信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

エゾオオヤマハコベ

2020年09月26日 | 山野草

ナデシコ科ハコベ属のエゾオオヤマハコベ(蝦夷大山繁縷)です。
北海道に多く、他に秋田県と長野県に隔離分布するとされています。
長野県では、絶滅のおそれのある野生生物「絶滅危惧IB類(EN)」です。 


日当たりが良くやや湿り気の多い環境を好む多年草の植物です。
毎年3月には同じ場所に芽を出し、4月上旬には青々と葉を展開させます。


葉は対生で葉柄はなく、披針形で先端は尖り、長さは5~12cmです。
葉を光に反射させると、両面に絹毛が光って見えます。


高さは50~80cmほどになり、茎は上部でよく分枝します。
白色の大きな花をたくさん散りばめ、ハコベの仲間では見ごたえ抜群です。


繁茂して藪状になりますので、農地を管理する上では困った雑草扱いです。
この場所は、地主さんのご理解とご厚意で群落が守られてきました。


茎の先端に集散花序を出し直径2cmほどの花をつけます。
花弁は5個で萼より長く、広卵形で先はいくつもの細い断片に裂けます。


雄しべは10個、雌しべの柱頭は3個ですが、4個のものも見られます。


萼片は長楕円形で先は尖り5個、果柄とともに軟毛が密生し白っぽく見えます。
果実は長さ1cm弱の円柱状の蒴果です。


9月上旬にはたくさんの果実か成熟し、種子を稔らせます。
種子は2mmほどの腎円形でこげ茶色、表面の隆起した網目模様が特徴です。


花期は6~8月といわれていますが、最近涼しくなり元気を取り戻しました。
田は黄金色になり秋本番、もうすぐ10月ですが、まだまだ花を楽しめそうです。
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令和2年9月の訪問者

2020年09月19日 | 自然

家庭菜園のニンジンに産卵中のキアゲハです。
一カ所に1個、稀に2個の淡黄色の卵を産み付けています。


産卵が終わったのか栄養補給、コスモスの花にご執心です。
早春まきニンジンはキアゲハ用に残し、春・夏まきに発生した幼虫は移します。


羽化直後らしきクスサン、大型で見栄えのよい蛾です。
幼虫も大きく、東御市特産のクルミの葉をたくさん食べる害虫でもあります。


ツユムシの仲間が玄関のベゴニアの鉢植えに1晩お泊りになりました。
この仲間は草食ですが、ベゴニアを食べた様子はありません。


早朝に痩せ気味のジムグリの成蛇が来宅、寒いのか動く気配がありません。
ジムグリは地中のネズミやモグラの赤子が好物とか、ありがたい蛇です。


軒下にしばし滞在のキアゲハの蛹、幸運にも羽化に立ち会いました。


菜園の古いキャベツを整理したところ、クロアリの仲間が嗅ぎつけました。
切片を協力し合ってエッササ、お隣のアリらしく境界を越えてエッササ。


毎年おいでになるセスジスズメ、ツリフネソウを食べつくしてしまいました。
一大事、腹をすかせた1匹が大事にしていたユウゲショウにかじりついています。


軒下に巣をつくったセグロアシナガバチ、朝5時44分、行儀よく睡眠中です。
せっかくご滞在いただいているのですが、安全のためお引き取り願いました。


玄関ドアの前で翅を広げる謎の昆虫、アート的な造形美にみとれました。
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ねんぼう岩への道不通

2020年09月12日 | 自然

2018年6月9日掲載「ねんぼう岩を見て野点」のトイレのある駐車場です。
森林管理など以外は、この駐車場に車をおいて林道を歩きます。


この林道が、昨年の19号台風(10/12夜~)の影響で不通となっています。


今年の林道は山野草の楽園状態、道の真ん中に咲くキバナアキギリです。


倒木や土砂の崩落によっても林道は塞がれています。


空地化した林道を独り占めにし、花穂を四方に伸ばすカメバヒキオコシです。
林道上に咲く秋の山野草を数えてみましたが、40種を超えました。
1年の間にこれほどの豊かな植生を成すとは、びっくりしました。


途中でカモシカの親子に出会いました。
クマもいる地域ですので、人が入山したことを知らせる手段は怠りません。


沢に入るとオタカラコウの花盛り、7~8個の舌状花が目立ちます。


山野草に見とれ、到着に通常の4倍ほどの2時間を要してしまいました。
緑の森に囲まれた巨岩、数万年もの間この地にたたずむねんぼう岩です。


川の流れが、休憩所すれすれの位置に変わっています。
ねんぼう岩への歩道は流出、石渡をしたのですが、滑ってずぶ濡れでした。


帰り際、向かいのびょうぶ岩に咲くダイモンジソウを見つけました。

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白駒の池周辺コケ巡り

2020年09月05日 | 自然

八ケ岳の北麓にある白駒の池への遊歩道入口です。
山小屋「青苔荘」主で北八ケ岳苔の会会長さんに案内していただきました。


画像内の赤点線の遊歩道を1日かけてゆっくりとまわりました。
遊歩道沿いの原生林には名の表示板があり、代表的なコケが紹介されています。
これまでは、紹介のコケがどれなのか分からず残念な思いで帰ったものでした。
今回、会長さんの分かり易い教えをいただき、記憶のあるうちにまとめました。


遊歩道に入って直ぐ、「白駒の森」の表示板に紹介のカギカモジゴケです。
積年のもやもやが取れてスッキリし、苔の会会長さんに感謝です。


高見石小屋への登山道沿いの「カモシカの森」はセイタカスギゴケです。
高見石から白駒の池間の「高見の森」はコセイタカスギゴケです。
いずれの画像も撮影場所は「白駒の森」で、各所で見られました。


「もののけの森」の表示板に紹介されているムツデチョウチンゴケです。
撮影場所は「高見の森」から白駒の池に出て直ぐの遊歩道沿いです。


白駒の池周辺の苔類は519種類が知られているそうです。
画像は「白駒の森」で撮影した6種です。


「カモシカの森」で撮影した6種です。


「高見の森」上段3種と「もののけの森」下段3種です。


苔の会会長さんが話された、コケの生育に悪影響を及ぼす2大要因です。
シカの踏み荒らし、樹への食害による林内の陽光環境の変化が心配とのこと。
最近は、猛毒といわれるバイケイソウの葉も食べるようになったとのこと。
チョウセンゴヨウが大きくなりたくさんの葉を落とし、そこは赤肌とのこと。


美しく厳かな「もののけの森」です。
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