廃墟賛歌ブログ

廃墟をはじめ軍艦島とか炭鉱とか廃線とか、産業廃墟作品制作ユニット<オープロジェクト>オフィシャル・ブログ

『軍艦島ナイト』イベントリポート #01

2009-02-15 10:35:26 | ・軍艦島ナイト


2008年12月14日、
お台場の東京カルチャーカルチャーで開催したイベント
『軍艦島ナイト』のイベントリポートです。
ゲストにワンダーJAPAN誌編集長の関口さんと、
廃墟サイト『記憶屋 廃墟』管理人のドイテフさんを迎え、
オープロジェクトの3人とともに
トークセッション形式で進行したイベントでした。
会場に足を運んで頂いた方々、ありがとうございました。


壇上左からオープロジェクトの黒沢、西田、大西、ドイテフさん、関口編集長

第1回 イベントコンセプト

イベント『軍艦島ナイト』は、当初その軸となるコンテンツに関して
2本の柱がオープロジェクトの中であがっていました。
一つはNHKの番組『熱中時間』になぞらえて
「軍艦島熱中時間」
と題し、軍艦島に熱中する人達をゲストに招き、
なぜ熱中するのかを解き明かしていくといった内容。
もう一つは今まで表立って語ってこなかった
「廃墟の視点で見る軍艦島」
というものでした。

熱中時間の方は、
かねてよりイベントを行う時には是非お話を伺いたいと思っていた
『軍艦島実測調査資料集』のメイン著者である阿久井先生が軸になると思ってましたが、
残念なことに先生は冬場は持病の腰痛があり、
あまり外出なされないということでした。
阿久井先生をゲストに迎える事が不可能になった段階で、
自然と「廃墟の視点で見る軍艦島」のテーマに移行せざるおえなくなったわけですが、
特にこの廃墟視点の軍艦島というテーマをあえてやろと思ったのには、
様々な理由がありました。

ひとつには、オープロジェクトは本来産業廃墟の作品を制作すること
を目標に始めたプロジェクトでしたが、
ここ最近軍艦島に関する作品の発表が増え、
軍艦島だけの制作チームという捉え方をされている気がしていたこと。
また2000年以降の廃墟ブームによって廃墟の認知度は上がった反面、
廃墟を心霊スポットやサバイバルゲームの舞台としてだけ捉え、
廃墟に対してマイナスな印象を持っている人が増えたなぁ~
という感覚があることでした。
確かに古城に住むドラキュラをはじめ、
廃墟とは心霊的な興味を喚起する場所だとも思うし、
そういった楽しみ方がお化け屋敷のルーツだとも思います。
また犯罪の温床になる危険性がある場所である事も否めませんね。

もともと人が廃墟を廃墟として意識し始めたのはルネサンス時代に遡ると思います。
人間復興といわれる時代に注目された廃墟とは、
古代ローマやギリシャの廃墟であり、それは人間の理想郷という意味を持っていました。
それ以来廃墟は時代に即して、様々な意味を与えられながら、
人に寄り添って存在して来た廃墟は、
ある意味人間を映し出す鏡の様なものだったと思います。
そういった様々な顔を持つ魅惑的な場所だということを少しでも伝えたいと思いました。

日活さん、三才ブックスさん、HMVさんの主催による
DVDと書籍のリリースイベントでしたが、
その場を借りて、廃墟をテーマにしたイベントを是非行えればと思いました。

ゲストには徹底的にビジュアルににこだわりながらも、
より広い廃墟の表現方法を模索し続ける記憶屋廃墟管理人のドイテフさん、
産業遺産の安易な観光化に警鐘を鳴らしながら、
廃墟とは自らを振り返る場所と語る
ワンダージャパン編集長の関口さんという素晴らしい方々と
オープロジェクトのメンバーによる廃墟と軍艦島の話からは、少なくとも
廃墟とは一筋縄ではいかない奥深いものだ
ということぐらいは伝わったんではないかと思っています。

それではこれからイベントの様子を、
少しずつアップして行くことにします。

◇ archives ◇
第1回 イベントコンセプト
第2回 イベントスペーズ
第3回 オープニング
第4回 廃墟の魅力
第5回 軍艦島の魅力
第6回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/廃墟]
第7回 写真を見ながら各人解説 [ドイテフ/軍艦島]
第8回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/廃墟]
第9回 写真を見ながら各人解説 [黒沢/軍艦島]
第10回 写真を見ながら各人解説 [大西/廃墟]
第11回 写真を見ながら各人解説 [大西/軍艦島]
第12回 写真を見ながら各人解説 [西田/廃墟]
第13回 写真を見ながら各人解説 [西田/軍艦島]
第14回 軍艦島大解剖
第15回 アンケートに答えながら1
第16回 アンケートに答えながら2
第17回 アンケートに答えながら3
第18回 アンケートに答えながら4
第19回 軍艦島や廃墟を表現するということ
第20回 軍艦島映像作品紹介


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