信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

菅平のシバタカエデら

2019年07月27日 | 山野草

クロビイタヤとシバタカエデが見たくて、両種が自生する菅平を訪ねました。
ご案内いただいたのは、菅平の自然に詳しい木村さんです。
菅平自然園のクロビイタヤ(黒皮板屋)、名前のとおり樹皮は黒ずんでいます。


葉身は直径12cm前後で、掌状に5裂して、 裂片はさらに羽状に切れ込みます。
つばさを持つように見える翼果と呼ばれる果実をたくさんつけていました。


図鑑には葉の両面は有毛とありましたが、葉表の毛は確認できませんでした。
白毛が、葉柄と葉裏の葉脈には多数生え、葉腋や基部葉腋には密生していました。


果実は2個からなる分果で1個の長さが3cmほど、翼は水平に開いています。
果実が熟すと真ん中から二つに割れ、翼を風に乗せ飛んでいくのだそうです。


菅平自然園から車で移動して数分、クロビイタヤとシバタカエデの自生地です。
この樹はシバタカエデとのこと、樹皮は同様に黒味を帯びてガサガサしています。


葉の切れ込みはクロビイタヤより浅いとの話もあるようですが、はて?


毛の生え方も、クロビイタヤとの違いはなさそうです。


分果の開きも同様で、水平に開いています。


両者は、果実に毛があるか、それとも無いかで分けるのだそうです。
画像の果実には白毛が見えますので、クロビイタヤです。


こちらの果実はツルツル、この場合、シバタカエデとなるのだそうです。
果実を高い位置につける株の見分けは、果実が落ちる秋まで待つのだとか。
この見分け方の難点は、どの樹から落ちたのか分からないことが多いとか。
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コエンドロ似の花・?

2019年07月20日 | 山野草

空き地や農道でみかけた白い花、家庭などの庭でも時おり見かけます。
花の感じから、セリ科のコエンドロに見当をつけて調べてみました。
コエンドロはハーブでお馴染みのコリアンダー(またはパクチー)です。


花弁の2枚が特別に大きくなる様子がコエンドロによく似ています。


茎の上側の葉もコエンドロ似で、細くて線形です。


ところが、下側の葉も細くて線形、ちょっとコエンドロとは様子が違うのです。
葉を嗅いでみても、コエンドロ特有の匂いがしません。


披針形のりっぱな5個の総苞片と同じく5個の小総苞片がついています。
コエンドロに総苞はなく、小総苞片は線形で2~3個とのこと。


さらに、果実の様子が全く違い、もじゃもじゃと毛が生えています。


果実が熟すと、あの優雅な花からは想像もつかない姿になりました。


熟果は2つに離れ(2分果)、画像の中央は果実の合成面です。


果実の横断面ですが、背面には刺があり、隆状は見当たりません。
油管と思われる褐色点が、合成面と背面にいくつか見えます。


この花に5月に出会って以来調べていたのですが、最近ネットで偶然にヒット。
その名は、オルレイヤ・グランディフローラ、長い名で憶えられるかなあ。


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ハクサンシャクナゲ

2019年07月13日 | 山野草

梅雨空が続き雨合羽だよりの山歩きですが、昨日12日は午後から霧が切れました。
開花の遅れていたハクサンシャクナゲが見頃を迎えてきました。


大きな蕾を枝先に付け、花開く準備をしています。


開花直前の花はピンク色が目立ちます。


開花した花は、白色系の清楚な花を見せてくれます。


花の中心は1本の雌しべを雄しべが取り巻き、その上に緑色の斑があります。
緑斑は『蜜標』と呼ばれるとか、昆虫に蜜のありかを教えているのだそうです。


蜜標めがけて花めぐりのマルハナバチ、躰に花粉を付けシベを足場に吸蜜です。


花はやがて花弁を落とし、雌しべの基の子房が姿を現しました。
見事に受精を成功させた子房はこれから膨らみ、秋までに種子を稔らせます。


白色系統花のハクサンシャクナゲ、ピンク色が入る程度は株によって様々です。
画像の花は、蕾にややピンク色が入るものの、開花するとほほ純白に近い株です。
濃霧の午前中に撮影した株ですので、いっぱいの露をまとっています。


ハクサンシャクナゲにしてはピンク色の濃い株です。
白色系もピンク色系もともに気品漂うシャクナゲはまさに高嶺の花です。


隣にあるアズマシャクナゲは3週間ほど前に濃いピンク色の花を咲き終えました。
両者は花の他、葉の形や葉裏の毛の状態がかなり異なり、見分け易いと思います。
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湯ノ丸高原花便り19.7

2019年07月06日 | 山野草

7月5日(金)、烏帽子岳登山道沿いは花盛り、来山者はニコニコ顔です。
キャンプ場からの登り口にはハクサンシャクナゲが花を開き始めました。
オガラバナは開花盛期、オガラは麻幹(おがら)で麻の皮を剥いた幹のことです。
ツクバネウツギ、5個の萼片に果実をつけると羽子板の「衝羽根」様になります。


登山道の中腹以降はサラサドウダンの見頃、今年の花付きは格別です。


いたるところグンナイフウロの大きな淡紫色の花がいっぱいです。


その花に、大きなマルハナバチの仲間が訪れ長期滞在、シャッターチャンスです。


中腹を賑やかす花々、コケイランに出会えれば超ラッキーです。


山系は梅雨空が続き、稜線に出ても遠方は見通せません。


その分、足元に注目、稜線登山道脇のハクサンチドリが目を引きます。


烏帽子岳(画像左上)から下山途中の子供達をレンゲツツジが見守ります。


山頂近くの厳しい石ごろ道、荒くなった呼吸をタカネニガナが癒してくれます。


巣立ちが近づくホシガラス、一家揃っての飛行訓練風景がみられる山頂付近です。


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