中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

西安生活、最初の一ヶ月

2017年09月24日 23時18分01秒 | 中国での外教職に関わること
西安に来てから一ヶ月弱が過ぎ去りました。

まず、最近はまっている麺専門食堂の麺


大学はガイダンスも終わり、各担当科目は本格的に各内容を教え始めています。
学生たちは全体的に大人しいですが、吸収が早い学生が多くて教えがいがあります。
加えて、西安では良い同僚たち(日本・中国)に恵まれていると感じています。

今学期担当科目は5科目、そのうち3科目は初めて担当するものです。
ですから毎週の大半は、授業資料・PPT作成に追われております。


それに加えて、先週から以下の課外活動も加えることにしました。

1 修士院生、学部四年の有志を集めた自主ゼミナールを毎週一回(言語・経済・文化などのテーマ)
2 主に学部3年生の有志を対象とした個別会話(私対学生2人or1人を各組20-30分)を毎週一回 
 *現状は全員が「参加希望」
3 有志の学生たちと毎週定期的にスポーツ(キャッチボールやバドミントン)



「1」・「3」は前任校からやっている課外活動で、効果が感じられたので継続することに。
「2」は三年生の会話力向上と、かれらとの関係を築くためにも必要だと感じて始めました。
加えて、大学から11月の某コンテスト指導も入っていて、これは毎週二回ほど指導中。

ただ、こうなると研究日は週一日とれればいい方で、場合によっては全くとれません。

ですが今学期は10月、11月、12月と原稿〆切が毎月あり、同時に12月は研究発表のため一時帰国が決定。
正直、この研究課題を現状の仕事量でクリアできるかと考えると、相当厳しいだろうと感じています。
ただ発表依頼が来るのは有り難いことですし、その交通費も相手方負担という好条件でした。

となると、「現状では研究時間の確保が厳しくとも、何とかこの機会を使って発表したい!」と奮起するもの(!?)
それに研究という道を選んだ以上、「寝ても覚めても研究」の生活が出来るのはむしろ光栄なことです。

ということで、ほぼ二つ返事でお引き受けすることにしました。


最後に朗報!

9月23日(土)、河南省で行われた全国高校大学日本語スピーチコンテストで前任校で指導した学生が一等賞に。
これは非日本語専攻の学生を対象にした大会で、今回が第一回目で記念すべき大会でした。
この学生のスピーチ原稿は全面書換を含め、話し合いをしながら10回以上修正をしました。

大会後、学生本人からメールがありました。
「こんばんは。自分は一等賞を獲得致しました。この結果に先生のご指導は不可欠だと思います。本当にありがとうございました!」
(原文ママ)

素直に良かったと思います、おめでとうS君。
正しい努力をすればきちんと成長・結果がついてくる、これが私の持論です。
今回もまさにS君がそれを体現してくれたと思っています。

なお現在の勤務校からも学生を派遣しており、この学生は二等賞を獲得しました。
ということで、昨日は嬉しいニュースが続きました。


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7 コメント

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西安も秋が深まりますね (Ye Xiang)
2017-10-13 04:22:45
台風20号 Khanun が発生し、再び海南省は荒れた天気になりつつあるようです。今月に入ってからこれで3度目の熱帯低気圧。天気の乱れも熱低のせいです。

いきなり暑くなったり寒くなったりを繰り返しているので、北京のような華北の北国では体調を崩される患者さん、特に小児科が多いです。

毎週金曜と土曜は研究がてら小児科病棟へ顔を出す生活がもう7年近く続いています。本来救急外科の私がたまたま受け入れた小児科内科の患者の中学生の女の子と出会って、彼女に実験動物をお願いする傍ら、そっと見守る日々が続いています。

彼女のおかげで何本もの特許が産まれ、大学の自主運営に貢献できたかと思うと、良い患者に巡り会うことは、同様に良き研究相手に巡り会うことと似ています。また彼女も昨年入学した医学部を、何とスキップして今年度は3年生としてハードな医学部生生活を送っています。

ほとんど毎日来るメールと、彼女の身体に取り付けた「体調ロボット」の数値を見ながら、あれこれと指示出しする生活もかれこれ何年になるでしょうか。

「研究という道を選んだ以上、「寝ても覚めても研究」の生活が出来るのはむしろ光栄なことです」はその通りですね。これは文科系とか理科系という枠組みとは関係ないことです。

私もこんな時間に目が覚めて、夢の中で思いついたアイデアをコピー用紙に書き散らしながら、どれか論文に使えないかなと考えながら、ふとそんなことを考えてみました。
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Ye Xiangさんへ (M)
2017-10-14 15:13:37
コメントをありがとうございます。Ye Xiangさんは日本で育った方でしたか、通りで日本語が上手なわけですね。

加えて、中国語・英語なども堪能ですか。其の語学力は本当にうらやましです。私はそれほどの語学力を有していない人間ですので。

なお周囲にはなかなか理系の学者との縁はありませんので、そちらの分野の研究状況などには関心を持っていました。学者ということでは同じ畑同士、今後とも色々情報交換や交流をさせて頂ければ幸いです。

なお、今後は私のe-mail(yoshiitem1008@yahoo.co.jp)に直接御連絡を頂いても結構です。
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Unknown (Hiroshi)
2017-10-14 21:01:07
Ye Xiangさん、初めまして。

以前、清華大の医学部に訪問したことがあります。 あそこは世界中、特に米国から優秀な中国人研究者を集めている感じがしました。 大学やCSHとの兼任で留守の教授もいました。訪問した研究所は主に脳科学に特化していましたが、ベンチャー企業の社長を兼ねる教授もいて驚きました。

最近、上海交通大学も訪問しましたが、医学部の先生の話では昔は皆卒業後、米国留学していたが、最近はそれほどでもなく、上海にそのまま就職する人が増えてきたとか。清華大ではそのようなことはないのでしょうか?
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追伸 (Hiroshi)
2017-10-14 22:31:07
Ye Xiangさん、

Scienceの論文は見つかりませんでしたが、先生の論文を幾つか見つけました。専門外ですが、興味のある分野なので、そのうちダウンロードして読んでみるつもりです。そのうち質問させてください。
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返信ありがとうございます (Ye Xiang)
2017-10-15 07:02:12
Hiroshi さん、こちらこそ初めまして。Ye Xiang です。

Science は full text にしないと出てきません(笑) 昔の paper だとこういうのがあります。

science.sciencemag.org/content/early/2016/02/24/science.aad6117.full

これは世界中の仲間と共同執筆なので、私はコンピュータ担当で図版作成とその計算とを主に担当しています。他にも院生との paper も共同執筆が多いので、検索は難しいかも知れません。だからこそ、このレベルまで引き上げる院生は相当の実力ということになります。

主に執筆してるのは最近は Cell ですね。Science や Nature は半分お遊びです。私は正確には医学部ではなく、医学院と生命科学学院いう別枠の研究組織に属しています。

臨床では救急病棟の部長も兼ねてるので (というか三次救急という心肺停止が専門)、体力的にはそろそろオーバーワークかなという感じですね。とにかく後進を育てないといけないと焦ってる状態と言っても宜しいでしょう。日本現代文化が専門の人類学者が「日本ではコードブルーというドラマが流行ってたけど、あれってウソばっかりだな」と大笑いしておりました。

# 日本の救急では普通は「アオイ先生」と放送します。一般の患者さんに不安を与えないためです。

今日は小児科の内科の患者や同僚の子供を大学本部の体育館に集めて「運動教室」で遊ぶ予定でしたが、下痢風邪で金曜土曜に来られなかった患者が多かったので、小児科全員で手分けして往診します。運動教室は大学生の患者のボランティアや、単位が欲しくて来てる(笑) 師範大学の学生に任せます。早く市立病院や区立病院へ転院できたら良いのですけども。その手の「人事」が一気に降りかかってくるので、そういったシステム作りも私の仕事の一つです。昨日も夕方の診察のあと、小児科の教授以下部下を集めて、電子カルテで振り分けをしてました。

なので、本当に研究は時間の隙間を縫ってですね。院生も基本的に一人しか取りません。生命科学学院も含めて2人の博士の指導をしていますが、ほとんど研究部に任せっきりです。単純作業なんて教える時間が無駄だからです。

上海交通大学や復旦大学の場合、海外の分校で中国語教室をしたり、人材を拾ってくることが多いですよ。私も広島の復旦の分校の開設に関わった一人です。精華大の場合は元々が米国への留学予備校だったので、米国資本でできた「五道口金融学院」などの米国系研究所が多く、就職先は人それぞれだし、とにかく人の出入りが凄まじいです。

私個人も実は精華大と母校の Ivy と同時に引き抜きが来て、いろいろ考えて中国にしたという経緯がありますが、毎年米国巡りしてますよ。時差ぼけを防ぐため、わざと東回りに地球を一周しています。モスクワやらシベリアにも立ち寄ります。今年の夏はイスラム圏初の万博をしてたカザフスタンで「砂漠の中を走る新幹線」に乗って来ました。鉄道ヲタクなので、こういうのしか楽しみがないですね。
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おっと! (Ye Xiang)
2017-10-15 07:15:07
ATOK という IME は本当にバカですね!
自動変換にしておくと、京都の私大の名前になってました。正しくは「清華大」です(笑)
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余談 (Ye Xiang)
2017-10-15 07:32:41
ついしん。清華大の場合、習近平さんや李首相が出たこともあって、中国共産党の技術官僚の養成機関という側面もあります。だから、米国留学は主に工学系学部の博士を出てからということになりますね。

私の年代の50代の共産党幹部というと、ほとんどが米国留学組です。当然、講義もレポートもすべて英語なので、英語力に関してはネイティブ並みで、私も患者さん以外にはすべて英語で話しています。

ただ、他の大学だと米国留学 → 亡命なんておバカさんもいるので(笑)、この手の話をすると国内学会では大笑いになりますよ。

要らん話ですが、昨年大学本部にある中高一貫校の高校 (高級中学) の校舎の建て替えがあり、古い校舎に生えていたアイビーやツタを水耕栽培にして配ってました。私の官舎では集中暖房のせいで繁茂してしまい、ほとんどは住んでる病院の中庭に植えてもらいました。大昔に米国留学で博士号を取って凱旋帰国した大先輩たちが米国から持って帰った記念品がこれです。写真を見せられないのが残念です。
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