仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

少女は異世界で戦った

2018年03月12日 | ムービー
『少女は異世界で戦った』(2014年/金子修介監督)を見た。
物語は、「1945年8月に広島と長崎に投下された原子爆弾による大量虐殺を徹底的に自己批判した人類は、原子力を封印し、核兵器は地球上から消滅した。というパラレルワールド。戦士として育てられたアリサ(花井瑠美)、レイ(武田梨奈)、マリ(清野菜名)、ミキ(加弥乃)の4人は、ボス・柳生太一郎(岡田浩暉)の指令により、ワームホールを通って別世界からやってくる謎の侵入者を撃滅するために戦っていた。調査により判明したのは、豪徳寺信司(金子昇)が率いる日本光華党の保養施設にワームホールの出入口があるのではないかということ。新たな捜査を開始した4人は、関東電力の役員に"夢のエネルギー"として原子力発電を持ちかける日本光華党議員達がインベーダーに入れ替わられていることを知り・・・」という内容。
2024年の日本では銃器が完全に消滅し、剣が最強の武器として使用されているらしかった。
銃がなくなっても犯罪はなくならないし、人の心も変わらない。
どのような状況下でも、悪人は悪人だし、犯罪者は犯罪者というわけだ。
面白かったのは、(監督の思いなのか脚本家の思いなのかは分からないが)、「最も知能が高いと言われ世界の尊敬を集めたブッシュ大統領の時代には世界から銃器が完全に消滅した」とのナレーション。
これは超絶にアメリカ批判のコメントだ。
というより、相当馬鹿にしている。
(^。^)
「今の日本で一番ありふれているのは美少女アイドルグループだ」という柳生の台詞にはかなりの棘があるが、この物語に登場する4人は切ない境遇に身を置く女のコ達なので、少し可哀想に思えたのだった。
あまり期待をせずに見始めたのだが、なかなかに良く出来た面白い作品だった。

デスノート

2017年10月12日 | ムービー
『デスノート(2006年/金子修介監督)を見た。
物語は、「大学生の夜神月(やがみらいと/藤原竜也)は、法律書をゴミの山に投げ捨てたある夜、奇妙な黒いノートを拾った。それは"デスノート"といい、そこに名前を書かれた人間は死んでしまうという、死神リューク(中村獅童/声)が人間界に落としたものだった。法律を学びながらも、法の網の限界を思い知らされた月は、合法的に裁くことができない犯罪者の名前を次々に書き込んだ。やがて、その存在は"キラ"として知れ渡り、多くの崇拝者も現れた。日本の警察組織は連続殺人事件として月の父親・夜神総一郎(鹿賀丈史)をリーダーとする捜査本部を設置し、世界的名探偵エル(竜崎/松山ケンイチ)と共に捜査に当たるのだが・・・」という内容。
一連の謎の死亡事件は世界中でほぼ同時に起きたらしく、犯人の居場所などはマッタク分からない状況だったが、エルはあっという間に、キラが日本の関東地方に居住していることを突き止めてしまう。
"キラvsエル"の初戦はエルの圧勝だ。
(^。^)
キラは警察組織の身内にいるとあたりを付けられ、すぐに解決するようにも思える展開にもなったのだが、FBIのレイ・イワマツ捜査官(細川茂樹)も婚約者の元捜査官・南空ナオミ(瀬戸朝香)も、周到な計画により葬り去られる。
計画に巻き込まれた恐田奇一郎(皆川猿時)は極悪な犯罪者なのでさほど同情を誘う存在ではないと思うのだが、月を信じて疑うことがなかった秋野詩織(香椎由宇)は可哀想だった。
そもそも犯罪者ではない人間をデスノートを使って殺してしまうだなんて、月の当初の発想・趣旨(!?)とは意味合いが違ってしまっている。
人間というものは、強大な力を得てしまうと、やはり当初の思想から変質・逸脱してしまうものなのだろうか。
この作品には後編ともいうべき『デスノート the Last name』(2006年/金子修介監督)があり、この作品のみでは完結していないのだが、確かに『DEATH NOTE』(大場つぐみ/原作、小畑健/作画、2003年12月~2006年5月『週刊少年ジャンプ』)は、2時間ほどでは描き切れなかったのだろうと思う。
公開当時、「あなたがいなくなってほしいと思う人の名前をここに書き込んでください」という"ウェブページ・DEATH NOTE"がインターネット上に存在したりと、大きな話題になってもいたが、これはとても興味深い物語だった。

エネミー・オブ・アメリカ

2017年06月14日 | ムービー
『エネミー・オブ・アメリカ(原題Enemy of the State)』(1998年/トニー・スコット監督/アメリカ)を見た。
物語は、「テロ対策との説明ではあるものの、法の執行機関の監視権限を拡大し、市民のプライバシーを大幅に侵害する恐れがある"通信の保安とプライバシー法"が連邦議会で審議されていた。国家安全保障局(NSA)の高官トーマス・ブライアン・レイノルズ(ジョン・ヴォイト)は、法案を可決させるために、反対派の下院議長フィリップ・ハマースリー(ジェイソン・ロバーズ)を暗殺する。ところが、殺害の一部始終は無人カメラで録画されていた。突然の大事件に遭遇してしまった動物研究学者ダニエル・ザビッツ(ジェイソン・リー)は映像のコピーを知り合いのジャーナリストに渡そうと逃走するが、偶然に出くわした大学時代の同級生、弁護士ロバート・クレイトン・ディーン(ウィル・スミス)の持っていた紙袋に・・・」という内容。
事件を公けにされては困る連中から必死に逃げるザビッツだが、偵察衛星やヘリコプターによって瞬時に位置を把握され、次第に追い詰められていく。
その挙句に交通事故で死んでしまうだなんて、何ひとつとして悪いことをしていないのに残念な最期だ。
そして、その後はディーンがレイノルズ率いるNSAのチームに追われることになるのだが、何ら思い当たるフシがないのに、盗聴され、仕事を失い、理由もなくクレジットカードを不使用にされ、鞄を奪われ、名誉を棄損される。
何といっても彼が一番の被害者だろう。
しかし、彼が大事件に巻き込まれた一般市民と違ってラッキーだったのは、仕事でつながりのあるエドワード・ライル(ブリル/ジーン・ハックマン)という情報屋の協力を得ることができたことだ。
彼の存在なしに、その後の展開は考えられない。
日本映画『デスノート』(2006年/金子修介監督)では、理想の実現を邪魔しようとする警察官、FBI捜査員、探偵を次々に殺害していこうとする主人公の姿が描かれていたが、強大な力を保有している者というのは、自身がテロリストに成り下がっていることなどには一切気づくことができず、物事の善悪の区別もつかなくなってしまうものなのだろうか。
さて、現実のアメリカ社会では、2001年9月の同時多発テロ事件の後、"Patriot Act"というテロを未然に防ぐために必要だとされる法律が制定されたそうなのだが、日本ではどうなっていくのだろう。

仁左衛門賞 / 2012年

2012年12月19日 | 映画サークル
ましけ映画サークルの12月例会&忘年会も終了し、いろいろあった平成24年もあっという間に過ぎ去ってしまいそうな勢いであるが、今年のましけ映画サークルの例会で取り上げたのは、
【1月/守○企画】『バトル・オブ・シリコンバレー(原題Pirates of Silicon Valley)』(1999年/マ-ティン・バ-ク監督/アメリカ)
【2月/仁左衛門企画】『ちゃんと伝える』(2009年/園子温監督)
【3月/忠○企画】『名探偵登場(原題MURDER BY DEATH)』(1976年/ロバート・ムーア監督/アメリカ)
【4月/仁左衛門企画】『花のあと』(2010年/中西健二監督/東映)
【5月/長○見企画】『アイアンマン2(原題Iron Man 2)』(2010年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)
【6月/小○企画】『サマーウォーズ』(2009年/細田守監督)
【7月/守○企画】『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』(2008年/ポール・ハギス監督/アメリカ)
【8月/忠○企画】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)
【9月/守○企画】『グレート・ディベーター/栄光の教室(原題The Great Debaters)』(2007年/デンゼル·ワシントン監督)
【10月/小○企画】『ハート・ロッカー(原題The Hurt Locker)』(2009年/キャスリン・ビグロー監督)
【11月/仁左衛門企画】『神の左手悪魔の右手』(2006年/金子修介監督)
【12月/忠○企画】『フライング・コップ2(原題POLICE SQUAD!)』
といった作品だったが、記録を取り始めた平成17(2005)年以来、例会が中止にならなかったのはナント今年が初めてのことだったようで、何だかんだと忙しい人が多い割りには、結構日程調整をしながらみんなで映画を楽しんでいたんだなぁと嬉しくなる。
(^_^)
それでは、今年の12本の映画の中から恒例の"仁左衛門賞"を選定してみよう。
上記12作品の内まず候補作としてあげられるのは、『花のあと』『サマーウォーズ』『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』、『リミット(原題Buried)』の4作品だろうか。
そして、その候補作の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2012年】に選ばれたのは【8月/忠○企画】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)
おめでとう!!ロドリゴ・コルテス監督!!今年はあなたに"灰色のモアイ像"を進呈しよう。
これからもハリウッドでは作れない作品を世界に提供していただきたい。
さて、マヤの長期暦ではあと数日で人類の歴史が終わってしまうらしいのだが、そんなことは無しにして、来年もいろいろなお勧め映画を皆で一緒に楽しみたいものである。
(^_^)

神の左手悪魔の右手

2012年11月14日 | 映画サークル
昨日のましけ映画サークル11月例会は急遽仁左衛門企画となり、『神の左手悪魔の右手』(2006年/金子修介監督)を取り上げた。
物語は、「ソウ(小林翼)は人間の悪意を夢で予知する不思議な力を持っている少年。ある夜、一緒の部屋で寝ていた姉イズミ(渋谷飛鳥)が見ている前で謎の大出血をして入院する。しかし、自分はもうすぐ死ぬと打ち明けられていたイズミはソウを助けるために・・・」という内容。
これは楳図かずおが『ビッグコミック・スピリッツ』に連載していた同名のまんがが原作になっている。
仁左衛門はこの雑誌を毎号読んでいたはずなのだが、「壊れた機械が出てこないなぁ・・・」などと『わたしは真悟』と少し勘違いしていたくらいに全然覚えていなかった。
(^_^;)
残酷な場面が多く出てくるのではあるが、古い洋館を設定している割には部屋の中がとても新しくて綺麗だったり、血の色がいかにも赤ワインの色だったりと、少し作品としての完成度を下げてしまっているような気がして残念だった。
しかし、物語そのものは演出ほどにガッカリする内容ではなかったので、そこは良かった。
さて、来月の例会は忠○企画&忘年会。
もう忘年会の時期になるのか。