Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(218)

2017-08-20 00:10:00 | コラム
くー「る」→「る」きのびすこんてぃ(ルキノ・ビスコンティ)

出自がどうこうという時代じゃない、、、とは、いいつつ。

織田信成くんが出てきたときは、皆がワッとなったし。

宮澤エマちゃん大好きだけど、



出会うことはないだろうに、その家系だけで怖気づいちゃうし。

自分だって学生のころ、自己紹介しつつ「映画を勉強している」というと、映画に詳しい年配のひとからは、

「牧野って・・・まさか君、マキノさんのところの」などと、日本映画の父の孫みたいに勘違いされることがあり、なんとなく効果がありそうだから「えぇ、そうです」と嘘をついてやろうかと思ったことがあり。

そういうものなのかもしれない。

だからビスコンティ(あるいはヴィスコンティ)の映画を観ると、貴族とはどういうものなのか「ぼんやり」としか分かっていないクセに、

「あぁ、やっぱり貴族の映画だよな」

なんて、分かったような感想を漏らしてしまうのだった。


モドローネ伯爵ルキノ・ビスコンティ、20世紀を代表するイタリアの巨匠。

城で育ち、ココ・シャネルと知り合いで、彼女の紹介により映画の世界へ・・・という、入りかたからして「ふつうじゃない」。

撮影現場でも「監督」ではなく「伯爵」と呼ばれていたのは有名な話で、こういうひとが「センスゼロ」の映画を撮ると面白いのだが、期待に反し? 「センス100」の映画ばかりというのだから困ったものである。

とくにキャリア後期の『地獄に堕ちた勇者ども』(69)あたりからの「映画への貢献度」はそーとーなもので、

ゲイの映画っちゃあそうだけど、圧倒的な美で、それ以上のものを描いていると思わせてくれる『ベニスに死す』(71)、




狂王と呼ばれたバイエルン王を描く『ルートヴィヒ』(72)などは、ひじょうに人気が高い。


ただ21世紀の現在、若い映画ファンは、このひとの作品になかなか辿り着けないような気がする。

どのメディアも取り上げることがないから。


作品に触れると「うっすら」ではなく「はっきり」分かると思うが、ビスコンティはバイセクシュアルだった。

本人もそれを公言しており、そこに興味を抱ければ観てくれる若いひとも居るだろうが、自分は晩年に撮られた『家族の肖像』(74)を薦めたい。

比較的「ふつうの?」物語であり、普遍性もあるので入門編としては最適ではないかと。




初っ端から『ルートヴィヒ』に行っちゃうと、「あぁ自分とは無縁のひとだ」と思ってしまう可能性があるので。
(実際、友人がそうだったのだよなぁ・・・)


次回のしりとりは・・・
るきのびすこん「てぃ」→「てぃ」ーんえいじゃー。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『豊作万歳!』
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1 コメント

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出演している俳優さんが (夢見)
2017-08-20 12:33:26
知らない人ばかりだと観たい興味も薄れるようで

観てもらえない映画って「死んだ映画」になるのかなーと思ったりします

BS などで古い映画も放映してくれていることは良いことなのだなと思ったり

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