宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

宇宙膨張の謎を解く立体地図

2013年09月02日 | 宇宙 space
今回は宇宙の地図を作る話、すばる望遠鏡を使った遠方銀河サーベイプロジェクトです。

ファストサウンドと呼ばれるこのプロジェクトでは、
満月のおよそ150個分ほどの空の領域で、5000個の銀河の距離を測定しています。

ファストサウンドの観測で得られた、宇宙誕生47億年後の宇宙大規模構造(銀河分布)

そして、これらの銀河が存在する100億光年以上彼方、
つまり誕生から50億年も経っていないころの宇宙における、銀河の三次元分布図を描くんですねー

こうした宇宙の立体地図作りは、すでにいくつか始まっていて、
50億光年ぐらいまでは、スローン・デジタルサーベイなどのプロジェクトによって精密に行われています。

でも、100億光年を超える距離では、今回のファストサウンドが世界で初めてになるんですねー

ファストサウンドの観測スケジュールは、2012年春に始まり2014年春までで、
今月、全プロジェクトのおよそ4分の1の範囲で、銀河の三次元分布図が完成して公開されました。

測定は、天球面方向に6億光年四方、奥行き方向に20億光年にわたる領域で行われ、
描き出された90億年前の宇宙の大規模構造は、現在の宇宙につながる原始の構造といえます。

宇宙は加速的に膨張していることが分かっていて、
その原因として、未知のエネルギーである“ダークエネルギー”が関与していることや、
重力の基本理論である一般相対性理論が、宇宙の大きなスケールで破綻している可能性などが考えられています。

なので、ファストサウンドで銀河の運動を精密に測って、
大規模構造の成長速度が一般相対性理論での予言と一致しているかを検証することは、
宇宙の加速膨張の謎を解く一歩になるんですねー


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