Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(127)ジャン=ポール・ベルモンド

2024-03-19 00:10:00 | コラム
33年4月9日生まれ・2021年9月6日死去、享年88歳。
フランス出身。

キャリア前半はアート系を中心に活躍する先鋭的な俳優、
しかし中盤になるとスタントなしでアクションをこなす肉体派に。

面白いキャリアを築いたベルモンド、
ただそれでも自分にとっては「前者のひと」になってしまうのは、映画を学ぶ学生だったからでしょう。

ゴダールとのタッグって、それほどのインパクトがあったと思いますもの。



<経歴>

父ポール・ベルモンドは、フランスを代表する彫刻家・画家。

国立高等演劇学校卒。

何度か共演したアラン・ドロンとは親友同士となりましたが・・・


最近のニュースでドロン宅から何十丁もの銃が押収されたって?
大丈夫かいな(^^;)(^^;)

演劇学校の卒業直後からその才能が注目され、舞台などでいくつもの演技賞を獲得。

映画俳優デビュー作は、57年の『歩いて馬で自動車で』。
数年の兵役後、クロード・シャブロル監督『二重の鍵』(59)の演技で映画界からも注目を集める。

そして60年―ゴダールのキレッキレな演出・編集スタイルにより全世界に衝撃を与えた『勝手にしやがれ』に主演、


刹那的な男女の犯罪劇というか、まぁこの映画は物語を云々しても意味がないかな、
ヌーヴェルヴァーグを代表する映画として、今なお輝きつづける名作です。

同年には『雨のしのび逢い』でジャンヌ・モローと共演、
『ビアンカ』(61)、再びゴダールと組んだ『女は女である』(61…ただしこれは、アンナ・カリーナの映画といっていいでしょう)、
『大盗賊』(62)、『いぬ』(63)、『黄金の男』(64)、『ダンケルク』(64)、
アクション俳優として開花するきっかけとなった『リオの男』(64)、
そして、ゴダールもうひとつの代表作『気狂いピエロ』(65)。

しかし!
この映画の公開後、ベルモンドはシナリオの重要性に言及、シナリオさえ用意しないゴダール・スタイルを批判し「もうゴダールとは仕事をしない」と宣言。
ゴダールはゴダールで「商業主義の映画を嫌う」と宣言し、ベルモンドを名指しで批判するようになる。

少し前に表現者同士の喧嘩は「大好物」と記した自分ではありますが、これリアルタイムで触れていたらどうだったでしょうね(^^;)
まぁお互い、それぞれのフィールドで活躍しつづけたというのが救いではあります。
どちらかいっぽうがダメになったというオチでは、後味悪過ぎですものね。。。


以降、ベルモンドは主に娯楽作に出演。
『カトマンズの男』(65)、『パリの大泥棒』(66)、『007 カジノ・ロワイヤル』(67)、『オー!』(68)、『暗くなるまでこの恋を』(69)、

ドロンと共演したギャング映画『ボルサリーノ』(70)、



『コニャックの男』(71)、『ラ・スクムーン』(72)、『ベルモンドの怪盗二十面相』(75)、『警部』(79)、
『プロフェッショナル』(81)、『パリ警視J』(83)。

世代的に、初めて劇場で観たベルモンド映画となった『ライオンと呼ばれた男』(88)。


『レ・ミゼラブル』(95)、『ハーフ・ア・チャンス』(98)、『アマゾンの男』(2000)などなど、出演作は多数。


2001年に脳梗塞を発症し、その後はときどきテレビ出演する程度の露出に。
うれしかったのは、日本のバラエティ番組で出川さんと共演したことですね^^



2021年9月6日、パリの自宅にて永眠。
享年88歳、映画としての遺作は『D'un film a l'autre』(2011)になるのでしょうか。

近年、アクション俳優としての再評価が日本でも展開されていて、よく特集上映とかが組まれています。
機会があれば、ぜひ観てみてくださいね^^

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(128)ジャン・レノ』

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« てんてこまい my mind | トップ | 令和版・海外俳優列伝(12... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (oyajisann)
2024-03-19 08:22:46
おはようございます。
私はテレビの洋画劇場で観た映画、後者の人って印象です。
雰囲気ある俳優さんが多かった時代 (夢見)
2024-03-19 10:55:03
フランスの俳優・・・・・なのだけれど どっかイタリア人っぽさもあって

それぞれに主役はれる俳優さんとして タイプは違うけれどアラン・ドロン氏とは 内心張り合う気持ちもあったでしょうけれど 紆余曲折と長い時間の経過で 戦友のような気持ちになれたのかも
同じ時代を生きた男として

若い時代の軽快な動きと独特のシルエット
洒脱さ持つ俳優さんでもありました
oyajisannさん、 (まっき~)
2024-03-19 23:08:12
やはり、そうですよね。
ドロンとの共演により、とくに認知度が広がったような気もします^^
夢見さん、 (まっき~)
2024-03-19 23:10:08
身のこなしの軽さ、そこがフランスっぽくない感じもしますよね。
もし、あの国で(シティハンターのように)ルパンが実写化されたら、見た目も動きもそうですし、このひとしか居ないでしょうね。

特集上映、意外と若いひとで埋まっているのがうれしかったです^^

コメントを投稿

コラム」カテゴリの最新記事