Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(232)

2017-12-13 00:10:00 | コラム
つ「え」→「え」こんて(絵コンテ)

低予算映画は、基本的に短期間で撮影される。
撮影期間を短くするために必要になるのが、全シーンの絵コンテ。

もちろん、長期間撮影の映画においても絵コンテは大事なものだけれど、短期間撮影では「もっと」大事だということ。

全シーンのカメラの構図、動かしかたなどを絵で表現したもの―それを絵コンテという。

コンテとはcontinuity(=連続性、継続)の略、しかし米国では絵コンテのことはstoryboardといっている。

脚本を映画の設計図だとすれば、絵コンテは見取図といえるかもしれない。
(wikiでは、絵コンテを設計図と解説してるけどね!!)


低予算の早撮り監督として有名な塚本晋也は、当然、全シーンの絵コンテを作っている。



よく分からんけど笑、それでいいのだ、このひとはなんでも自分でやるひとなんだから。

そう絵コンテは、スタッフに理解されればいいものであり、絵の完成度とは無関係。

たとえばスコセッシの傑作、『タクシードライバー』(76)の絵コンテ。
これを漫画作品と捉えると・・・ヘタウマのレベルにも達していないものね。



でも味わい深さはあるっていう、、、あ、それがヘタウマというのか笑


※絵コンテと完成映像を比較した動画





オメーが自主制作していたときは、どうだったのか?

もちろん、絵コンテを作っていた。

ただ自分は脚本オンリーだったから、監督を担当する友人が、自分が記した脚本を参考にしてカメラマンと作った。

その友人は似顔絵を描くのがとても上手で、だから絵コンテも「ある種の漫画」のような完成度を誇っていた。


そう絵コンテを、ひとつの作品として仕上げる監督も居る。

この、『A.I.』(2001)の絵コンテも素晴らしいが、




世界王者はこのひとで決まりだろう、黒澤だ。






これだけで「金が取れる!」―呆れるほどのクオリティだが、元々「画家になりたかった」ひとですから。


正直な話をすると。

スコセッシが司祭になることを諦めて映画監督になったのと同様に、
黒澤が画家への道で挫折してよかった、、、と、映画ファンは思うのである。


次回(来年)のしりとりは・・・
えこん「て」→「て」ろりすと。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『誰と観るのか問題』
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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絵コンテって映画のキモ (̴夢見)
2017-12-13 16:50:54
みたいにも思えます
ジョニー・デップ出演の首無し騎士の出て来る「スリーピーホロウ」かな^^;の時にも思ったのですが

こういうイメージでって


{スコセッシが司祭になることを諦めて映画監督になったのと同様に、
黒澤が画家への道で挫折してよかった、、、と、映画ファンは思うのである。}

本当に!そうですね

ほっと胸を (oyajisann)
2017-12-13 23:25:06
タクシードライバーの絵コンテは映画と対比すると
失礼ながら笑えてしまいますね。
黒沢監督の方は怨念のよう見せられたら怖いなぁ。
しかしながら画家挫折で監督、多くの人がほっと胸
を撫で下ろす逸話ですね。

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