仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

カジノ

2017年06月12日 | ムービー
『カジノ(原題Casino)』(1995年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ国内で唯一、ギャンブルが合法な街だったラスベガスの1970年代前半は、ギャングに支配されていた。"エース"と呼ばれるサム・ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)はプロのギャンブラー。シカゴでノミ屋をしていたが、カンザスシティのギャングのボス達に請われて、ラスベガスで1番のカジノである"タンジール"を任されることになった。エースにとってギャンブルは仕事。ツキは一切信じず、情報を収集して理論的に賭けを行う。彼の助言に従えば確実に儲かることを知ったギャングのボス達の信用は厚く、彼の運営手腕によってカジノの収益は倍増する勢いだったのだが・・・」という内容。
これは、『カジノ』(ニコラス・ピレッジ著)という同名小説が原作であり、事実に基づいて構成された物語だという。
それだけに、サムの「この商売の秘訣は客に賭けを続けさせること。賭ければ賭けるほど、客は損して店は儲かる」と言い切る。
ケイマン諸島のカジノを一軒破産させたという日本人ギャンブラーK・K・イチカワ(松久信幸)は、無料の部屋と無料の自家用ジェット機をあてがわれる上客のようだったが、帰路、計器の故障だと嘘をつかれてラスベガスに引き戻されて、ホテルに連泊。
結局、儲けを全部スッて100万ドルを吐き出した。
この日本人にもしっかりモデルがいるのだそうだが、胴元が損をしないようにできているとはいえ、"勝たせない"という姿勢が徹底している。
(^_^;)
大出世のエースだったものの、ケチのつき始めは、幼馴染みの悪党ニコラス・サントロ(ニッキー/ジョー・ペシ)がラスベガスにやって来たことと、"カジノの女王"だというジンジャー・マッケンナ(シャロン・ストーン)に結婚を申し込んでしまったこと。
自分を愛してもいない金の亡者との結婚というのは、どう考えても勝てない"賭け"だ。
現在のラスベガスからはギャングが排除されている(?)のだろうが、どんな業界でも、黎明期にはまず怪しい奴等が利権を握ってしまうものなのだろう。
これは、なかなかに興味深い作品だった。

ラブ・ランチ 欲望のナイトクラブ

2017年02月24日 | ムービー
『ラブ・ランチ 欲望のナイトクラブ(原題LOVE RANCH)』(2010年/テイラー・ハックフォード監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1976年。アメリカ合衆国ネバダ州で初の合法売春クラブ、"ラブ・ランチ"は、新年を迎えるパーティーをしていた。ここの経営者はチャーリー・ボンテンポ(ジョー・ペシ)とグレース・ボンテンポ(ヘレン・ミレン)の夫婦。これまでは非合法クラブを経営しながら各地を転々としていたが、今はイレーネ(ジーナ・ガーション)、マロリー(タリン・マニング)など、25人の女性を抱えて一か所に落ち着いている。チャーリーは女性と遊び呆けて、クラブは実質的にグレース1人による経営だったが、ある日、彼女は主治医から癌による余命宣告をされてしまう。そして同じ日、チャーリーは事業拡大を目指し、かつてモハメド・アリをダウンさせたこともあるというヘビー級世界ランク5位のアルゼンチン人ボクサー、アルマンド・ブルーサ(セルヒオ・ペリス=メンチェータ)のスポンサーとなり、マネージントをすると言い出す。病気のことをなかなかチャーリーに言い出せないでいたグレースは・・・」という内容。
これは実話を元にした作品とのことだが、売春とその斡旋を合法化しているのは(先進国といわれる国では)、ドイツとオランダくらいだと思っていたので、アメリカにも合法的な売春事例があるとは知らなかった。
「合法になって面倒になった。昔は金を隠せた」というグレースの台詞があったが、売春とその斡旋を合法化するのは、脱税を防ぎ、地下マネーの流れを壊滅させるには有効な手段なのかもしれない。
ラスベガスへ行ってちやほやされたいというのが、ブルーサのスポンサーになったチャーリーの目的らしかったのだが、実際にマネージメントに携わるのはやはりグレースだった。
当然ながらまったくの素人で、ブルーサからトレーニングに立ち会って「グッド!!」、「その調子!!」、「怠けるな!!」などと声を掛けるのが仕事だと言われるのだが、元々のマネージャーであるプラドはそれだけでギャラの30%を持っていくというのには笑った。
(^。^)
はじめのうちは杖をついて歩いていたグレースが、ヒールの高い靴を履いて歩くようになるなど、ボクシングのマネージメントをすることは、チャーリーよりもグレースのほうに良い経過をもたらしたようだ。
予想外の展開になったりもして、なかなか面白い作品だった。

グッドフェローズ

2010年11月03日 | ムービー
『グッドフェローズ(原題Goodfellas)』(1990年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「子供の頃からマフィアの世界に憧れ、ブルックリンのボスであるシセロ(ポール・ソルビノ)の組織で使い走りを始めたヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は、やがて本物のマフィアとして犯罪に手を染めるようになる。カレン(ロレイン・ブラッコ)との結婚後も、仲間のジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)、トミー・デビート(ジョー・ペシ)と共に強奪を繰り返し、1978年、遂にケネディ空港で犯罪史上空前の600万ドル強奪事件を成功させるが、当然、威信をかけたFBIの捜査が始まって・・・」という内容。
これと同じくアメリカのマフィアを取り上げた映画『ゴッドファーザー』(1972年/フランシス・フォード・コッポラ監督/アメリカ)が幹部達の世界を描いた物語だったのに対して、これは下っ端達の物語。
幹部になる絶対条件の一つは「イタリア人であること」らしく、下っ端はいつまで経っても下っ端のようだ。
原作は実話を元にしているとのことなので、おそらくそれも本当の話なのだろう。
何としても立場は変えようがないので、自分達で悪事を企画してボスの了解を得た後、仲間を集めて実行し、上前は撥ねられるが身の安全は図れるという構図になっているのか。
しかし、仲間内での裏切りが激しいことから、どうやっても安全ではない。
まったく凄い世界だ。