新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月25日 その3 第1位の座を守ることの難しさ

2018-09-25 14:54:04 | コラム
大坂なおみは2大会連続1位とはならなかった:

掲題とは無関係のようなことかも知れないが経験上も言えることで、第1位とか#1シェアーホールダーになろうと営々と努力し、日夜懸命に練習に励んでいる頃の方が、第1位の座を守ろうと努めていることよりも遙かに楽しく、狙い定めた目標に到達しようとしている苦労の方が遙かにやり甲斐があるものなのだ。それは私が1975年に転進したW社は日本市場最低のシェアーホールダーで、そこから15年近くをかけて#1に上り詰めたのだが、その苦労よりも首位の座を守る方が何十倍も辛く、且つ困難な活動を強いられたのだった。

憧れの座に着いてみては初めて解ったこととは「攻めるよりも守る方が遙かに難しく、且つまた精神的には慢心することなく余程しっかりしていないことには、何時追い落としてきた嘗ての#1サプライヤーに首位の座を奪い返されるか解らない」という防御の難しさをイヤというほど味合わされたのだった。相手だって然るもので、当方の弱点を研究しては攻めてくるので、守る方としては如何なる小さな欠陥でも生じないように常に八方に気を配っていなければならず、間違ってもつまらない品質問題など起こしてはならないのである。

テニスでは「ミス」というのを “unforced errors”と表現しているが、我々は小さな人為的品質問題を “workmanship problem”と呼んで、営業担当者から工場の組合員たちにまで徹底して注意し、如何なる細かな事故でも起こさないようにするように努めてきた。その気配りと注意を怠らない姿勢を採り続ける方が、首位の座にいる競争相手(competitor)を蹴落とそうとする努力の数倍は神経を使ったものだった。

何が言いたいのかと言えば、US Openを獲ってしまった大坂なおみは20歳にして他の世界中にいるプロのテニスプレーヤーの標的になってしまったのであり、彼女が獲得した首位の座を守らせておくものかと、世界の強豪が牙をむいて追いかけてくる事態に直面したのである。私には大坂なおみが最初から意図的に狙っていたUSOのチャンピオンの座を努力の結果として取れたか否かは知らない。だが、あのチャンピオンになった瞬間から彼女は追われる立場に立ったのだ、意識していたかいないかに拘わらず。

だからこそ、あの決勝戦の前にウイルス性の疾患に罹ったとか言うが、その守らねばならない座の重さと、目に物見せてくれようと迫ってくるプリスコバと真っ向勝負をしてチャンピオンの力を見せねばならなかったのだという重圧下にあったと、私は見ていた。それは勝負であるから常に優勝できるものではないが、USOのチャンピオンともなれば格好の標的となるし、彼女自身もそれなりの貫禄も見せねばならないという重圧とも戦っていたと思う。

その極めて難しい状況下で2位で終わった強さには敬意を表さねばなるまい。だが、大坂なおみはこれから先もUSOのチャンピオンという肩書きの下に試合に出なければならないのであるから、守るべき地位の重さを十分に認識して試合に望まねばならないのだろうと、私は見ている。換言すれば、上だけを見ているのではなく、下から追いかけてくる者たちとの戦いがのしかかってくるのだ。そういう試合を何処まで楽しみながらやっていけるかという問題だろう。追う身の方が楽しかったなどと言わないことだ。


三選された安倍総理に望むこと

2018-09-25 08:36:02 | コラム
安倍総裁には望みたいことが多々ある:


実はこれは安倍晋三総裁三選に思う」の改訂版である。

大方の予想通り安倍晋三総裁が石破茂対立候補を圧倒して三選された。即ち、これから先3年は余程のことがない限り安倍内閣が続くと思って期待して良いのだろう。それはそれで結構だと思うが、総理と自民党には期待すると言うよりも、現状よりも良い状態に持って行って貰いたいと要望したいことが数多くあると思っている。私の希望には難しい理論の裏付けなどなく、ただ単純にこうなってくれればもっと良いと願うのだという類いのことが多い。順序不同で思いつくままに述べていこう。

低金利の解消:
80歳で2度目の心筋梗塞にあって仕事を辞めてしまったので、それから後は株式投資をする才覚もなく僅かな蓄えを銀行に預けて年金で暮らすようになった。お陰で黒田日銀総裁の低金利政策とは如何なるものかを痛感させられた。私には無縁なことだが「高金利というか高い利回り」を謳った詐欺というか投資の案件が多くなったのも宜なることかと感じている。金利を上げれば国債がどうのという理屈は解るが、何とかならないかと思ってしまう状況だ。黒田という人には疑問を感じている。

外交戦略:
総理の世界中を駆け巡られる外交戦略は、あのひたすら我が道を行かれるトランプ大統領というひたすら我が道を行く強引な指導者と親交を結ばれた辺りは素晴らしいと思って眺めてきた。だが、トランプ大統領は総理に対して「恩に着るぜ」(= I owe you a great big favor. )と言うべき間柄でありながら、こと貿易赤字解消となると余り「義理を返す(= return the virtue )という感覚をお持ちではないようで気懸かりだ。私は総理は押されて然るべきだと思う。

自動車の関税を引き上げるというのはジェスチャーだけだという説を為す専門家もいるようだが、今回の会談では言うべきことをズバリと言って頂きたいとお願いしたい思いだ。トランプ大統領にも色々とご都合があるだろうが、こっちだって多くの経済的事情があるのだ。「トランプ大統領功成りて万骨枯る」では困るのであるとお解り願うべきだ。

アベノミクス:
私は最早第一線を退いて24年を経たので景気の動向を身を以て感じ取ることが出来なくなっている。残された方法は街に出て大小の小売業の店に入って買い物客の動きを見るとか、偶にする買い物で物価の変動を感じ取るとか、偶に乗るタクシーで運転手さんたちに景気の動向を如何に感じ取っているかを質問するくらいしかない。タクシー運転手さんたちの捉え方は「景気が良くなった良くなったというが、我々の段階までは降りてきていない。タクシーテイケットを気前よく使う会社は激減している」などと言っている。簡単に言えば我が国の隅々まで景気が良くなっているのではないと思っている。もどかしいのである。

だからと言うか何と言うべきか、私は数年前に「アベノミクスはこれから本格的に成功する段階にある」と皮肉めいたことを言って、アメリカの元の同僚に説明した。そう言う訳は何も「未だ成功していない」のは総理のせいではなく、内部留保ばかりに専念し、幾ら総理に要望されても給与を思い切って上げられないような凡庸な経営者が増えたというだけのことだ。その辺りを、私は何時もある私と同年齢の元社長が言われた「経営者の劣化だ」が当たっていると思っている。団塊の世代の後を引き継いだのが彼らなのである。某世界的な電器会社の元副社長も同様な見方をしておられた。

政治:
これも論じなければなるまい。森友と加計の問題をあそこまで引き摺ったというかアホなマスメディアと野党連合に引っ張らせたのは、私は安倍総理以下の力不足だったという結論にしたい。あの空疎な論戦でどれほど国費と時間を無駄にしたのかは計り知れない。だが、あれがあっても国民の支持は野党には向かなかった。思ったより賢明だったと私は安堵している。私は安倍総理以下自民党は今度はこのような案件を終わりにして国費と時間を空費を避けるよう最善の努力をして貰いたいと思っている。言いたくはないが、総理はご自分の奥方の管理に万遺憾ななきを期して頂きたいと言えば失礼に当たるかな。

拉致問題:
遅滞なく解決するよう一層の具体的努力を願いたい。水面下の交渉や努力もあるのだろうと思いたいが、実効が上がらない以上「何を為さっているのか」と歯がゆいのであるし、被害者ご家族の心中察するに余りある。私は何かと言えばこの問題の実情と解決をアメリカに行って訴える努力がもう一つ解らないのだ。確かに、金正恩委員長に対してトランプ大統領の影響力があることは解るが、トランプ様に言われたからといって金正恩委員長が即刻行動を起こすとは思えないのだが、どんなものだろう。

オリンピック:
私は小池百合子に一票を投じてしまった都民の一人として大いに反省している。豊洲問題をあれほど引っ張り、築地からの道路の整備をあれほど遅滞させた小池の責任は非常に重大である。彼女を泳がせた責任が内閣にもあるように思えてならない。出来ることならば、あのような都知事にオリンピックを仕切らせたくない。総理以下自民党は遠慮することなく小池都知事を厳しく管理してまともな都政をさせて、オリンピックを総理ご自身も関与されて運営出来ればと願っている。極論を言えば、私は東京オリンピックは今となっては余計な負担だと思っている。

憲法改正:
私は「憲法の改正は議論をするしないの問題ではない」と信じている。要するに「改正する以外に何があるのか」と考えているので、改正論を述べたことすらない。総理に何はさておいても期待するのが「憲法改正」である。憲法第九条に縋って国を売ってもう良いという連中などに気を配る必要などない。未だ3年もあるではないか。やるべきだと言っておられる以上、推し進めて頂きたい。

結び:
ここでは再び外交に戻るが、世界は一筋縄ではいかない指導者ばかりの時代になってしまった。DPRKだって現時点では猫をかぶっているかの如くで、何時また牙をむいてくるかなどは解ったものではない。その処理をトランプ大統領と文在寅大統領に依存していて良いものだろうか。「我が国は蚊帳の外」などと言う論調が一時幅をきかせたが、総理がその気になって乗り出してトランプ大統領を動かせるほどの影響力があるはずの間柄であり、発言力をお持ちだと希望的に思っている。


シルバーパスを更新した

2018-09-25 08:26:59 | コラム
コストパフォーマンスはどうなるかな:

9月末で期限が切れるシルバーパスを更新した。住民税を払っている世帯主の当方は¥20.510の負担である。調べれば解ることだが、以前はこれほど多額の負担ではなかったが、石原慎太郎都知事の頃に値上げされてしまった。同年代層への配慮が足りないしようがない奴だった。

実は更新するのもそう簡単な作業ではないのだ。ここ新宿区では方々にある区役所の出先の事務所で必要書類を提出して更新するのだが、その会場は何時も「これほど多くの老人がいるのか」と驚かされるほど大きな会議室が順番待ちの老人で満たされており、今回などは余りの人の多さで空調が効かず汗を拭き拭き交付を受けた次第だった。

毎回このパスを更新する度に「果たして俺はこの金額を無事に消化してコストをカバーするだけ行動できるだろうか」と不安に陥るのだ。即ち、毎月最低でも¥1,700分都営バス・地下鉄・私鉄のバスに乗らないと元が取れないのだ。即ち、細かいことを言えば、¥210のバスを最低でも5往復乗らねばならないのである。幸いにも毎週3日はバスでジムを往復しているから何とかなっているが、近頃は都心というか銀座や新橋の方向にまで出向く勇気と気力が衰えてきたので、今年辺りは元が取れないかと不安である。

都バスや私鉄のバスに乗ってご覧になれば解るが、乗客の大部分はシルバーパスを利用される高齢のご婦人である。即ち、高齢化社会がここまで進んだかという実態をイヤというほど見せつけられているのだ。多くの杖をつかれた老婦人たちは買い物に出られるのでバスを利用するしか手段がないようであり、時には急な坂を登る道を一停留所だけ利用されるご婦人も見受けられる。冗談半分でいえば「明日は我が身か?」というところかも知れない。

特に我がアパートの前を通る東中野から高田馬場駅の間を1時間に一本だけ運行しているKBバスなどは、顔馴染みの老婦人方で何時も混み合っている。それは高田馬場駅前にはドンキホーテもあれば、バスを乗り換えれば人気が高いスーパーがあるし、東中野駅付近にも大手のスーパーが軒を連ねているかのようだ。だが、我がアパートの中にはコンビニの配達に依存し始めた高齢者もおられるし、ワタミの宅食が毎日のように来ている。この現象にしても「明日は我が身か?」なのだ。

問題はどうやら「コストパフォーマンス」の域を出ているかのようだ。このような時の流れというか傾向は止まることがないと思って眺めている。問題提起をする気など毛頭ないが、大変は時代になったと実感させられている。