから、これだけ残ったのかなと思いますよね。
西田:
でも、ここらへんは観光上陸では見学出来ない場所で、軍艦島じゃない別の場所に、模擬的に再現した方が、当時は再現できるのかな、と思いますよね。
黒沢:
今の状態から当時を想像するっていうのは大変だと思うんで、当時の事だけを知るんだったら、再現した方が全然いいんじゃないかなーと思いますね。
西田:
これは病院ですね。ふつうに足下とか危ないですからね。撮るのは大変だったんじゃないですか。
大西:
結構大変です。モニターを見ながら歩いているんで、足先をセンサーにして、ゆっくりと歩いてます。
西田:
たまにネットとかでみると、ハイヒールのままで入った、なんてのも聞きますが、それは無茶ですね。
黒沢:
それは軍艦島に限らず、廃墟は全てハイヒールでは行かないほうがいいと思いますよ。(笑)
今ひとつ思うのは、最初は凄い場所だなーと思ったんですが、今は、ここだけが特別な場所じゃない、やっぱり人が沢山住んでいて、産業があって、街があった場所。そういう風に考えると、軍艦島をわざわざみなくてもいいんじゃないかと。自分の地元にこういうところは探せば沢山あると思うし、都会の中でもそれはあって、そこには沢山の時間の積み重ねがある。そう思う様になったなーと感じますね。
◇ archives ◇
第1回 イベントコンセプト
第2回 イベントスペーズ
第3回 オープニング
第4回 廃墟の魅力
第5回 軍艦島の魅力
第6回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/廃墟]
第7回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/軍艦島]
第8回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/廃墟]
第9回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/軍艦島]
第10回 写真を見ながら各人解説 [大西/廃墟]
第11回 写真を見ながら各人解説 [大西/軍艦島]
第12回 写真を見ながら各人解説 [西田/廃墟]
第13回 写真を見ながら各人解説 [西田/軍艦島]
第14回 軍艦島大解剖
第15回 アンケートに答えながら1
第16回 アンケートに答えながら2
第17回 アンケートに答えながら3
第18回 アンケートに答えながら4
第19回 軍艦島や廃墟を表現するということ
第20回 軍艦島映像作品紹介