「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

小春日の匂ふ鎖骨のくぼみかな 酒井恍山

2017-11-04 06:11:48 | 日記
 小春日と鎖骨の組合せから優しそうな女性が見えてくる。そして、「匂ふ」は小春日を間接的に感じていると言う事だろうか。部屋に炬燵やストーブを出され、冬が来ることにこわばっていた作者の胸の中の何かがほぐされていくような感じを受ける。娘さんだろうか、お孫さんだろうか、臥している作者を覗き込むように「どう?」と声を掛けられたのだとしたら、その体勢から鎖骨の窪みが見えた事に納得がいく。急に寒くなって風邪をひかれたのでしょうか、大事を取って寝ているだけの作者に優しい訪問者、ですかね。(博子)