信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

令和6年の早春もよう

2024年03月30日 | 自然

3月になって寒く、野花も庭の春花も昨年よりかなり遅れています。
昨年は花盛りだった近所のノジスミレですが、今年はようやく葉の出始めです。


我が家のウメも昨年より10日ほど開花が遅れていました。
昨日から春の陽気になり、ようやく開花宣言になりました。


近所ではキジの姿が見られるようになりました。


どこかに雌がいるはず、動く姿でようやく見つけました。


しばらくすると雄と雌はいっしょになり仲良く餌をついばみ始めました。


雌は石垣を登り歩き始めましたが、雌は後につく様子がありません。
しばし雌の行先を見ていましたが急に方向転換しました。


上を見上げるとほぼ垂直に飛び上がり、フェンスに乗りました。
辺りを見渡した後、背をかがめて空き家の庭に飛び降りました。


石垣から再び降りた雌、首を伸ばして雄の姿を目で追っています。
はたしてカップル成立は?


こちらは中学校の庭に咲く満開のウメの花にやってきたメジロです。


メジロはウメの花が大好き、春の恵みの甘い蜜を楽しんでいます。
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ユリ科ツバメオモト属

2024年03月23日 | 自然

ユリ科ツバメオモト属のツバメオモト(燕万年青)です。
亜高山帯の林内に生え、下草仲間のイワカガミやマイヅルソウから抜け出します。
名の由来は、葉がオモトに似ていることからで、ツバメは諸説があるようです。


葉は倒卵状長楕円形で、長さ15-30 cm、幅 3-9cmと大きく、すべて根生です。
根生葉は花茎を囲み、その様を刀の鍔(つば)に見立て「鍔の芽」も諸説の一つ。


多年草で毎年同じ場所に花を咲かせますので、画像はお馴染みの株です。
花茎の先端に総状花序を付け、開花時には白色の花をやや下向きにつけます。


光の射し込まない薄暗い林内でも20-30cmの花茎の先に白花を咲かせます。


暗くなるほど花の数は少なくなるのでしょうか、それはそれで趣があります。


株が大きくなり適度に日の当たる場所ではこのようにたくさんの花をつけます。


花被片は10-15mmで雄蕊より長く、花柄には毛が密生します。


花柱の先は3裂して、花被片から飛び出します。
この頃の花が最も美しいのではないかと思っています。


花が終わると花茎は40-70 cmまで伸び、直径約1 cmの丸い液果をつけます。
秋になると実は瑠璃色から藍黒色になり陽が射し込むと宝石のように輝きます。


「ツバメ」の名の由来のひとつに「果実がツバメの頭の色に似る」があります。
山でツバメオモトの名の由来が話題になると、ツバメの頭の色が一番うけます。
ススキノキ科、ヒガンバナ科、キジカクシ科は今年の暮れ以降に整理します。

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ユリ科タケシマラン属

2024年03月16日 | 山野草

ユリ科タケシマラン属のタケシマラン(竹縞蘭)です。
三方ヶ峰の登山道脇に毎年5月下旬から咲きます。
画像は10年ほど前のもの、年々株が小さくなっているのが気がかりです。


花の色は地味ですが、これほど咲かせると見事です。


互生する葉の葉腋から花柄を伸ばし、1個ずつ黄緑色の花をつけます。
花被片は6個で基部から平開して先端は反り返ります。
雄蕊は6個あり、花柱はごく短かく平に見えます。


6月になると果実が膨らんできます。


タケシマランが存在感を示すのは真っ赤に熟した液果をつけた姿です。
最初の画像の株の秋の状況ですが、遠目にもタケシマランと分かります。


草丈が20cmほどの株が密生し、果実を1株に数個つけていました。
当時は小さなタケシマランだな、と思いながら撮った写真です。
今考えると、ヒメタケシマランを意識して撮っておけばなあ、と悔やまれます。
タケシマランとは、大きさや葉縁などで見分けるようですが、はて??


タケシマラン属のオオバタケシマラン(大葉竹縞蘭)です。
一見タケシマランによく似ますが、いくつもの見分け点があります。


タケシマランより大型で、茎は60-100cmになり、上部で2-3枝になります。


葉での見分け、オオバタケシマランは葉の基部が心形になり茎を抱きます。


花が咲いていれば見分けは容易で、花柄、花冠、花柱が異なります。


果実での見分けは、果柄と果実の形です。


果実が落ちた株にも果柄が残っていますので、見分けの目安になります。

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ユリ科キバナノ・チシマアマナ属

2024年03月09日 | 自然

ユリ科キバナノアマナ属のキバナノアマナ(黄花の甘菜)です。
根出葉は1個、花茎には2個の苞葉がつきます。
花期は4-5月で、花茎の先に4-10個の黄色い花を散形状につけます。


ユリ科キバナノアマナ属のヒメアマナ(姫甘菜)です。
キバナノアマナに似ますが、非常に繊細で弱々しく見えます。


ユリ科チシマアマナ属のホソバノアマナ(細葉の甘菜)です。
根出葉は1-2個、花茎には披針形の茎葉が2-3個、互生します。
花期は4-6月で、花茎の先に1-5個の白色の花を総状につけます。


ユリ科には「アマナ」の名をもつ植物は3属あり、名も草姿も似ます。
また、他の科にも似た植物があり整理してみました。


キバナノアマナ属は花序軸が非常に短く、花序は散形状に見えます。


キバナアマナ属のヒメアマナはとても小さく、気を付けないと見落とします。


ヒメアマナとキバナノアマナの見分けです。


ホソバノアマナは茎葉が地上茎に互生し、花序軸は明瞭で総状花序です。


ホソバノアマナの花被片の基部には腺体がなく、緑色の脈があります。
チシマアマナは腺体を有し、淡赤紫色の脈があります。


アマナ属のアマナとヒロハノアマナの見分け方です。


ヒガンバナ科ハナニラ属のハナニラ(別名:セイヨウアマナ)です。
原産地はアルゼンチン、観賞用の庭花などが逸出して野生化しています。


キジカクシ科オオアマナ属のオオアマナです。
原産地はヨーロッパ、観賞用の庭花などが逸出して野生化しています。
オオアマナとホソバオオアマナの見分けは、子房の陵や鱗茎の小球です。
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ユリ科 カタクリ属、バイモ属

2024年03月02日 | 山野草

ユリ科カタクリ属のカタクリ(片栗)、「春の妖精」を代表する花のひとつです。
同じく春の妖精を代表するセツブンソウの群生地で見た株です。
「片栗」の名は、鱗茎の形がクリの片割れに似るからとか。


春の暖かい陽射しを受け、木々が葉を茂らす前のわずかな時期に花を開きます。
実を結び葉が朽ちる頃には林床に陽がほとんど届かなくなります。


お寺の裏山、愛好者の皆様に大事に保護さているカタクリの楽園です。
ピンク色の花カタクリに混じって白色の花ニリンソウもご機嫌です。


左の株は父が存命の頃からのもので、すでに数十年間この場所の主です。
西側には家が、上はカキの木が覆い、朝日のみが射し込む場所です。


雄蕊は6個で長短3本ずつあり、長い方の雄蕊の葯が先に成熟して裂開します。
暗紫色の葯の中心にピンク色の雌蕊が覗き、花柱はわずかに3裂します。
朝日を浴びると花を開き、夕暮れに閉じて、それを繰り返します。
花被片は背面で交差するほど強く反り返りますが、曇りや雨日には開きません。
花を下から覗くと、花被片の基部にある濃紅色の模様が楽しめます。


開花後は3室からなる果実ができて、各室には数個~ 20個程の胚珠が出来ます。
種子の赤ちゃん(胚珠)が並んでいますが、このうちの6割ほどが種子になります。
胚珠の先端につく乳白色の突起はエライオソームという甘いアリの好物です。


果実が成熟すると、先端が3裂して種子を散布します。
種子を散布する頃に葉は枯れ、「春の妖精」は姿を消します。


カタクリの株の周りに種子が落ちるとアリが集まってきます。
ご馳走のエライオソームのついた種子をえっさえっさと運んでいます。
エライオソームがアリの餌になり、残った種子の部分は巣の外に捨てられます。
捨てられた種子は春になると条件が良ければ発芽します。
このアリの行動によってカタクリはより遠くに子孫を広げることができるのです。
このような散布方法を動物散布のうちの「アリ散布」と呼んでいます。


カタクリの種子は長さが4mmほどと大きめで、鉢にまいてもよく発芽します。


発芽した後の成長は極めて遅く、花が咲くまでには8年前後かかります。
カタクリは地上に出ている期間は1年のうちに2ヶ月弱です。
光合成によって栄養を蓄積する期間が短いことから、なかなか大きくなりません。
葉が1株から2枚出るようになるとようよく花茎を出して花を咲かせます。


ユリ科バイモ属(貝母属)のクロユリ(黒百合)です。
貝母の名の由来は、地下にある白い鱗茎が二枚貝のような形をしているからとか。
高山帯の草地に生え、画像の株は植えられた株と思われます。
葉は披針形で質が厚く表面にはつやがあり、基部に葉柄はありません。


花は6-8月に咲き、鐘状で茎先に1-数個を斜め下向きにつけます。
花被片は6個で、暗紫褐色または黒紫色になり、網目模様があります。
雄蕊は6個で花被片の半分の長さ。花柱は基部から3裂します。
花も名前もユリ属に似ますが、葯と花糸の付き方が違います。
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