午前中は、10月26日(日)の定演に向けての準備打ち合わせを中心に幹部会が開かれました。8月末にはチラシができるようです。PR活動としてのチラシ挟みにご協力いただける方は、マネージャーさんに声をかけていただけると助かります。
そして、午後は通常練習。今回の練習開始時、諸般の事情が重なり、12人居る1stは、なんとたった3人、1時間後には4人になりましたが、前代未聞でしたね。指揮者様も啞然!? 偶然が重なると、こういうこともあるんですね。やむを得ません。コンミス代行のTさん、ソロ部も見事にこなし流石でした。頼りになる代行さんでした。
今回の練習曲は、すべて定演曲であることが確認されましたので、楽譜も整理して、集中して練習しましょう!
◆練習開始は、トーチャンさんから。
「アゾレス諸島より」は、「まだ音符を追っている感じだなぁ・・」と一言。「前へ突っ込みがち」「16分音符の並びは間隔をきちっとあけて」「音は響かせる」「歌うところはテンポをしっかり取ること」「テンポをつかむためメトロノームできちっと練習を」等々のご指摘。テンポは ♩=104 とのこと、メトロノームでしっかり個人練習して、早くテンポ慣れしましょう。
続いては間奏曲2曲、次回練習時には、どちらかを定演曲に決定するとのことで、今回は皆さんに知っていただくために、あらためて一通り弾きました。いずれを定演で演奏するか、いろいろな判断視点があるかと思いますが、各自決めておいてください。きっと挙手かアンケートがあると思います。
最後は「マドリード」。今回はまたまた最終章の「帰還」の楽譜が交換されました。トーチャンさんの今回の「マドリード」に懸ける本気度がうかがえます。新しい「帰還」は、ボッケリーニの「弦楽五重奏曲ハ長調Op.30-6 マドリードの夜警隊の行進」の初版の最終章の「帰還」(変奏なし)を元に、マンドリオケ用に移植されたものです。これまでは中野二郎編曲分でしたが、どうもしっくりこないなぁと悩まれた結果、原曲帰りとなったようです。これで、完全に「弦楽五重奏曲ハ長調Op.30-6 マドリードの夜警隊の行進」のマンドリンオケ版となり、本邦初演かもしれません。皆様、演奏会やその後のYoutube公開映像を楽しみにしていてください。
トーチャンさんご指摘の大切なことは、パッサカリヤの外野の音量。せっかくドラがメロディーを弾いているのに、1stはじめ外野がつぶしてしまっている点。原曲の弦楽五重奏の演奏を聴くと、ヴィオロンチェロのメロディーがしっかり出ています。このメロディーはドラが受け持っていますが、もっと表に出るように、外野チームは最大の配慮が必要です。ドラのメロディーが活きるように、バランスをとりましょう。
◆次はTG様で「古城の物語」から。不明瞭音量の確認、スラーの区切り、後半のstentateの後は、始めからインテンポで速く弾く、フェルマータ付き休みの次の入りなど、詳細に確認されました。
続いて「グラウコの悲しみ」。この曲は、作曲者マッツォーラと直接面会され岡村光玉さんの指揮で一度弾いたことがありますが、何度も出てくるスラーのかかった2つの音は、すすり泣いているところで、た~り、た~り、た~りと、込み上げるようにcresc.しながら弾いて欲しいと力説されていたことを思い出します。グラウコは、ギリシャ神話の海神のグラウコスで、好きだった相手が魔女に醜い怪物にされてしまい、それを悲しんだグラウコスの気持ちを曲にしたようです。しかし、岡村さんはマッツォーラ自身の苦しみや悲しみを投影した曲ではないかなと仰っておられ、岡村さんにとっては思い入れの強い曲です。私も弾きながら、つい感情移入してしまい、目頭が熱くなります。
今回の練習では、テンポの変化するところを重点的に練習しました。変化するところをしっかり覚え、その箇所は指揮をしっかり見ましょう。
最後は、スペイン舞曲「ハレオ・デ・ヘレス」を一通り通しました。知っているようで知らなかったこの曲名、ヘレスとはスペインの町の名で、ハレオはアンダルシア地方のお祭りのこととのこと、つまりタイトルを邦訳すれば「ヘレスの祭り」ですが、邦題を「ヘレスの祭り」としない理由がわかりました。アマデイの楽譜の発行(1938年)の前に、1911年(明治44)には「西班牙人の西班牙」という本に、既に舞踏の一つとして「ハレオ・デ・ヘレス」が紹介されており、スペインでは「ハレオ・デ・ヘレス」という舞曲名だったんですね。「ハレオ」とも言うようです。今さらですが、認識を新たにしました(笑)。
そうそう、TG様は、次回定演の第3部とのことで、アンコールのご担当。曲はここではナイショですが、過日、トーチャンさんの時に練習した奈良高OBのOさんの好きな作曲家のあの曲になりそうですよ。
◆練習のトリはKiri様で、緊張感の漂う「PALLADIO」の練習です。毎度のことですが、出だしの音、バラバラとのご指摘。曲中であればタイミング取りやすいようですが、出だしとなると緊張感もあって、乱れがちのようです。頭にメトロノームを置いて、自信を持ってタイミングよく入れるようにしたいものです。
そして、小さい音になるテンポが遅くなり、大きい音になると速くなる、この悪癖、気をつけましょう。今回、第1楽章では、32分音符のダブルノートの練習のため、16分音符をダウンで弾く練習もありましたが、その際、この楽章の16分音符はダウンでいく? との相談に、結局、テンポ速くなると難しいとのことで、16分音符はダウンアップとなりました。遅れがちな方、速く弾けるように練習しましょう。
第3楽章のテンポは、vivace ♩=144 の指示ですが、あっさり「ムリ」との発言に、♩=120は下回らないようにしたいとの温情指揮者様のご意向。あぁ~助かりました。何度も出てくるリピートや10小節も続く同じリズムの同じ音、リピート時はピアノになる場合もあり、間違えそうで、指揮者さまの真剣な姿勢の圧に加え、楽譜からの圧も相当なもの。本番までには慣れてくるとは思いますが、全体の音の流れを早く理解して、圧を克服したいものです。
定演曲はこの曲と、もう一曲「南の港にて」を予定とのことで、次回には楽譜を準備されるようです。多分、スピネルリの歌劇「南の港にて」の間奏曲と思いますが、哀愁漂う美しい曲ですよね。米国からイタリアへ斯界音楽研究のために出かけたアデルスタインが、その著書「Mandolin Memories」に記していますが、ローマでこの歌劇を鑑賞、そして、マンドリン独奏のある間奏曲が、観客に感動を与えたとのこと。マンドリン独奏者はローマの名手マルドゥラ。この記述を読んだ中野先生は、のちに編曲に取り組まれ、イタリアマンドリン百曲選第13集に、アデルスタインの述べた感想と、「オペラにマンドリン独奏パートが挿入されたことは珍しく、又佳曲でもあるので、マンドリンオーケストラのバックに書き換えて記録しておきたいと思っていたものである」と、ご自身のお気持ちを述べられています。確かに名曲ですよね。楽譜の登場を楽しみに待っていたいと思います。
◆さてさて、今回の練習曲は次の通り(●は新登場)
<トーチャンさん>
○Dalle Azzorre Giuseppe Manente/中野二郎
アゾレス諸島より March Sinfonica
○Intermezzo Umberto Giordano/Tsuchiya
歌劇「フェドーラ」第2幕 間奏曲
○INTERMEZZO Ruggero Leonkvallo
Opera “I Pagliacci” 「道化師」より間奏曲
○Aufziehen der militarischen Nachfwache in Madrid Luigi Boccherini
「マドリードの夜警隊の行進」
●「マドリードの夜警隊の行進」の最終章「帰還」初版準拠版
<TG様>
○La Leggenda del Castello I.A.FIGLIOLINI
古城の物語
○Pianto di Glauco,intermezzo Sinfonico Angelo Mazzola
○JALEO DE JEREZ Rid.di A.AMADEI
DANZA POPOLARE SPAGNOLA スペイン舞曲「ハレオ・デ・ヘレス」
<Kiri様>
○PALLADIO KARL JENKINS
Concerto grosso for string orchestra
以上