3月8日、トウダイグサ科のマルミノウルシが、雪解けた大地から萌えました。
炎のように真紅に染まることから、別名がベニタイゲキです。
大きな丸い芽の中からは花柱が顔をのぞかせ、蕾が出来上がっています。
ここは標高1000mほど、イノシシの痕跡やカモシカの糞が落ちています。
イノシシは虫を探して落葉を掻き散らしますが、株を痛めることはありません。
10日後の3月17日、葉の表に緑色が見えてきました。
葉で大事に包まれた蕾は、萌え直後の黄色から緑色が増してきました。
拡大してみると、名の「丸実野漆」のごとく子房は丸くいぼ状突起がありません。
また、腺体は腎円形で、いずれもマルミノウルシの見分けのポイントです。
近くには清水が流れ、ツルネコノメソウの花が満開です。
マルミノウルシは陽光が好きな植物だとか、早春の林床は陽当たり良好です。
来月には、辺り一帯がマルミノウルシの株で埋め尽くされ花が開きます。
長野県では絶滅危惧1A類に指定されている本種、大事に見守ります。
小諸市の布引観音への登り口、布引二段滝も参道も凍り付いています。
断崖絶壁には布引観音が安置される観音堂、奥の山は浅間山です。
写真を撮り終えると、なかなかの面構えのニャンコが近づいてきました。
ニャンコの方に向かうと、Uターンして観音堂入口の牛の石像で止まりました。
布引観音は「牛に引かれて善光寺参り」の伝説の舞台です。
観音様が牛に化身し、強欲な婆さまを善光寺に案内して改心させたとのこと。
ひょっとしたら、このニャンコ、観音様の化身かもしれません。
なんとなく気品の感じられる顔立ち、ありがたく触れさせていただきました。
「猫に引かれて布引参り」 ニャンコさま、岩の掘り貫の手前で止まりました。
伝説の牛は、善光寺につくと姿を消したとか、ここからは一人で進みました。
いつもよりお賽銭を奮発し、ニャンコさまのご案内を感謝してお参りしました。
観音堂から望む本堂と寺務所です。
お参りを終えて岩の掘り貫をくぐると、ニャンコさまが待っていてくれました。
石段をよろけて下る私を気遣い、振り向きながら様子を見てくれます。
お礼のなでなで、すっかり仲良くなりました。
名残惜しいのですが、帰ることを伝えると、出会った場所で見送ってくれました。
2019年10月の台風19号で崩落した海野宿橋が復旧し、1日に開通しました。
R18号から海野宿への入り口、交通規制の看板が2年5か月ぶりに取れました。
2日に歩いて私的渡り初め、崩落した部分が真新しい白色でよく分かります。
崩落直後の画像と、復旧した3月1日の画像です。
被災当時は復旧できるのだろうかと思うほど無残な状況でした。
なんとすばらしいことでしょうか。
最近の海野宿は閑散としています。
海野宿の観光案内所「うんのわ」でお聞きした春のイベント情報です。
例年の雛祭りと桜祭りを「海野宿春らんまん祭り」として開通祝。
3月19日~4月10日まで雛祭り、4月2日~17日までを桜祭り。
期間中の夜間は、手製竹灯篭365本で宿場通りをライトアップ。
オリジナル竹灯篭づくり参加者の作品、みごとです。
早春の花を楽しみ、橋からの穏やかな景色を眺め、平和のありがたさを感じます。