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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の満開の貝母とカスミザクラ、ヤマザクラ。古墳の枝垂れ桜。ニホンカナヘビの交尾の驚愕の顛末(妻女山里山通信)

2023-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 雨後の信州は晴れ上がりましたが、黄砂の真只中にありました。出かけようか迷いましたが、里より山の中のほうがまだいいだろうとでかけました。今日も多くの方が花見に訪れてくれました。鞍骨山(鞍骨城跡)登山の途中で立ち寄ってくれた人も何人か。

 山中は上に若葉が芽吹いた樹木の天井があるためか、黄砂は感じません。湿度が20%しかありません。そのためか貝母の葉先もクルッと丸まっています。雌しべの根元が糸巻き上に膨らみ始めています。実になる部分です。5月中旬すぎには直径2センチほどになり、6月にはさく果なので弾けて飛び散ります。

 貝母から見上げると満開のカスミザクラ。

 微風にかすかに揺れるカスミザクラと貝母。見飽きない癒やされる景色です。

 クサボケ(草木瓜)の向こうに貝母。

 これはヤマザクラかな。下部に大きな黒いかたまりが見えますが、これはてんぐ巣病にかかったのです。かびの一種(タフリナ菌)が原因でサクラ類におこる伝染病です。感染すると枝が異常に発生しやがて樹勢が衰えて枯れる原因になります。

 陣場平入り口のハナヤスリ。大きくなりました。アップにすると胞子嚢がヤスリの様だと分かります。

 ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)もあちこちで満開です。スイカズラ科の落葉低木。全体に毛が目立ちます。6月に実る赤い実は甘く食べられます。

 堂平大塚古墳へ。枝垂れ桜が満開です。枝垂れ桜は、野生種のエドヒガンから生まれた栽培種やベニシダレ、ヤエベニシダレとか、オオヤマザクラ由来の枝垂れ桜もあります。

 これは八重の枝垂れ桜。華やかです。

 タラの芽も例年より10日ほど早く出ています。ハリギリやコシアブラも早いでしょう。

 陣場平から長坂峠への林道。若葉は目に見えるほどの速さで育っていきます。

 リョウブ(令法)の若葉。若葉は山菜で、茹でて塩もみします。昔は飢饉に備えて植えるよう令がでたとか。そこからの命名。

 木の根元でニホンカナヘビが交尾していました(オスがメスに噛み付いて交尾しようとしている場面かもしれません)。メスは激しく体を振っています。噛み付いているほうがオスです。逃げられない様にとか、排卵を即すためとかの説があります。こんなシーンに遭遇するのも奇跡的なのに。

 突然オスが自分の尻尾を切りました。何が起きたのでしょう。メスはオスを振り切って、オスはどこかに行きましたが、メスは少し上に登ってジッとしていました。切った尻尾はまた生えてきます。このオスはメスに拒絶されたのでしょうか。わけが分かりません。いやあ、とんでもない場面を目撃してしまいました。

 妻女山松代招魂社の八重桜も咲きました。昨年は、花びらを積んで桜茶を作りました。

 妻女山展望台からの善光寺平。飯縄山が黄砂で霞んでいます。黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風にのって日本にまでやってくる厄介者です。黄砂粒子には、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれているのですが、飛散の途中で中国の排気ガスなどを付着しているため粘性がありこびりつくのが問題です。スギ花粉の10分の1の大きさのため、体の奥まで入り込み悪さをします。気管支炎、気管支喘息、心筋梗塞との関連があるそうです。

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