新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月27日 「村上宗隆は「野球道」の「求道者の道」を目指しているのか」の訂正版です

2023-04-27 07:57:18 | コラム
色々と取り上げたい話題があるが、最も俗っぽいものから:

昨夜、横浜で雨中を顧みずに開催されたDeNA対ヤクルトの野球で、前年度の三冠王村上宗隆が見るも無惨な3三振だった。現時点で既に三振の数が30を超えたとアナウンサーが教えてくれた。当方にはあの構えの何処が悪いから駄目なのかなどは解らないが、テレビ画面を通して見えてくる彼の雰囲気と、バットの如何にも自信なさそうにボールを追いかけていくような振り方を見ていれば「こりゃ、当分の間は駄目だろう」ということくらいは解る。

元々、村上宗隆という人は同じ九州は熊本県出身の不世出の大打者で名監督だった川上哲治氏が敷いた「野球道」を進もうと心がけている選手のようで、熱心に練習する姿勢や、バッテイングに向き合う真摯な態度を見ていると「若くして求道者の道に分け入ってしまったか」の感が濃厚に見える。「道」である以上、ひたすら自らが定めた境地を目指して奥義を究めようと邁進するのだ。

であれば、七難八苦が襲ってくることなどは当然のことで、その苦境を切り抜ければ「打撃道」の奥義を究められると確信して邁進しているのではないかとすら疑っている。そこまでの境地に達すれば「大谷翔平、何するものぞ」という大打者になり得て、「MLBを席巻して目にもの見せてくれるぞ」とでも目指しているかと思わせられる。

WBCにおける獅子奮迅の活躍の疲れをものともせずに、MLBでのtwo-wayの活躍を見せている大谷翔平の動きを見ていて痛感する村上宗隆との歴然たる違いがある。それは「大谷翔平は何かを求道しているのではなく、鍛え抜いた全身を使って躍動して、如何にも楽しそうにスポーツをやっているのだ。観客を楽しませる職業としてとしてのエンタイナーとして、充分に躍動して見せて楽しませているのだ。彼が”swing and miss“しても絵になるが、村上の三振の絵は暗すぎる。

ヤクルトのコーチと監督が村上のあの不調の原因も何処をどう修正すれば立ち直れるかを処置して放置しているのか、あるいは彼が自力で再起してくると見込んで手を貸さないのかは私には解る訳がない。我が国のコーチは選手をいじりすぎるので壊すと聞いているが、アメリカでは助けを求めてきて初めて手を出すのだそうだ。私には彼村上宗隆には助けが必要じゃないのかと見える。

私は「村上は昨年にあの55本目のホームランを打った後の精神的な重圧と焦りで、崩れたまま立ち直れないのだ」と信じている。そこに、あの大谷の鍛え抜かれたバッテイングを見せつけられて、余計に方向を見失ってしまったのではないかとも疑っている。ダルビッシュ有にも散々貶されていたように、セントラルリーグの野球はウエイトトレーニングを中核とする合理的且つ近代的な訓練法を蔑ろにした結果が、村上に出てしまったのではないかとも疑っている。

話は少し変わるが10年以上も前のことに触れておこう。当時通っていたジムに(アメリカン)フットボールのXリーグのティームのトレーナーが2名いた。彼らが指摘したことは「遺憾ながら我が国ではマイナースポーツでしかない(アメリカン)フットボールでのトレーニングの手法が最も進んでいる。その手法がスポーツ界の恥部的に遅れているのが野球だ」と断じた。「『走れ、走れ』の一点張りの張本勲さん、よく聞いてください」なのだ。

誰かが言っていたじゃないか。「折角MLB(アメリカ式と言っても良いと思うが)の最新鋭のトレーニングの手法を心得ているダルビッシュがキャンプ参加してくれたのだから、彼から充分に学んでおくべきではなかったのか」と。「大谷翔平がどういうトレーニングをしているかのだって知り得る機会があったのじゃないか」との声もあった。野球界には未だに「ウエイトトレーニング」否定派の指導者がいるとも噂もある。

私は何もアメリカを礼賛してはいない。何故、パシフィックリーグには若手の投手たちがアッサリと150kmの速球を投げてみせるのに、何処かにいる鬼軍曹は何かといえば二軍選手たちに罰走を課しているというではないか。

余計な話になるが、「フロリダのIMGアカデミーで育ったフットボールの日本人高校生が帰国して一部リーグ所属の大学で入部して「練習法とトレーニングの手法の遅れに驚かされた」と聞いた。あれも、これも時代感覚の遅れの話じゃなないか。



コメントを投稿