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勝手に左利き筆法になる?ヨーロペンYOROPEN

2005-05-27 | 左利き
以前、gooブログ版"新生活"転載記事「フィスカース(Fiskars) キッズはさみ」へのトラックバック記事「その名は、『ヨーロペン(YOROPEN)』」 で、紹介されていたボールペン「ヨーロペン」をようやく手に入れました。

lefty_zoeさんの紹介文によると、左手書きの際に起こる書いた字の上をこすってしまい、紙や手を汚すということがない、また書いた文字を手をどかさずに見ることができる、そうです。これは試してみたい、と思いました。
メーカー・サイトにも「LEFT HANDED USERS」という項目があり、左手書き・左利きに配慮したものであることがわかります。これはぜひ手に入れたいものだ、と思いました。

そして、やっと見つけました。久しぶりに訪れたスーパー、イトーヨーカドーで609円(税込)で売っていました。
私が買ったのは、緑の軸(中身は黒インク)のものです。
他に黒、赤、オレンジなどカラフルな軸がそろっていました。青は中身も青インクでした。
さらにペンシル(尖らせた鉛筆の芯を短い軸にセットしたものを順繰りに使っていくタイプ―ロケット・ペンというらしい、同タイプの色鉛筆「マルチ」もある)も同じ値段で販売されていました。

パッケージの台紙裏面の説明書きの「特徴2」のなかに「左利きの人にとっては、筆記中に筆跡を手でこすり汚すことを避けることができます。」と明記されています。

形がとてもユニークです。
そしてこの形状が最大のポイント。優れものにしています。

ペン軸の先に「く」の字型にペン先が付いている、サギ(鷺)が首を伸ばしたような、あるいは、ちょうどコンパスの円を描く鉛筆の芯が付いている方の足だけを切り取ったようなものです。
(これは私の想像ですが、きっと鉛筆代わりにコンパスの足を使って字を書いた横着者がいて、それがけっこう使えるでぇ、というので製品化したものでしょう…?)

このペンは、ゴム状の柔らかいグリップ(親指、人差し指、中指に対応した三角形)がペン軸にかぶせてあり、これを回して自分の使いやすい位置に調整できます
このグリップとくの字になったペン先のあいだに空間があるので、書いた字のあとをこすって汚すことが避けられます。
そしてこのグリップと、くの字に曲がったペン先の角度とがあいまって奇跡?を起こすのです!

左利き筆法というのをご存知でしょうか?
その昔、精神科医の箱崎総一という方が左利き友の会を運営し、左利きの人のために努力されていました。この会が左利きの人のために開発したお習字の方法をまとめたものが『左利き書道教本』です。そこで左手書き用の筆法を紹介しています。
(フェリシモ出版の『左ききでいこう!』(※注)にくわしく載っています。また大路直哉氏の著書『見えざる左手』やサイト「クラブレフティ」にも説明ページがあります。)

まず、筆の持ち方ですが、普通に左手で筆やペンを持つと、水平方向から見ると左に傾いた「\」となります。これで左から右に線を引こうとすると、筆(ペン)先を「引く」のではなく「押す」形になり、書きにくくなります。
そこで、筆を右手で持つ時のようにやや右に傾けて持つ―「/」こんな感じ―のです。こうすると、左から右に線を引く場合でも、文字通り「引く」感じになります。しかし、これは慣れないとちょっと不安定です。

ところが、このヨーロペンを使うと、ペン軸よりペン先の角度が大きいので、限りなく垂直「|」に近い形で書けるようになります。

さらに、ペン軸に対しペン先を思い切って右に倒してみる―グリップを左に回す―と、さらに右手使いに近い方向にペン先の角度に変えることができます。

ペン軸とペン先の角度が違うこと、グリップを回転させて最良のポジションで持てることを利用し、ペン先だけを倒すことでこういう形に持ってゆくことが可能になります。

即ち、垂直方向―上から見ると、左手に持つペンの方向は「♂」左手前から右奥へ、もしくは「→」左から右へ、となります。右手の場合はその逆の「\」右手前から左奥へ、もしくは「←」右から左へ、です。

このヨーロペンを使うと、「♂」ではなく縦方向「↑」に近い前後の角度に変えることができます。(画像参照:上段左が倒した場合、右はそのままの状態―ふつうのペンと同じ)

上から見て逆「く」の字型「>」に(近く)ペン先をセッティングするのです。こうすると、左から押して書いているにもかかわらず、ペン先は勝手に「引く」形に動いてゆきます。
ただあまり傾けすぎるとボールが紙に接触せず書けません。そこで実際には少しだけ傾けて、ペン先が真っ直ぐになる前後の範囲が無難でしょう。
これでも、「押す」というより「横に引く」感じなので、使い心地は格段にアップします。
初め慣れるまでは角度を少なめにして、徐々に角度をつけ、自分の限界を極めればよいと思います。

左利き筆法は、筆の持ち方以外に、紙の位置を変えます。
1・斜め45度右に傾ける、2・90度直角に横倒しにする、3・体のまん前でなく、中心から左側に置く、という三つの方法があります。
横倒し法は極端ですが、横棒を縦棒に、縦棒を右から左へ引く方向に変換できるため、横棒を「引く」作業が「押す」ことになる左手書きの欠点を改善できる、非常に良い方法です。

このヨーロペンも、ペン先を回転させることで力の方向を変えることができるので、左利き筆法に似た変換が可能で、手書き作業が非常に便利になると思います。

左利き筆法が使えて、書いた文字をこする心配もなく、確認もできる。実に良いこと尽くめのペンの誕生です!
ただ、お値段がかなりお高いのが難点です。通常のボールペンが百円前後で売っていることを考えると、ちょっと贅沢な気もします。
しかし手書きの機会の多い方や、書くことで悩んでおられる方はぜひ一度お試しになることを心からおすすめします。

*
ネット検索してみますと、文マガ(文具流通マガジン)12月13日~に、

英国コールズペンカンパニーの超未来筆記具「Yoropen」が売れている。エルゴノミックスの徹底的追及から生まれたボディに大きな特徴があり、昨年12月にロフトから販売を始めて、渋谷ロフトだけでも「一ヶ月で2000本売れた」(同店販売促進室)。ジュネーブ国際発明展金賞(2002年度)受賞に続き、「Yoropen Executive」は、今年1月のペーパーワールド内で開催された、ISPA(国際文具専門誌協会)アワードでも筆記具部門グランプリを獲得した。
―とありました。

*
・輸入元:エクシム株式会社 Tel: 0424-50-1959
YOROPENのホームページ(英語)
「LEFT HANDED USERS」というところをクリックすると、ふつうのペンの場合は書いた字をこすって汚すが、ヨーロペンの場合は左手書きしてもテキストをこすらないよ、というアニメの説明が見られる

その他のヨーロペンに関するブログ記事:
YOROPEN (ヨーロペン)
鳥頭なペン
YOROPENで書く
ゼブラ エアーフィット2+S

※注:フェリシモ出版『左ききでいこう!』、大路直哉著『見えざる左手』は、『レフティやすおの本屋』本店「左利きの本棚/研究書・実用書」で紹介しています。

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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