「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

守秘義務にございますので蝸牛 成田一子 「滝」5月号<瀬音抄>

2011-05-29 19:38:07 | 日記
 おもしろい句。よくこんなフレーズを思いつくものだ。蝸
牛は、栄螺のような厚い蓋をもたない。守秘義務という固い
言葉を「で」ではなく「に」したことによって人を遠ざけな
い語の力を感じる。おっとりといる蝸牛の時間に寄り添って、
梅雨濡れの青葉の匂いの中に佇んでいるのだろう。(H)

2 コメント

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ございますので (今村征一)
2011-05-30 09:28:46
守秘義務、蝸牛楽しい句だ。きつと葉裏で蝸牛は殻に閉じこもって雨の止むのを待っているのかもしれない。「ございますので」表現も面白い。
ね、おもしろいですよね。 (博子)
2011-05-30 19:37:37
 成田一子さんは主宰の御長女さんです。俳句を始めて一年あまりで俳句研究の三十句競作に入選なさり、間もなく、第3回芝不器男俳句新人賞・大石悦子奨励賞を受賞されています。是非ネットで検索して読んでいただきたいと思います。その感性、才能に、私はべた惚れです。キッパリと置かれた具象から立ち上がって来る景は、新鮮で、柔軟で、異色です。

 今村さんも俳人二世なのだそうですね。

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