Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

派遣の性

2023-02-28 00:10:00 | コラム
派遣先、物流関係ではなく医療関係なのだが、作業員の受け入れ人数はどうしたって検体数の増減に左右され。

この時期は毎年「一時的に」検体数が減るからと、何人か「派遣切り」されることになって。

入って間もない自分は覚悟したが、

1年くらいやっていて、自分より「はるかに動ける」女性が切られたのだった。

その理由は、A社(女性)とB社(自分)を比べると、A社のほうが単価が高いから。それだけのようで。

まぁそういうものかもしれないよね、
出来るかどうかよりもまず、金額を見ると。

女性と仲良しだった社員さんは「なんで、あなたなの…」と話しかけている。
自分に対する嫌味とかじゃなくってね、たぶんだが。
だって自分でも思ったもん、「へ?自分じゃなくって・・・!?」と。

これが派遣というものだし、そういう場面に出くわすたび、なんともいえぬ感情を抱くのが派遣の性だなぁと。。。


※「映画と労働者」というと、すぐにケン・ローチが想起されると思うが、ベルギーのダルテンヌ兄弟による『ロゼッタ』がおすすめ!
仕事にありつくためには、友情さえ…という展開がつらい。


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『マスク&ゴーグルマン + 02月コラムの目次』
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ウィリスがんばれ!

2023-02-27 00:10:00 | コラム
肉体派スターとして80年代末にその才能を開花し、
スキンヘッドにしたおかげで、なぜかシリアスな演技もこなせるようになっていったブルース・ウィリス67歳が「失語症」を理由に引退を発表したのは「つい先日のこと」、

その症状が想像以上に深刻であったことが数日前に明かされた、

前頭側頭型の認知症だという。

えっ、、、さすがにショック。


「失語症」報道を受けて「ラジー賞」の候補から除外したのは「ジョーク団体」としてダサいとは思ったが、まぁ、うろたえるのは分かる。

映画ファンからの復活待望論もエールへと変化していったし。

自分もそう、
というわけで今宵は、ウィリスのキャリア5選+αを展開してエールを送ってみようと思う^^


(制作順)

『ダイハード』(88)

何度観ても楽しめるアクション映画の金字塔。
じつは原作小説は「もっと、もっと暗い」展開なのだが、この映画の成功(の一部)はマクレーンのユーモア精神にあって、ずっと愚痴をこぼすキャラクターはウィリスにぴったりとハマった。



『パルプ・フィクション』(94)

「あなたの名前は?」
「ブッチ」
「ブッチ、、、由来は?」
「この国の名前に由来なんて…」

日本刀で逆襲するウィリス、最高でした。


『12モンキーズ』(95)

じつにギリアムらしい、毒のこもった哀しきSF。

このあたりから「どんな演技も出来るのかも…」と映画ファンも思うようになってきたかな。



『アルマゲドン』(98)

とはいえ、派手で大味なビッグバジェットがよく似合う。

力技で泣かせにくるマイケル・ベイ、ぜんぜん嫌いじゃないです^^


『シックス・センス』(99)

「カブキモノ」シャマランが、カブキ特性を控えめにして展開したスリラー。
オスメントくんの天才子役ぶりとオチしか言及されなかったと思うが、ウィリスの抑えた演技も素晴らしかった。



『デス・ウィッシュ』(2018)

(穴は散見されるが)キャリア後期の代表作といっていいでしょう。
一般市民が「ひとり」自警団を始める映画は多いし、その元祖ともいえる名画のリメイクだが、ブロンソンにしてもウィリスにもしても、最初から「モノがちがうんだよ、モノが」感は強いんだよね(^^;)


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『派遣の性』
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日本女優別10傑(43)志田未来

2023-02-26 00:10:00 | コラム
~志田未来のキャリア10傑~

『14才の母』(2006・日本テレビ)を演じていた子がいつの間にか29歳になっていて、なおかつ奥さんだというのだから、時の流れの「残酷なまでの」異様な速さを痛感しますわな。

この女優10傑で、じつはいちばん10本の選出に難儀したひと。
ドラマのほうが挙げやすかったかも。

だったら取り上げなくてもいいのだけれど、未来ちゃん割と好きなのでね(^^;)



(1)『誰も守ってくれない』(2009)

殺人事件の「余波」を受けつづける、加害者側を描いたドラマ。

君塚良一の偏見と決めつけに満ちたホンと演出(しかしなんと、本作でモントリオール脚本賞受賞!)はいろいろと問題がある、、、ものの、佐藤浩市や未来ちゃんの熱演によって「なんとか」鑑賞に耐え得る作品にはなっている。



(2)『おかあさんの木』(2015)

国語の教科書にも載っていた有名な戦争文学の映画化、主演は鈴木京香。

未来ちゃんは、田辺誠一の娘役。



(3)『窓辺にて』(2022)

とくにオタク界隈から支持を集める俊英、今泉力哉による恋愛映画。
主演は、稲垣吾郎。


(4)『ラプラスの魔女』(2018)

東野圭吾の原作小説を三池崇史が映画化、主演は櫻井翔&広瀬すず。

アタリハズレを繰り返す三池印のなかではハズレのほうだとは思うけれど、櫻井翔の助手を演じる未来ちゃんのとぼけた感じはよかった。



(5)『遺体 明日への十日間』(2013)

3.11のルポルタージュ『遺体 震災、津波の果てに』の映画化。

誠実な創りは好感が持てるが、意図が「報道では伝えきれていない現状を」にあるのだとしたら、もう少し突っ込んでもよかったのではないか。


(6)『食堂かたつむり』(2010)

小川糸による原作小説の映画化。

柴咲コウもブラザートムも、女子高生役の未来ちゃんも適役だとは思うが、ホンがどうにも宙ぶらりんで、演出も俳優の演技というか存在感に頼っちゃっている感じに見えました。


(7)『POV〜呪われたフィルム〜』(2012)

ホラー映画だが、面白いのは俳優・志田未来「本人」として出演しているところ。

POVとは「Point of view」の略で、「~の視点=演者の視点がそのまま映像になっている」という意味。



(8)『映画 ST 赤と白の捜査ファイル』(2015)

日テレによる連続ドラマの映画版。
未来ちゃんは、警視庁科学捜査研究所の文書鑑定担当。


(9)『泣き虫ピエロの結婚式』(2016)

「日本感動大賞」大賞作品の映画化。

見習いピエロの未来ちゃんは、とりあえずひたすらかわいい。


(10)『母べえ』(2008)

山田洋次×吉永小百合、もうこれだけでお腹いっぱい(^^;)なのだが、未来ちゃんは娘役です。


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『ウィリスがんばれ!』
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つくづく、「いま。」じゃなくてえがった(^^;)

2023-02-25 00:10:00 | コラム
こういうのは、ときどき連鎖が起こって問題になる。

少し前はバイトが職場で悪ふざけした動画(バイトテロ)が拡散、
その後「おでんつんつん男」が逮捕され(のちに不起訴)、
今度は回転寿司などが標的にされたと。

犯行現場を「自ら撮影」し、「動画が拡散」されたことによって発覚した点で共通しているし、そこが現代的だなぁと。

彼ら彼女ら(まぁ主に「彼ら」か)にきつくお灸をすえるべき―という世論に同意しつつ思うのは、

自分が過ごしたガキの時代が、つくづく「いま。」じゃなくてえがった、
悪事が広まったとしても「町レベル」で済んでえがったなぁ! ということ。

まちがいなく自分、彼ら彼女らと同種のガキだったもん。
スマホがあればSNSがあれば、同じことするガキだったもん。

だから「世も末だ」「いまのガキは」みたいな論調では叩けない。

それで擁護する気はもちろんなく、徹底的に懲らしめるべきだとは思うけれどね。

いつの時代だってしょーもないことをするガキは居るのだから、その時代にあわせた罰を喰らわせるのがいちばんよいはずです。


※いかにも現代的な「子どもの遊び→犯罪」を描いた『ブリングリング』(2013)と、


無邪気ではあるが、国レベルであたふたすることになる、数十年前の少年少女を描いた映画『ウォー・ゲーム』(83)。


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シネマしりとり「薀蓄篇」(448)

2023-02-24 00:10:00 | コラム
くろさわき「ら」→「ら」ーすふぉんとりあー

映画界における、三大奇人。

故人を除けば・・・

ドイツのヴェルナー・ヘルツォーク、
フィンランドのアキ・カウリスマキ、

そして、デンマークのラース・フォン・トリアー66歳。

これは「作風が」ではなく「作風も」「本人も」奇人という意味。

リンチやヴァーホーベンって、「作風は」おかしいかもしれないが、本人は「割とマトモ」だったりするのよね。

ヘルツォークはいつも銃を持っているみたいな噂もあったし、カウリスマキはほとんどアル中、
そしてトリアーは、カンヌ映画祭でヒトラー支持を表明したとして業界から干されたり。

つまり仕事以外では関わってはいけない、、、のかも。っていうひと―しかし厄介なのは、3人とも「創る映画が、めっぽう面白い」ってこと。

ただ油断ならぬのは、当然「毒は多め」であるよと。

トリアーの映画ではビョーク主演の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)がいちばん有名なのでしょう、これなんか「鬱映画」っていわれているしね。

まぁでも『ミスト』(2007)なんかもそうだけれど、「展開が鬱」なだけで、観ているコッチまで鬱になるとはかぎらないっていうか。
観るひと次第でしょうが、ネガな物語からポジになるひとだって居るのです、トラビスのイキザマに勇気をもらう自分みたいに!!


さて。
トリアー5選を展開するとしたら・・・

(制作順)

愛するひとが半身不随となり、セックスすることが出来なくなった…という物語から無償の愛を問う『奇跡の海』(96)、



『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、


実験的なセットを展開しアメリカを呪う?怪作『ドッグヴィル』(2003)、



セックスに没頭するあまり、幼子の事故死に気づかなかった夫婦を描く『アンチクライスト』(2009)、



そして、セックスそのものを多角的に考察?する艶笑劇『ニンフォマニアック』二部作(2013)


・・・になりますかね、

どれも挑戦的というか、あらすじ読んだだけで「いいや自分は、、、」と思うひとも多いことでしょう(^^;)

実際、映画のほうがひとを選ぶ。そういう監督だと思います。


残念なのは、トリアーが中心になって唱えた「ドグマ95」があまり進展しなかったこと。


①撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
②映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
③カメラは必ず手持ちによること。
④映画はカラーであること。照明効果は禁止。
⑤光学合成やフィルターを禁止する。
⑥表面的なアクションは許されない(殺人、武器の使用などは起きてはならない)。
⑦時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
⑧ジャンル映画を禁止する。
⑨最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
⑩監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。


つまりデジタル技術どころか「映画の商業化」を真っ向から否定する運動で、これの誓いによっていくつか野心作は制作された、、、ものの、

とくに⑥を守って創ることは難しく、

まるでウォーホールの実験映画のように、「ドラマがなければ映画にはならない」ことを逆説的に証明しちゃったというか。

それでも意固地であることこそ奇人トリアーなんじゃないかな―みたいに、ちょっと意地悪なことを考えてみたりもするのです^^


次回のしりとりは・・・
らーすふぉんとり「あー」→しああるじぇんと。

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