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大田区委員会視察で京都市にきています 寄付(ふるさと納税)という名の企業減税策を使った文化芸術支援

2023年08月08日 | ふるさと納税・寄付

大田区議会の委員会視察で京都にきています。

昨日は、京都市の文化伝統芸術などを守るため、「ふるさと納税」のしくみを使った寄付による事業などについて学びました。



ふるさと納税は、自治体を応援できるうえ、返礼品までもらえるという、「お得」なしくみですが、住んでいる自治体から、寄付先に住民税が行ってしまい、その分自治体の住民税が減ってしまいます。


特に、「ふるさとでない自治体(多くは都市部)」で、税の流出が大きな問題になっていますね。

 



私自身は、ふるさと納税して減っても(例えば令和4年度見込みは42億円減収。令和3年度決算で32億円減収。)、自治体で何の問題もなく運営で来ているなら、その分、住民税、減税すればいいのに、「多めに税金集めてるな(怒)」と思ったりもします。

学んだふるさと納税の仕組みを使った文化芸術支援について、ご紹介します。 

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京都市では、コロナで、公演などが開催できなくなったことで、京都市の文化芸術活動を支えるための緊急奨励金給付事業を実施ししましたが、その際に、給付した1,000件に芸術家等の活動状況についてアンケート調査を行いました。

そこで、支援を求める声にこたえ、同時に、歳出を抑制し、歳入増をかなえるため、寄付のしくみを活用して芸術家を支援する「Arts Aid KYOTO」制度を令和3年10月に創設しました。

「Arts Aid KYOTO」は、ふるさと納税のため、「税の控除」や「返礼品」があり、ほとんどが、それらの優遇策のある市外からの寄付になっています。

また、企業版ふるさと納税は、令和2年の改正で税の軽減効果が9割となり、寄付額の3割が損金算入できるうえ、

法人住民税・法人税で4割、法人事業税で2割など、名前は寄付ですが、大きな税の軽減策となっています。

支援品は、公演招待や飲料提供など。
寄付数の8割が個人ですが、寄付額の99%は企業からの寄付で、芸術支援と同時に税の軽減があるしくみに魅力を感じ、寄付した企業が多いことがわかります。


支援には、一般的な文化芸術事業への支援(寄付)を公募し、支援を受ける事業を公募し、市の審査により補助金を交付する通常支援型と、

支援を受けたい事業を公募し、芸術関係者自らが個人や企業に対し支援、協力を依頼するクラウドファンディング型の2種類があります。

市は、申請された事業のほとんどを基本、支援予定事業として認定しているそうです。

寄付を受ける芸術家等が、市からの認定という公的信頼を得、税の軽減もうったえ、企業や個人からの寄付を呼びかけ募る仕組みで、

文化芸術のまち京都市には効果的な施策だと感じました。

一方で、寄付者頼みの施策は安定性に欠け、寄付者に依存することになるという課題もあります。

企業にとっては、税の軽減策が得られるうえ、企業宣伝にもなりますから、良い作品や芸術家に対し、大田区はじめ都市部から、支援のための税が流出するのが心配です。

そもそも、ふるさと納税は、減税や返礼品を売りにして、地方間で税源を移転させるしくみですが、結果、税収を獲得しようとする自治体が、返礼品をアピールして寄付を募ることになりますから、不毛な自治体間競争をあおることにもなり、問題だと思います。

徴税は、本来、必要に対し徴収するものであるにもかかわらず、ふるさと納税で、税が本来の税収より増えたり、減ったりすることになります。

そもそもの、税や税率などの算定の適正性や、結果、減税となる企業への優遇にも疑問があり、国の作った仕組みですが、制度の在り方を見直すべきだと思いました。


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