鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<739>奥さんが苔玉を作りたいと言い出したので

2019-10-25 19:18:45 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 さて、前回「奥さんがハーバリウムを作りたいと言い出したので ~帝国の逆襲~」を書いたが、今度は苔玉が作りたいと言い出した。苔玉なんぞ食べたこともないのだが、あまり美味そうではないなどと思っていたら、なんでも小さな木の苗を苔でぐるぐる巻きにしたものだそうだ。
 ネットで見てみるとなるほど、これなら見た事があるぞい。死んだ爺さんが作って梅の木につるしていたぞ。なるほど苔を玉状に丸めてあるから苔玉か。

 新宿で体験教室があるという事なので内容を確認してみると、苔玉の他にもテラリウム体験教室というものが。ガラス容器の中に苔やら砂やらを詰め込んで自然の景観の一部を切り取ったような造形。
 おおおこれは何だ面白そうじゃないかおい奥さん苔玉なんぞやめて私はテラリウムを作るぞ例え君が苔玉を作ると言い張っても夫はテラリウムを作るぞなんと言われてもテラリウムだ、と駄々をこねたら奥さんもじゃあ私もテラリウム作る、と言い出した。

 なんだポリシーの無い奴めと責めてもしょうがないので、では二人仲良くテラリウムを作ろうそうしようという事になった。
 で、新宿に出かけて早速テラリウム教室に。雑居ビルの一室に入ると壁一面に苔玉やらテラリウムやら並んでいる。

 子供の頃、完成すると「峠の茶屋」「夜鳴き蕎麦屋」などのミニチュアがジオラマに配される、といったプラモデルのシリーズを欲しくてたまらない時期があった。小遣いを月に300円くらいしか貰えなかった当時なのでとても手を出せるものではなかった。
 ガラス製の容器の中に土や砂、苔を配した小さな世界を完結させるという行為は「箱庭」「ジオラマ」のそれに通じるものがあり、日本人の趣向に合っているような気がする。金魚鉢を縁側において愛でていたのと同じだ。それはアクアリウムというジャンルらしくさらに面白そうである。

 さて、先生の指導の下土を敷き苔を敷く。白い飾り砂を配して枯れ山水の出来上がり。集中して作業を行ったせいかあっと言う間に時間が経ってしまった。初めて作った割には中々の出来栄えである。見ると苦労していた奥さんの作品もこれはこれで中々宜しい。
 
 二人でガラス容器をぶら下げて帰りながら、「家の道路に大量の苔があるのだがあれを採取してテラリウムを作っても良いかと聞いてみた。奥さんも結構楽しんでいたので良いよと言うかと思ったらあに測らんや「汚いからだめ」と即答された。

 ええい、そんな事を言われても君がぐーすか寝ているあいだにこっそり早起きしてテラリウムを作ってやるのだ。

 じゃ。