中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の山東省済南市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「小論文・論文」などを教えています。

EUからの英国脱退から見る、今後の世界秩序の激変

2016年06月30日 02時38分16秒 | とりあえず日記
今学期の仕事は一応、全て終わりました。
その後、今夏期休暇の日本での計画を立ててみました(7月7日-8月23日まで)。

現在は今月末〆切の某原稿チェックと、論文の再々投稿のための修正をしています。
それと、日本の先輩研究者に依頼されていた業務にようやく手を付けています。
他には色々と来学期の新たな日本語活動の準備も、今から始めている状況です。

ただ、学期が終わったばかりで、かつ、暑いこともあり少しだらけ気味で、時間を結構無駄にしてしまっています。。
やはり忙しい毎日の方が、逆に自分自身は時間を有効に使えるタイプのようです。


それはそうと先週末、EUから英国の脱退が決まり、金融市場もそれに伴って混乱しました(今もそうですが…)。
先週末、「さすがに少し元を円に換金しておこう」と考え、週明けの月曜日に中国銀行へ行ってきました。
済南では各銀行どこでも外貨換金が出来るわけではなく、特定の銀行のみで可能であり、実に不便です(上海を経験しているからなおさら)。



市内の中国銀行に到着すると、外貨換金の窓口はこの行列。
行列をつくっているのは順番が間近の客だけで、他にも数十人が並んでいて、実に3時間待ちました。
去年の年末か少し前の時期は1元=20円近かったのが、今は15円少しに…。


今後もこうした時間のロスをしたくないので、FX口座を作るなどし、換金をスムーズに、かつ、安く出来る方法を考えようと思っています。
なお、換金を待っている間に闇の換金業者が、「外貨ならこちらで換金しますよ」などと何度も声をかけてきました。
こうした風景は中国では一般的で、銀行内・銀行外でお会いする事ができます(苦笑)。
ただ、どの程度のレート(汇率)で換金するつもりなのかを聞くと、実際のレートよりも明らかに損するレートを提示してきたので断りました。
その後も少しレートを良くした形で話をもちかけてきましたが、銀行で換金した方が明らかに損は少ないです。
(あくまでも済南の事例)

なお、外国人の場合は政府の規定で、一日5万ドル(円だと50000円)までの換金しかできません。
やはり、銀行窓口での外貨換金は時間的にも金額的にも効率的でない面があるのは明らかです。


さて、EU政治の中心的存在だった英国がEU脱退を決断したことで、今後も連鎖反応のように脱退を表明する国が出てくる可能性もあります。
そもそも、英国が脱退を表明する以前から、EUに属する各国の右派政党は上記の動きや主張を繰り返してきましたので。
その背景には主に、

①中東情勢(特に、シリア)の悪化で発生した移民受入をEUは認めているが、各国の国内レベルでは異論も大きく、その声が大きくなったこと。
②そうした状況下で、移民に紛れて入国したテロ集団がヨーロッパ各国でテロ行為を起こし、それが①の声を益々拡大させたこと。
③加えて、ギリシャ危機の対応をめぐり、EU(ドイツを中心とした)の決定に対するギリシャ内での不満が爆発したこと。

があると考えられます。

そもそも①の状況が発生した前提には、アメリカが「我々は世界の警察ではない」としてシリア情勢から手を引いたことにあります。
これこそが極めて大きな影響を与えたことは疑いないと言えるでしょう。
結果、従来のシリア政府対反政府軍の構図に加え、ISの強大化という事態も引き起こし、三勢力が争う、極めて混乱した状況が発生しました。
そこから逃れた移民の行き先がヨーロッパに向かったことで、ヨーロッパも混乱に陥り、結果的に各国の移民政策の意見は一枚岩ではなく、バラバラになっていったわけです。
いや、むしろ今回の一連の事態を通じて、元々、EU共同体が抱えていた問題・矛盾が露呈し、ある一定の限界を超えた結果、今回の事態が生まれたと考えるべきなのかもしれません。

ともかく、アメリカが今までのように、(良くも悪くも)世界で「警察」の役割を果たさないことを決定した以上、今後、こうした混乱は益々広がる可能性は高いでしょう。

よって、今回のEUから英国の脱退は、今後の世界の混乱の始まりを示す象徴的な出来事(事件)にすぎないと私は考えています。

アメリカという絶対的な権力が力を弱めたことが明らかになったことで、今後、新たな国際秩序がどう形成されていくのか。
それに伴って、私たちの暮らす東アジアの地域秩序はどう変化していくのか、その中で日本は中国はどんな役割を果たすことになるのか。
これらの問題は、特に最高学府である大学で教員の立場にある者はどんな専門であれ、ある程度考えていく必要があるかもしれません。

日本語科の中国人学生に日本語・日本を教える過程で、「日中関係」や「日中友好」を学生と共に考えることも重要ですが、既に新しい国際秩序が形成されていく状況下に入ったことを自覚し、その上でこれらの問題をいかに考えるのか、これをもっと重視していかないといけません。

これまで中国で貯めた元が一気に下落するのは個人的には困りますが、それ以上に今後の世界情勢が非常に気になります(いや、どちらも?)。
ともかく、今後の世界秩序の激変は明らかでしょうから、その動きに対して、中国から常に注視し続けていきたいと思います。


最後に一枚写真を紹介します。
これは自分の大学の学生ではないのですが、別の大学で日本語を自分自身で学び、日本語一級試験に合格したある大学院生のプレゼントです。
彼女は済南の某大学院修士課程(癌細胞研究)を今年卒業し、今後、日本の大学へ博士課程院生(国費留学生)としての進学を希望しているそう。
聡明な学生で、済南では色々と関わる機会が多かったのですが、「御礼」としてこれを頂きました。

嬉しかったです、どうもありがとう!
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第11回全中国選抜 日本語スピーチコンテストの参加記録(2016年6月4日 in天津)

2016年06月16日 04時23分05秒 | 中国での外教職に関わること
今日は我が校からも参加した、中華全国日本語スピーチコンテスト(華北地区予選)のことを少し書いておきます。
少し時間が経っていますが、一応、教学関係での記録として書いておく必要があると考えましたので。

会場となった天津外国語大学


まず、コンテストの概要などを以下に書きます。

コンテスト概要
本大会の中国語名:“第十一届中华全国日语演讲大赛”华北赛区预赛
日程:2016年6月4日(土) 
会場:天津外国語大学
本年度の出場校:23校(各大学から一名の選手が出場)
大会の共催:中国教育国際交流協会、日本華人教授会議、日本経済新聞社

コンテストの進行状況
①午前は事前に提出した原稿に基づくスピーチ
 二つのテーマから一つを選択してスピーチ(4‐5M) 
 1 「从中日交流谈文化多样性(中日交流から見る文化の多様性)」
 2 「环保小谏言(環境改善策 私の一推し)」

②午後は即席スピーチ(その場でテーマを通知され、10分で準備、発表)
 「我が家の宝物」

評価基準
①一次のスピーチ:発音・アクセント10、文法・表現10、内容20、表現20
②二次のスピーチ:発音・アクセント10、文法・表現10、内容10、表現10

順位の付けられ方
特等賞×2 → 日本での決勝戦へ進める
一等賞×1、二等賞×2、三等賞×3、他の選手は全て優等賞


肝心の結果ですが、本大会華北地区予選では、特等賞に天津外国語大、山西師範大の二名の選手が選ばれました。
私の済南大の選手は惜しくも三等賞という結果でした。

ただ、済南大はこれまで各種コンテストで「入賞」がなかったそうで、その意味では一つの結果を残したと言えるかもしれません。
実際、その結果を自身の微信(ID:yoshiitem1008)に書き込むと、多くの学生や先生が「いいね(赞)」をくれました。

該当する微信の記事



後日、済南大学でもそのことを大学HPに載せて、お祝いをしていました。

確かに、日本語科の先生方、他の学生たち、選手として参加してくれた学生はそれなりに満足している様子に見えました。
しかし、私はそれらの反応とは全く反対の気持で本結果を受け止めており、コンテストの終了後は何ともいえない喪失感に襲われました。
今回の結果に対してだけ不満足だったのでなく、スピーチ指導の在り方、日頃の大学での授業の在り方など、全ての教学面で課題を私に突きつける「結果」だと感じたからです。

実際、コンテストの各選手と我が校の選手を比較して見ても、日本語の総合水準は我が校の選手が上位にあるのは明らかでした。
そうした選手を有しながら結果が出せなかったとすれば、それは明らかに教師側のコーチングにも課題があったと言わざるをえません。

なぜこのような結果になったのか、それを突きつめて考えようと、コンテストの参加記録(その概要と得た情報、気づき、今後の反省など)を作成してみました。
それが本日、ようやく仮完成しました、字数は3000文字程度の資料ですが、今後に活かせるものになればと思っています。
早速、今度の土曜日に開催される済南の日本人教師会で、参加者に配布したいと考えているところです。

今回、その参加記録をネット上に載せてもよいとも考えたのですが、内容が一部公表出来ないものもあるので止めました。
もし興味のある方がいらっしゃれば、私に直接お問い合わせくだされば、お送り致します。

三村達也 連絡先:yoshiitem1008@yahoo.co.jp

もっともどこまで皆さんにとって参考になる物となっているか、非常に心もとないのですが(苦笑)。
それでは。
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久々に日本の学会で研究報告を致します

2016年06月11日 01時06分05秒 | Mの研究活動や成果
皆さん、こんばんは。

こちらは端午節休暇の最中で、もっぱら自宅で普段できない研究関係の作業をしています。
今年の端午節は、8日(水)-11日(土)までが連休となりました。
明日までが連休ですが、来週を越えると勤務校での仕事はある程度は片付いていきます。
残りは出講先の大学でのネット授業撮影を一気に片付け、日本への帰国です。
(今は無事に終わるのか少々心配…)


さて、今日はこの場を借りて、自身の研究報告の情報を告知させて頂きます。
考えてみれば、日本での研究報告も、また、この学会での報告も久々です。

日本経済思想史学会 2016年度第1回例会

1.日時 2016年7月9日(土)15時00分~18時15分

2.会場 慶應義塾大学三田キャンパス研究室棟A会議室

3.プログラム
第1報告 15時00分~16時30分
中嶋英介(中国・蘭州大学)
「山鹿素行の経世論再考」

第2報告 16時45分~18時15分
三村達也(中国・済南大学)
「1930年代後半、日本人農業研究者らの中国華北農業に対する認識変容 ー 日本の農業研究、その思想の転換点に着目してー」

http://shjet.ec-site.jp/meeting.html


現在、私の研究は経済思想史からはかなり外れているのですが、学会事務の先生からお声をかけて頂きました。
中国で取り組んでいる研究課題の一つの成果なので、今回、このような報告機会を頂けて有難く思っています。

こちらの研究報告準備もそろそろ始めないといけませんが、その前に片付けるべき仕事・課題が…。
とりあえず、来週の今学期最後の授業、かつ、学期末試験が終わり次第、一気に課題を処理していくしかないです。
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