毎度!ねずみだ。
基本的にあまりテレビは見ない。(というより過行く日々に忙殺されているので見られないのだ。)数少ないお気に入りのプログラムの一つにNHKの「ドキュメント72h」というのがある。
毎回ある場所やものにスポットをあてて、そこにやってくる人達の一瞬を切り取って画面に収める、というもの。何かとてつもない事件が起きるわけでもなく、ものすごい美人が現れるわけでもない。出て来ては去ってゆく人たちはあくまでも庶民である。72時間という限られた時間の中で通り過ぎるいくつものささやかな出来事を淡々と映し出す。
それでも市井の人達が垣間見せる人生の一部は、しみじみと心を打つ。
登場する人達が、みな光と影を背負って生きているのがわかる。当然私たちも同じように光と影を背負って生きて、または生かされているので彼らに共感するのである。そしておそらく一生会うことのない人たちのささやかな楽しみや科せられた苦しみを思い、自分の人生と比べてみる。マスメディアが作り出した華やかな世界からもっとも遠い場所にある人生。
見知らぬ彼ら彼女らの、意外なほど自分たちの人生に重なる部分があるのに気づき、感情移入する。ドキュメント映像であり、演出が無いのに見終わってしんみりする。
さすがにNHKだけあって丁寧な作品作りになっており、ついつい毎回見てしまうのだ。
普段奥さんが見るテレビ番組をなんとなく付き合いで見ている私だが、一人で見ていたらいつの間にか彼女が率先して見るようになってしまった。
というわけでみんなでワイワイ見る番組ではないが、おすすめなのである。NHKよ、こういう番組をたくさん作ってほしい。
じゃ、また次回。