徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

予言者

2006-01-16 03:25:42 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
ようやくamazonで注文していた木村元彦の『オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』(集英社インターナショナル)が到着。これはユーゴサッカーとストイコビッチを愛する木村氏の『誇り』『悪者見参』に続く、ユーゴサッカー3部作の完結編だという。この人の取材力から言ったらもっと厚い本(熱いと言い替えてもでもいいけれども)かと思っていたけれども、意外とさっぱりとしたハードカバー。文庫化でまた加筆するのか。まあまた今年もジェフの指揮は取るようだし、それを見届けてから木村氏が総括するのがよろし。彼の功績は誰かがまとめなきゃならないと思うが、現時点で木村氏以外の適役はいないだろう。

もはやジェフユナイテッド市原・千葉という一クラブに止まらず、日本サッカーに多大な影響と示唆を与え続ける偉大なユーゴ人監督イビツァ・オシム。我が清水の健太も意識しているようだし、天皇杯で対戦しオシムから握手を求められた元清水監督、現甲府監督の大木さんもその影響下にある指導者だろう(そのわりに、あのスピーチ下手は如何ともしがたいけれども)。昨シーズンのJリーグが海外リーグと比較しても面白かったのは決してリーグ戦が終盤までもつれた「物語性」だけではなく、リスクを冒しても「観客を楽しませるアグレッシヴなサッカー」を追求するクラブが増えたからでもある。そしてそれはオシムがこの3年間、ジェフで具現化してきた哲学の影響下にあるものだと思う。そんなオシムが初めて日本で獲得したタイトル、ナビスコカップの決勝が見事なまでの消耗戦だったのは皮肉なもんであるけれども。
このエンタテインメントの醍醐味は、決してゴールシーンだけを集めたスポーツニュースでは味わえない。大事なのはライブ。今年はスタジアムに行きましょう。

昨年4月23日のジェフ対エスパルス戦でオシムはこうコメントしている。

「監督ではなくて去年まではやはりブラジル人の問題があったんじゃないでしょうか、このチーム(エスパルス)は。でまあすごく有名な選手とかがいて、周りの期待が大きかったんじゃないでしょうか。清水は今回監督が決めて、若い選手を多用しているということで、そういう意味では優勝するとかそういうことじゃなくて、やはり清水のクラブとしてのプランによって、そういう風に若い選手を使い続けることによって、今シーズンが終った頃には若い選手が一人前の選手になっているんじゃないでしょうか。そういう意味では「清水というのは若い選手がたくさんいるよ」という一つの方向性が生まれるということでも良いことではないでしょうか。
あとはまあそれで、どうゆう結果になるかっていうことですけど。まあただ、やはりこの自分たちの地方の選手が良いプレーをしたときにはやはり良いものですよね。」(Sの極みより)

これもオシムの予言成就ってことでいいかな。オレは信じていたけど。

(2月2日追記)
木村さん、一刀両断
このライターの名前知りたいなあ……。

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