「時間がないんですよ」“I wish I had time for that.”と人が言うのを何度も耳にした。
先日、友人とレストランで食事中、盛んにこの話で盛り上がっている7,8人の女性グループが衝立(ついたて)の向こう隣の席にいた。騒々しいなぁ、時間などはいくらでも作ることが出来るのに、と偉そうなことを考えている自分も、何度この悩みを人に訴えたことだろうか。自分では分かっているつもりでも、仕事に追われていた頃は「時間は自分で生み出すものである」ということを自分に自覚させるのに随分と‘時間’がかかったものだ。僕が試みたことは数日間、早起きをすることである。何をする時間が欲しいかにもよるのだが、朝早く起きることで悩みを解消したことは多い。結局は、“If you want time you must make it.”(時間が欲しいのなら時間を作れ)ということだ。
子供の頃は忙し過ぎて時間がないなどとはあまり思はなかった。そう、僕が中学生だった頃のことを思い出す。学校中心の規則正しい生活の中で、NHKのラジオ講座を利用して英会話を勉強することが習慣になっていた。朝早く起きて眠い目をこすりながらラジオを聞いたものである。ラジオ講座は何故15分間なのか。効率よく集中できるのは15分であるというだけでなく、15分という時間はどんな人間でも作り出せるのである。1日の内で忙し過ぎて15分を作れない人など存在しないと信じている。早朝の15分、昼間の電車の中の15分、そして寝る前の15分を見つけ出して工夫をすることで1日に45分が生み出せるのだ。
忙しくて時間がないと人が言う時は、結局自分の甘えを全面にだして、ゆっくりのんびりテレビでも見て時間を無駄にすることを望んでいることが多いのだと思う。無駄な時間は決して無駄ではないことも真実である。でも我々は忙しくて時間がないということをなにかの弁解に使うことが多すぎるのではないかと思うことがある。