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世界初! 重力レンズ効果による偏光Bモードを観測

2014年10月27日 | 宇宙 space
宇宙最古の光である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)。

このCMBの偏光観測の結果だけに基づいた、重力レンズ効果による偏光パターンが、
世界で初めて測定されました。

測定が可能であることを実証した今回の成果は、
将来の原始重力波の観測や、
ニュートリノの総質量の精密観測につながると期待されています。
チリのアタカマ高地に設置された
POLARBEAR望遠鏡

CMBは、138億年前に発せられた「宇宙最古の光」です。

宇宙のどの方向にも一様に観測される電磁波が、宇宙の誕生と進化、その背後にある物理法則の謎を解く鍵を握っていると、考えられているんですねー

特にCMBの偏光(光の振動の向き)を観測して、“偏光Bモード”と呼ばれる、特殊な渦状のパターンを調べることが重要視されています。

カブリIPMや高エネルギー加速器研究機構(KEK)などが参加する、
国際研究チーム“POLARBEAR実験”は、
南米チリにある口径3.5メートル望遠鏡と、最先端の超伝導検出器を用いて、
“小さな渦の偏光Bモード”を99.999%以上の確率で、世界で始めて観測することに成功しています。

“小さな渦の偏光Bモード”とは、
CMBが地球に届くまでの間に、宇宙空間の物質から受ける重力効果により現れるものです。

これを精密に測定できれば、宇宙に存在するニュートリノの総質量が分かり、
宇宙の大規模構造への理解が大きく進むと考えられています。

今後研究チームでは、さらに広い観測や受信機の性能向上を行い、
“大きな渦の偏光Bモード”の精密観測も目指すそうです。

“大きな渦の偏光Bモード”は、
誕生直後の宇宙が急激に膨張(インフレーション)した際に、
時空が振動して生じた“原始重力波”で作られたと推測されるもので、
これを観測することで、初期宇宙の誕生のようすが明らかにできるようですよ。


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