鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<735> この世の中はささやかな悪意に満ちているので

2019-05-28 18:52:41 | 日記
 毎度! ねずみだ。
 
 賢明なる全国1億弱の鼠丼定期購読者の皆様におかれてはすでにご存じのことだと思うが、この世の中は少しばかりの優しさと多くの無関心、そして残念ながらさらに多くの「ささやかな悪意」で満ちている。

 マイノリティを作り出すことにかけて天才的なわれらが日本人は、誰かをいじめないではいられないらしい。全くもって残念だ。

 中途で我が社に入ってきた娘がいた。女性ばかりで構成されている部署に配属になったのが運の尽き、つまらない事がきっかけでいじめの対象になってしまったらしい。「ささやかな悪意」がもたらす陰湿ないじめは他から見ても気づかないスピードで彼女を蝕み、結果的に彼女は会社に出てこられなくなり、ついには会社を辞めてしまった。

 彼女の入社時に研修を受け持った関係で何度も相談を受けていたが、結果的に助けることは出来なかった。自分自身が忙しさに忙殺されている毎日の中で彼女が会社に出てきていない事に気づいたが時すでに遅し。彼女を排除した周囲の何人かの女性の一人に聞いたところ「なんか、いやな事でもあったのかしら。まあ職場になじめなかったみたい。」などと涼しい顔で答える。

 本人たちは本当にそう思っているのだ。いじめをいじめと感じないでいる。「そんな事で会社を辞めるなんてむしろおかしいでしょ?社会人として常識が欠落している彼女に非があるのであって、私たちには責任は無い。」吐き気がするほど恐ろしい理論だが、彼女たちが自分を納得させるには十分であるらしい。

 残念ながら辞めてしまった娘に連絡を取ることができないので、いま彼女がどうしているか知る由もないのだが、こんなつまらない事で自分の人生に躓かないことを願うばかりである。
 長い人生の中で「もうお終いだ。」と思うことは何度もあるだろうが、本当にお終いになることはほとんど無いので、彼女にも立ち直ってほしい。

 じゃ、また次回。