2014年09月28日に行われた、立山山麓有峰サイクルフェス2014に出走してきた。
去年から始まった有峰林道を使った山岳ロングライド。有峰林道は20年以上前に1回今の小見線と折立線、大多和線に相当する部分を車で走ったことがあるのだが、崖っぷちにへばりつくような狭いダートの道で、とてもロードバイクで走ることなど想像できな異様な状態だったので、「有峰林道を走る」という時点でかなり興味を惹かれたのだが、去年はグランフォンド糸魚川と被って出走できず。今年はあるのかな、と思っていたら、グランフォンド富山のDVDにチラシが同封されてきていて、糸魚川とは日程が違う。何も考えずにエントリーして、後からよく見たらなんと糸魚川の1週前だ。出走可能だが、2週続けて脚を使わされるイベントに出て大丈夫なのか?
去年の実走記録で「補給に固形物が少ない」というのがあったので、前日に宝来屋に行って大福(豆大福と草大福)をいつもより多めに買ってきた。上り下りが繰り返されるコースではなく、基本的に大登りと大下りなので、基本的には前半持てば後半は何とかなると思うが、「腹が減った」と思っただけで脚が止まってしまうので、食べ物は多めに越したことはない。
スタート地点の立山山麓スキー場(極楽坂)には、糸魚川経由で3時間位で着いた。日が昇ってきたら青空部分がどんどん広がってきた。天気予報通り、いい天気になりそうだが、ちと寒い。アームカバーとニーウオーマーをしてスタートを待つ。ウインドブレーカーを持とうか迷うところだが、ウインドブレーカーを持つためには携行補給食を減らさなければならない。陽が出てくれば暖かくなるだろうし、標高が高くなって冷えてきてもニーウオーマーがあれば何とかなるだろう、ということでウインドブレーカーは切り捨て。6時50分から開会式で7時10分頃からスタート。時間差スタートなのだが、ロングコースは120人ほどの参加者なので、後の方でもそれほどの時間差にはならないだろう。私は真ん中辺のスタート順。スタート前にアームカバーとニーウオーマーも外す。
スキー場からしばらく県道を下る。朝の空気が冷たい。県道から有峰林道小口川線に入った途端、急登。登りになると途端に暑くなる。ここから祐延ダムまで20km位ずっとこのような登りらしい。サポートライダーがそこそこいいペースで引くこともあって、あっという間に集団がばらける。最初のうちは平坦区間もいくらかあったが、インナーローに近いギアがいるようになると単走になった途端に気持ちが折れそうな坂なので、何とかサポートライダーについていく。何だかヒルクライムレースみたいになってきた。
入り口に信号があるトンネルが2つ続いた。幅が狭いトンネルで中で行き違い困難だからなのだろう。古いトンネルだけかと思ったのだが、最近整備されたように見えるトンネルにも信号有り。拡幅しなかったのか。 |
こんな道が続く。ここはまだ傾斜が緩い。スタート前はあんなに青空が広がっていたのに、林道に入ったら何故か雲が広がってきて、時々しか陽が射さなくなる。谷間の林道なので雲に遮られては展望も狭くなるし、陽が射さないと空気は冷たい。
10km程登ったところで小休止。ここで水分補給。もう半分登ったと言えばポジティヴだが、まだここまでと同じだけ登らなければならんのか、と思ってしまう。 |
前半と同じような6、7%程度~10%前後の坂が延々と繰り返される道。近くにいる人と話さなければ、何だか修行みたいになってきた。祐延ダムの堤体が見える辺り前後がきつい登り。そこをを何とか耐えると、ダム湖が見えるところにあるエイドポイントに到着。ここまで標高差1100mあまりを一気に登ってきたことになる。所々、紅葉した樹が見られる。 |
ここにはおにぎりがとバナナがあった。このおにぎり2個と持参の大福で、当面は固形物不足にはならないだろう。
祐延ダムから有峰ダムまでは下り。先導が30km/h前後でコントロールしながら下っていく。有峰ダム手前で有峰湖の展望が開けるところがいい景色なのだが、何故かそこだけ道幅が狭いし谷側にはコンクリートブロックしかない。よそ見したらやばい。そこから有峰湖岸を走る。湖岸の道なのだが、ダム湖が見えるのは前半の一部だけで、あとは湖の展望はほとんどない。晴れていれば薬師岳など見えるのだろうが、今日はその辺りに雲がある。時折車やバイクが現れるが、皆結構勢いがいい。ブラインドのコーナーの連続なのに、それでいいのか気になる。大多和峠の分岐には「大型車通行止め」の看板があった。ということは、普通車以下は通れるということか。峠の先のダートは健在だろうか。峠の料金所の番人は、今日も一人でいつ来るともわからない車を待っているのだろうか。
ここの紅葉もまだ部分的だ。雲が広がってきて、日差しがかなり遮られる。面倒なので防寒装備を何もつけずに下ったら、ちょっと寒い。3km位下ったら、「熊がいた」という。登ってくる人の1、2m位前をいきなり横切っていったらしい。とはいえ、どうすることもできないのでそのまま下る。ただ、この辺りからベルの音が一気に増えたのは事実だ。
有峰湖岸まで下ると結構暖かくなった。有峰ダムの堤体を渡って対岸に行く。渡ったら、左上にちょこっと見える道まで一気に登らなければならない。それが、かなり急で、ここまでかなり脚を使わされた身には辛い。
ただ、その急な登りをクリアすると、木々の間から有峰湖とダムを望むことができる。 |
有峰森林文化村がチェックポイント。ここでもおにぎりを補給し、持参の大福も食べて補給は万全。「有峰記念館」というのがある。何の記念だろうと思って後で調べたら、有峰ダムの湖底には、かつてあった有峰という集落が沈んでいるのだそうだ。もうちょっとゆっくり見てくれば良かったな。また行くしかないか。
ここからは、小見線をひたすら下ることになる。危険防止のため、サポートライダーについて集団で下るよう指示がある。10人位の小集団に分かれて下り始める。ここも30km/h程度でコントロールして下る。トンネルやブラインドのコーナーが多く、ヘッドライトもテールライトも点けっぱなしだ。
小見線は、かなり2車線かが進んでいて、左の画像のような感じの道の部分が多く、以前の狭いダートのイメージは一気に覆された。ただ、ところどころ舗装はされているものの狭くて急坂の道は残っているが、そういったところは大体2車線化工事がされていた。崖っぷちに道が見えたのだが(右画像)、それは旧道で、現道はトンネルで一気にショートカットしていた。道の脇に旧道のトンネルポータルが埋まっているのも見えた。 |
小見線沿いの紅葉も、まだ部分的だ。 |
道端にカモシカがいた。
亀谷連絡所を通って有峰林道は終了。このまま下るかと思ったら、いきなり右折。その先には急登。ここまできてまた坂登らされるか。チラシにはなかったがWebの案内には書いてあった白樺林道というのがこれか。この登りは非常にきつい。最後の力を掻き集めてゴールを目指すが、いつ坂が終わるかもわからないし、掻き集めてももう脚が残っておらず、白樺平で一旦傾斜が緩くなったところまでは耐えたが、その先の登りで集団から千切れてしまった。そのあとはマイペースで登り、マイペースで下ってゴールに着いた。
到着は13時15分頃。休憩込み5時間50分あまり、実働4時間55分ほど。
スキー場のレストランでカレーのサービスがあったので大盛を食べる。
このイベント、「サイクルフェス」といってサイクリングイベントのような顔をしておきながら、実は標高差1100mを一気に登るという、ハードなイベントだったのである。獲得標高差の大きい山岳系ロングライドでも長大な登りはほとんどなくアップダウンの繰り返しで獲得標高を稼いでいくパターンが多いが、このイベントは延々20kmの連続した登りがメインで、そこで標高差を大きく稼ぐというダイナミックなコース設定だ。どちらが難易度が高いかは人によって異なるだろうが、このコースだったら、多分乗鞍や八ヶ岳を2時間位で登り切れなければ余裕を持って走れないかな、と思う。
久々の有峰林道はかなり様変わりしていた。とても自転車で走ることなど考えられなかった道をロードバイクで走るなどどうも以前の記憶と結びつかないところもある。とはいえ、今でも一つ間違えば危険な道であることには変わりなく、危険回避にかなり気を遣っていたことも感じられた。それに、結構手づくり感のあるイベントだったし、また機会があれば走りに来てもいいかな、と思う。それにしても、疲れたな。