中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

「大学の規定」とはいえ、何でも受け入れるわけには・・・

2014年12月20日 23時27分59秒 | 中国の大学、大学生
私の大学は既に試験期間に入っており、私は今学期の授業は全て終わりました。
(なお、別の大学で担当している院生授業は来年も続く)

私の担当科目の試験は今週・来週で全て終わり、その後は採点作業になります。
今学期はこれまで四科目の試験問題を作成してきました。
その中で面白エピソードというか、「ちょっとそれは…」という体験をしました。

どの大学でもそうですが、試験には色々と「規定」があり、原則的にはそれに従わないといけません。
私も安徽省、上海市の大学で勤務してきましたが、基本的にその「規定」通りにしてきました。
そして、こちらの大学でも試験の「規定」を事前に聞き、そのとおりに試験を実施する予定でした。

すると、一つだけ「ちょっとそれは…」という「規定」があったのです。
それは、

「どの試験であっても、問題用紙・解答用紙を作成し、学生には筆記形式で解答させること」

というものでした。
確かに、これは通常の科目試験であれば通用するのですが、会話試験では適用が難しくなります。
そもそも、会話試験は口頭で行うものなので、筆記試験は適さないからです。
しかし、これまでこちらの大学では「規定」に従い、教師皆が筆記試験を実施してきたといいます。
なお、真面目な先生は「会話の筆記試験」とは別に、授業内で口頭試験も実施して成績を出したとか。

これを聞いた時、「ちょっとそれは…」と耳を疑ってしまいました(苦笑)
筆記試験でどうやって学生の会話力をはかるのか、その方法が全くみえなかったからです。
また、筆記試験と別に口答試験を実施するのも学生の負担を増やすので、好ましくないと感じました。

そこで、日本語主任に連絡をし、学生の会話力をきちんと判定するには口頭試験が何より欠かせないこと、
加えて、仮に筆記試験をすると場合、学生の負担は増えるだけでなく、その方法では会話能力は判定できないと伝えました。


さて、その訴えに対する主任の反応ですが…

「分かりました、大学に聞いてみましょう。」

と快く対応してくれ、数日後、「大学側に先生の要求は通ったので、口頭試験だけを実施して下さい」と返事がきました。
「うん、常識的に考えればそうだよな」という思いが半分と、「正しいと判断した要求はすぐに受け入れてくれる大学はいい」という思い半分でした。
何より学生のことを考えれば、口頭で試験を実施するのが望ましいのは明らかなので、会話試験の形式が今後も変わることは良かったと思っています。
実際、学生も「これまでなぜ会話の筆記試験をしたのか分かりませんよ」と口にしており、学生側にも不評な試験形式だったことが分かります。

これまで、私は大学側にガンガン自分の要求を言ったという経験はありません。
しかし、「明らかにこれは…」と思ったことは、それが変更可能なら変えていくことが必要ではないかと思っています。
確かに「大学の規定」と言われると黙りたくなってしまうのですが、完全でないことは結構あったりしますので(苦笑)


口頭試験のお陰か、口頭試験のせいでか(汗)、ともかく今回の口頭試験により、学生の会話レベルに格差が存在することは明らかになった気がします。
良くできた学生はこの調子で頑張ってほしいですし、今回「惨敗」をした学生はこの冬休みにきちんと復習をしてほしいと期待します。
そして、私はもっと学生が興味を持ちやすく、かつ、日本語運用レベルを引き上げられる授業をつくれるよう、準備したいと思います。

教師も学生も皆、それぞれの目標に向かって過ごす冬期休暇…


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