鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<741> 近所の爺さんから煎餅をもらったので

2019-12-01 19:17:30 | 日記

 毎度! ねずみだ。

 東京某所でひっそりと慎ましく暮らしている私だが、地域には地域のローカルルールがあり、その一つがゴミ出し日の設定。毎週土曜日はダンボールやリサイクル用のゴミ出しの日であるが、同時に古新聞を新宿区の古紙収集車が引き取りに来る日でもある。

 かなり以前に書いたかもしれない話。古紙収集車に新聞を持って行かせようとしたところ、「それ、貰っても良いかね。」と声をかける者が。見ると近所のボロアパートに住んでいる爺さんである。自主的に近くの公園の掃除をしており、何度か会話したことのある爺さんである。「ネコの餌代にするんだよ。」と彼はつづけた。
 胡散臭い話ではあるが、確かに公園には野良猫が住み着いており、キャットフードを食べる姿を目撃したことが。過剰にエサをやりすぎると増えて困るのであるが、「ネコにエサをやると増えて困る!」と騒ぐつもりもないし、このあたりのネコはゴミ袋をあさるような真似はしないらしいので「まあ適度な数のノラネコならいいんじゃない?」と中途半端なノラネコ養護派である。
  中途半端なノラネコ擁護派の私なので、ネコにやるエサ代になれば、と毎週の新聞をその爺さんに渡すようになった。年の頃なら80歳くらいか。それからかなりの新聞紙が彼の手を経てノラネコに供されることに。

 さて件の爺さんの話。先日、彼に古新聞の束を渡したところ、「いつも悪いねえ、貰い物のせんべいがあるから持っていきなさい。」と食べかけのせんべい袋を渡された。その辺のスーパーで売っているせんべいである。しかも開封済み。「賞味期限前だから大丈夫。ウチじゃ食べきれないんだよ。」と言われても。「いえ、困ります。」とも言えず受け取ってしまったが、ただでさえ減塩生活を送っている私なので、奥さんから怒られる事必至。そうかと言って捨てるのも忍びなく、こっそり通勤カバンに忍ばせて会社で食べることにする。

 以前、マイケル君の引っ越しを手伝った際に、アパートの隣に住む婆さんから開封済みの食パンを渡された事があったのを思い出した。とかく年寄りは他人にモノをあげたがるのであろうか。
 これもご近所付き合いの中では避けられないことであろう。そんな事を考えていたら、玄関のチャイムがピンポーンと鳴った。今度は2件となりの奥さんから庭の柿の木でとれた大きな柿をいただく。これは毎年楽しみにしており、非常にウェルカムである。

 じゃ。