昨日はNHK総合テレビでは朝から天皇と皇后の特集である。『天皇、運命の物語』と題されて平成の時代を振り返っていた。敗戦国の皇太子としての世界デビューから始まった平成天皇の歩みを振り返るものであった。
〝象徴としての果てない道“と言う表現で話されたこの天皇の歩みは象徴の意味を問う長い旅路を想わざるを得なかった。陛下の人生85年の歩みである。彼の旅路の中では沖縄を始めとする戦没者慰霊の旅路が僕には一番心に残っている。戦争とその後始末という大きな使命を背中に背負って今日まで生きてこられたことに対して心からの畏敬の念を覚える。更にまた阪神大震災はじめ東北の大震災や津波、そして両膝をついて被災者と話し、皆の健康を気遣かわれた旅が重なって、この天皇の運命的な位置づけを考えざるをえなかった。
元号というものがあるためにひとつの時代の区切りという意味でノスタルジックな面と、これからの未来に対する期待感を同時に味わうことが出来る。(日頃は僕の場合、西暦で一年を考えて生きているようにおもうのだが)。
テレビ放送の番組にあまりにも頻繁に使われる「平成最後の…」という言葉の軽々しい使い方に時として不愉快に感ずることがあるし、また「平成最後のたこ焼き」などと書かれた看板などには呆れてしまう。平成最後の“巨人阪神戦”などと盛んに連呼するプロ野球のアナウンサーにはうんざりである。(阪神が完膚なきまでに打ちのめされたからよけいにうんざりである,,,笑)
さて今日は本当に平成最後の日である。テレビを見ながら平成を振り返ると、自分の人生の歩みと重ね合わせて実にいろんなことがつい昨日のことのように思い出される。明仁天皇の最後のお言葉は世界や日本の国民に対して「安めいと幸せを祈る」というものであった。「天皇の象徴」の意味を問い続けた彼の人生が表現されているような気がしてならない。
“時代が変わり、我々も共に変わらねばならない Times change and we must change with them.)”それでも歳月は速やかに流れつづけていくのである。