信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

平成31年新春宝貝詣(4

2019年01月26日 | 貝類

サメ肌状のサメダカラ、絞り模様のシボリダカラ、いぼ状のイボダカラです。
3種は一見似ていますが、名前のとおりの特徴があります。


サメダカラは前後端が茶色、背面が粒状、腹全面に歯が刻まれます。


シボリダカラは前後端が茶色、背面が白色の斑点、歯は腹面の途中までです。
左の2つは、背面が粒状になっていますが、サメダカラより粒径が大きめです。
この2つの個体は、歯の長もサメダカラとの中間的で、分類に迷った個体です。


イボダカラは前後端に着色がなく、背面はイボとしわ、腹全面に歯が刻まれます。


チドリダカラの仲間を4種に分けて保存していたのですが、自信はありません。


1は、拾った際、なんとなくチドリダカラ(千鳥宝)として保存しておきました。


2も、なんとなくの域で、テツアキチドリダカラ(哲明千鳥宝)としました。


1と2はどうやら同じで、ともにチドリダカラだと思うようになりました。
チドリダカラは背面に顆粒を有し、テツアキチドリダカラにはないとのこと。
摩耗した個体の見分けは難しいのですが、両者とも顆粒の痕跡がありそうです。
また、チドリダカラの特徴の、殻頂の窪みと褐色斑点や中央の縦溝もあります。


3は、奄美大島と屋久島で拾い、メノウチドリダカラ(瑪瑙千鳥宝)としました。
背面に顆粒はなさそうですが、中央に褐色斑紋があり、違いそうな気がします。


4は、コゲチドリダカラ(焦千鳥宝)、摩耗があまりなく特徴が残っていました。
殻の色は橙褐色で、背面には顆粒と褐色点、腹面の褐色斑紋などが特徴です。
最後はスッキリとした貝殻で締め、今年の宝貝詣でを終わります。
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平成31年新春宝貝詣(3

2019年01月19日 | 貝類

今週は、摩耗された殻がメダカラガイに似た1~5と、ウキダカラです。


メダカラのメは「目」で、背面に目玉状の斑が入ることもあるからだそうです。
目は摩耗が進むと消えますが、前後端の点と、側面裾や腹面の点は残ります。


メダカラガイは、沖縄から関東や北陸の海岸でも拾うことができました。


クロシオダカラと思われる摩耗の進んだ個体を1個だけ拾いました。
摩耗程度が同様のメダカラガイと特徴を比べてみました。


クロダカラは摩耗が進んでも、前後端や側面裾の大きな点が残ります。


種子島で前後端に紫色の点が見える種は、ツマムラサキメダカラが多いそうです。
背面の褐色の帯が途切れ途切れで、摩耗すると背面は紫色になります。
☆印の個体は、前後端に紫色の点はあるものの、背面の帯や色の様子が違います。


背面に途切れ模様のある7個は、側面から腹面にかけても途切れ模様が見えます。
☆印の貝殻は、種子島(左)と屋久島(右)で1個ずつ見つけたものです。


2種を比べ、左をツマムラサキメダカラ、右をツマベニメダカラとしました。


気がかりは、ツマベニメダカラとした左の個体の側面裾にある褐色の点です。
似たハモンドダカラでしたら点はあるのですが、全体の雰囲気が違うようですし?


ウキダカラは浜の目立ち屋、種の見分けに迷うことはなく「スッキリ」です。
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平成31年新春宝貝詣(2

2019年01月12日 | 貝類

浜に打ち上げられた貝殻で、背面の模様や色が似ているものを並べました。
1~3はサバダカラの仲間、4~6は茶色系、7~8は背面に斑点をつけます。


サバダカラの仲間は、背中の模様での見分けが分かりやすそうです。


サバダカラの背面の模様は、仲間の2つに比べ、あまり込み入っていません。


ホンサバダカラは、背面の模様の分かれ方と、前後端の絞り込みが決め手です。


ニセサバダカラは模様が込み入って見え、前端側に白色の窓が明瞭に見えます。


背面が茶色の3種のうち、カバホシダカラは腹面が特徴的で見分けは容易です。


チャイロキヌタとカミスジダカラは似ますが、背面と前後端で見分けられます。


カミスジダカラは、赤褐色の横線が多数入り、この線は摩耗が進んでも見えます。


カバホシダカラの背面は、摩耗により模様が消えて白色になります。
腹面の橙色と黒褐色の斑点が決め手で、摩耗が進んだ個体でも斑点は残ります。


ナシジダカラとアヤメダカラは、背面に多数の白色の斑点が散在します。
見分けは、ナシジダカラでは側面の裾の黒褐色の斑点で、摩耗しても残ります。
アヤメダカラは側面の裾から腹面にかけて紫色で、裾の斑点はありません。
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平成31年新春宝貝詣(1

2019年01月05日 | 貝類

新年を迎えると、収納棚に納めている貝殻を詣で新春を祝います。
特にタカラガイは “宝貝” 大変におめでたく、年初めの士気も高まります。
日本では子安貝ともいわれ、大型のハチジョウダカラは貴重な安産のお守りです。


古代、キイロダカラなどを貨幣(貝貨:ばいか)とした国もあったようです。
漢字の「貝」はお金に関する「財、貨、貯など・・」に使われています。
また沖縄では、キイロダカラの黄色は好運や幸福の縁起物で珍重されているとか。


日本の海域に生息するタカラガイは90種前後とのことです。
その中で、最大とされるのが左上のムラクモダカラ、隣が2番目のホシダカラです。
最も小型はヒナメダカラ、次いで画像の下左端のツマベニメダカラです。


10数年前は種子島におりましたが、島の海岸は打ち上げられた貝殻の宝庫でした。
画像は2時間ほどで拾い上げた貝殻、左の4列が種別に分けたタカラガイです。
貝殻拾いが半日、殻内の砂の洗い出しや撮影が半日、楽しく忙しい休日でした。


タカラガイは巻貝です。
幼貝や殻の割れた成貝を見ると、巻いている様子が分かります。


成長過程で殻の様子が変わり、打ち上げられた殻は摩耗で色が変わります。
拾い始めた頃は、この変化に惑わされ、種の見分けには大変に苦労しました。
その頃にカモンダカラとしたグループですが、右から3番目は別種でした。


タカラガイの図鑑の解説文によく出てくる、貝殻各部の名称です。
見分けの際にはこれらの部分の形、色、模様などを見比べます。
摩耗した貝殻のどこかに面影を見つけ、正体にたどり着いたときは満足いっぱい。


小さなカップに収納してある貝殻の代表1個を、手のひらに乗せてみました。
砂と波に擦れ、輝きを失ってしまった貝殻ですが、私にとっては宝物です。


それらの貝殻を方眼紙に並べてみると、殻の長さは1~2cmほどです。
背面、腹面、側面、前後端のいずれかに僅かな種の特徴を残しています。


海のない県で暮らして10数年、各種の貝殻の特徴も忘れがちです。
「池田等・淤見慶宏(2007) タカラガイ・ブック 東京書籍」などが頼りです。
1カ月ほどの予定で、小型のタカラガイ21種を復習してみようと思います。


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