廃墟賛歌ブログ

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長崎産業遺産視察勉強会~池島炭鉱編1~

2012-11-24 05:51:08 | 産業遺産
長崎産業遺産視察勉強会~池島炭鉱編1~

前回の記事に引き続き、
今年の7月に行なわれたJ-ヘリテージ主催の、
『長崎産業遺産視察勉強会』に参加した時のリポートです。

J-ヘリテージは、現代社会が抱える様々な問題点を、
近代化遺産を振り返ることでその解決の糸口を模索しようとするNPO団体で、
様々な遺産の見学会を開催したりメディアで遺産の必要性を訴えている団体です。

そんなJ-ヘリテージが主催した『長崎産業遺産視察勉強会』は、
軍艦島の非見学エリアと池島特別見学コースの視察という、
とても内容の濃いものでした。
今回は池島炭鉱の視察のリポート前半です。

池島炭鉱跡

池島炭鉱は長崎県中部の外海側にある小島で、
かつて島内に大きな池があることから池島と呼ばれていましたが、
1950年代の後半、炭鉱の開発によって池は港に改築され、
島の多くが炭鉱とその住宅施設に変貌した島です。
約40年にわたって操業した池島は2001年に閉山し、
その後約10年、東南アジアの研修所として使われ、
現在では全ての操業が停止しています。

軍艦島の視察は昼過ぎからの約2時間で、その足で池島へ。
軍艦島の視察中は運良く晴れていたましたが、
池島へ向かう途中、雲行きは再び怪しくなり、
フェリーから見る池島の上空には、重たい雨雲が乗っていました。





池島炭鉱跡

しかし島に着く頃にはまたまた運良く晴れ出し、
以降2日に渡る池島視察中は、ずっと晴天に。
港にはいつものように沢山の猫がいます。
島民が減少の一途にある池島では、
もはや島民より猫の方が多いと言われる程、
猫島化している島でもあります。





池島炭鉱跡

この日は夕方遅くに島に到着したので、
特に見学とかはなかったので、ちょっと島内を散策。
島の奥に建つ8階建てのアパートが、
夕日に照らされたオレンジ色に染まっていました。



夜は懇親会が開かれ、
約40人の参加者が自己紹介を兼ねて、
ご自分の活動等のPRをすることになったのですが、
みなさん、情熱的な方ばかりで話にも熱が入り、
結局それだけで終わってしまいました。
ご自分に関係のある地域活性化の活動をされている方や、
産業遺産の保存を考えている方等、
みなさん素晴らしい活動をされている方々でした。





池島炭鉱跡

翌朝の朝ご飯は、島内で唯一常営している食堂、
「かあちゃんの店」のまかないで合宿気分です。





池島炭鉱跡

午前中は坑外施設、つまり炭鉱の坑道以外の施設の見学です。
繰込所(あるいは発進所)は、
坑道へ仕事で入る前に待機して、装備の点検や準備をするところ。
正面には「あとでよりいまが大切 点検と確認」と、
いかにも炭鉱らしい標語が掲げられていますが、
実はこの掲示は、今年の夏池島でロケが行われた、
映画『池島譚歌』のロケ用に新しく設置されたものです。
※もしかしたら映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』の時かも…
でも、本物より本物っぽいですね。





池島炭鉱跡

繰込所の建物の一階には、
操業時の写真が展示されたスペースがあります。
右側に写るのは上から三枚目の画像の8階建てのアパート。
もう今では灯りがともることのないアパート群に、
沢山のあかりが灯っています。



この後、様々な坑外施設を見学するのですが、
多くは以前の記事で既に触れているので、
そちらをご覧になって頂ければと思います。
・繰込所のある建物内の炭鉱風呂や管理室(この記事の中頃)
・繰込所のある建物の隣の第二竪坑の捲座(この記事の終わり頃)





池島炭鉱跡

そんな中、
以前の見学時には外観だけを横目で見ていた画像の施設を、
今回はじっくりと説明して頂きました。
この施設は扇風機と言って、坑内の空気を循環する為の施設です。
下部に写る黒い筒の中に大型の扇風機が設置され、
坑道に繋がっている左側から右に写るラッパ状の吹出口の方向へ、
空気を排出する装置です。
炭鉱では、空気を送り込むのではなく、
排出することによって、別の坑口から自然に空気が入る様に作られています。





池島炭鉱跡

上画像の左側を見た所。2つの同じ構造物があります。
右は鉄の板があり左にはないように見えますが、
ないのではなく、下に降りています。
鉄の板が弁の役割を果たし、
今は右側の方が通気出来る状態にあることを示しています。
万が一右の扇風機が故障した際には、
即座に右の鉄の板を降ろし、左の鉄の板を引き上げて、
左側で通気を行なう仕組みになっています。
通気は坑道の中で働く炭鉱マンの命綱。
24時間、決して休むこと無く動き続ける必要があります。





池島炭鉱跡

坑外施設の見学の後は住宅棟エリアの見学です。
炭鉱アパートの中に一部屋だけ、
見学出来る様に解放された部屋があります。
内部はちょっと作り込みが多く、
あまり当時のリアルな生活を偲ぶことはできませんが、
それでも間取りやトイレ事情等、
炭鉱アパートがどのようなものだったかを知ることはできます。
それを見る限り、決して炭鉱アパートの部屋は広くはなく、
たとえ高給取りだったとしても、
その生活は派手なものではなかったんだと思います。





池島炭鉱跡

玄関のノブの下には、
「ヨシ!」と声をあげる炭鉱マンのイラストシールが貼られています。
このかけ声は炭鉱での仕事で、安全を確認する時のかけ声です。
後貼りかそれとも当時から貼ってあったものかはわかりませんが、
炭鉱アパートならではですね。





池島炭鉱跡

そのほか島内を周回する道も一回りし、
その周囲にある施設も一通り見学。
気になったのは画像の汚水処理施設。
汚水といってもいわゆるし尿処理。
果たしてこの装置がどう処理してくれるか想像もつきませんが、
島という環境は、
陸続きの生活以上の苦労がつきものなのだと実感します。

次回、池島炭鉱の後半は坑道内の見学です。

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進化する池島炭鉱

2012-06-19 17:49:33 | 産業遺産
先日ワンダーJAPAN TVのロケで行った池島炭鉱。
常に進化し続ける池島炭鉱の現在をリポート。

最初に池島を訪れた時には選炭工場を中心に見学させて頂きました。
2回目に訪れた時は海面下約300m位まで潜り、
また稼働中の坑外施設などを見学。
そして一般見学の最初は、模擬坑道を中心にした見学。
一般見学の2回目は、ボタ坑道や旧竪坑近くの施設で、
採炭のしくみを聞くようなコースでした。
しかし今回訪れてみると、見学コースはかなり充実していました。
進化した池島炭鉱の体感見学をご覧下さい。

池島炭鉱

まずはトロッコの試乗です。
見学用に安全面等を改造した人車ですが、
坑外からボタ坑道へ入る人車体験は、
臨場感があります。





池島炭鉱

坑道内も、かなりいろいろな所を巡ります。
画像は、坑内換気用の扇風機付きダクト。
坑道内の説明の多くは、万全の安全対策あれこれ。
どれだけ坑道内の安全を確保するかが、
炭鉱にとって最重要課題かがわかります。





池島炭鉱

稼働していた時に、実際に人が昇り降りしていた、
斜坑 (斜めの坑道) のトンネルを坑道内から見上げます。
遠くにトロッコの出口がかすかに見えます。





池島炭鉱

坑道内に残るボタ・ホッパー。
選炭工場で排出されたボタが落ちてくる場所は、
今回初めて見せてもらいました。
2基あり、その大きさはかなりのものです。

その他、
石炭を採掘するドラムカッターの掘削模擬運転や、
穿孔機を使ってのハッパ用穿孔体験など、
様々な炭鉱体験が出来ます。





池島炭鉱

坑外へ出たら、島の一番奥にある、
かつての事務所棟へ向かいます。
事務所棟では炭鉱マンが待機した繰込所の他、
ヘッドランプを管理している安全灯室も訪れます。
天井灯を消した後の、充電中のヘッドランプの灯りは、
幻想的でもあり、命綱の重みを感じます。





池島炭鉱

かつて使われていた事務所も訪れます。
事務所の横には中央監視室がありますが、
コンピュータも設備も時代を感じるもので、
レトロ・フューチャー映画のワンシーンのようですね。





池島炭鉱

現在、一般公開に向けて準備中、
ということで見せて頂いた鉱員風呂。
かなり大きな規模の浴槽が2基あります。
浴槽もいくつにも分かれていますが、
端島炭鉱の鉱員風呂のように、
炭で真っ黒な浴槽はなかったそうです。





池島炭鉱

第二竪坑の捲座 (捲き上げ機室) も今後公開の予定だそうです。
池島炭鉱の第二竪坑のケージは、
井戸釣瓶のような構造のケーペ式です。





池島炭鉱

捲き揚げの操舵室。
2基のケージを操作する左右のレバーを支える、
木製のカバーが、いい雰囲気を出しています。





池島炭鉱

壁に並べられた巨大なレンチ。
いったい何に使うかと言うと、





池島炭鉱

巨大な捲上機を支える、
巨大なナットを止めるためのレンチでした。
レンチをはめ込んで、鉄のハンマーで、
ガンガン締めまくるそうです。





池島炭鉱

室内の隅には時の止まったカレンダーがありました。
2001年11月、池島炭鉱の閉山の時です。




池島炭鉱

かつて訪れた選炭工場は、
現在では錆び付きが進行していて、
見学コースに組み込むのは難しいらしいですが、
選炭工場を含めた坑外施設は、
是非見学出来る様にして欲しいと思います。

池島炭鉱を訪れると、
地底産業がどれだけ命の保全に細心の注意を払っているかが、
ひしひしと伝わって来ます。

池島炭鉱には今も、
炭鉱マンの魂が生き生きと残っているのを、
痛烈に感じます。


以上、2012年、軍艦島近況リポートでした。

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旧志免鉱業所竪坑櫓 3

2009-06-03 16:37:17 | 産業遺産
福岡空港のすぐちかくにある、
巨大なコンクリートのロボットのような建物が圧巻の、
旧志免鉱業所竪坑櫓をシリーズでお送りしています。



櫓の屋上はベタ打ちコンクリート床の開放的な空間です。
屋上から眺めるぼた山跡。
かつては黒々ちしたボタがうずたかく積もっていた場所ですが、
他炭鉱の類例に漏れず、現在ではボタ山とわからにほど、
植物に覆われた小高い丘になっています。



竪坑櫓の北側に残る第八坑連卸坑口跡。
周囲を鉱滓煉瓦(こうさいれんが)で巻いた珍しい斜坑口。
雨にぬれているためか、レンガ巻きの様子がわかりませんね。




内部は多少現存し、路面には軌道に跡も見えます。
こけがびっしりと生息する壁面のすきまから、
レンガの輪郭が多少判断できます。




海軍により建設、戦後は国鉄の経営でその生涯を終えた、
始終国だけによる経営だったきわめて珍しい炭鉱は、
ワインディング・タワー式と呼ばれる、
これまた国内では珍しい方式の捲き上げ櫓でした。
ぜひとも残ってほしいと思います。

この時の見学の様子や詳しい話は、
ワンダーJAPAN誌 Vol.11 に特集記事で掲載されているので、
ぜひご覧になってください。




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旧志免鉱業所竪坑櫓 2

2009-05-27 19:27:35 | 産業遺産
前回からアップしている旧志免鉱業所竪坑櫓。
今回はいよいよ上階へ進みます。



最下部から上部へ行く最初の階段。
かつては突き当たりの穴が、
頑丈なコンクリートで固められていましたが、
昨今の九州産業遺産への注目とともに、
上部の見学ができるようにと、開けられたのでしょう。



途中階段から見える柱に埋め込まれた鉄筋は、
どれもが鉄筋というよりは鉄棒のように太く、
さらにその間隔が半端なく狭く造られています。
さながら鉄棒コンクリート造と言ってもいいくらいですが、
どんだけ頑丈に造れば気が済むんでしょうね。
海軍の炭鉱だったことが、そのトゥーマッチな造りから忍べます。



6階のガイドプーリー室跡です。
現在はすでにプーリー(滑車)もなければ周辺機器もありませんが、
この床に開いた巨大な穴に大きな滑車がはめ込まれ、
轟音とともにケージを上げ下げしていたかと思うと、
感慨深いものがあります。
今は吹き抜けになった穴越しに志免の街並みが見晴らせます。



そして8階のメイン巻上機室です。
ここももちろん機器は既にありませんが、
その広い空間から、巨大な捲き上げ機があったことが想像できます。
今は壁面に開けられた四角い窓から差し込む、
柔らかい光に包まれていました。



床面中央の穴がメインプーリーの跡、
その左隣の穴がモーター設置場所跡。
中央奥が地上と搭上をつなぐ人員および資材運搬用のエレベーター。
蛇腹開閉式の扉と針式階数板が時代を感じさせてくれます。
その左がケージの捲上操作をしたスペース。
巻き上げ機は2基設置される予定だったそうですが、
結局1基しか設置されなかったそうです。

この時の見学の様子は、
ワンダーJAPAN誌 Vol.11 に特集記事で掲載されているので、
ぜひご覧になってください。




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旧志免鉱業所竪坑櫓 1

2009-05-26 04:16:58 | 産業遺産


福岡県の福岡空港にほど近い、
糟屋郡志免町にある旧志免鉱業所竪坑櫓。
コンクリートのロボットの様なルックスとともに、
激動の20世紀を今に伝える巨大竪坑櫓です。
ずっと内部へは入れませんでしたが、
昨年夏、ちょっとしたきっかけで見学することが出来ました。
数回に渡ってリポートをアップしようと思います。



竪坑櫓の最下部の一部に軌道が残っていました。
かつて炭車が走っていたことを物語る唯一の跡です。





櫓最下部の中央は、
かつては地底深く竪穴が開いていた場所ですが、
いまでは埋め戻された場所に草が繁殖し、
光を浴びて風にそよいでいました。




草の位置から真上を見上げると、
遥か彼方に巻上機から垂れ下がる、
ワイヤーロープ用の穴が小さく見えます。

この時の見学の様子は、
ワンダーJAPAN誌 Vol.11 に特集記事で掲載されているので、
ぜひご覧になってください。




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